最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第5章 アグトリア動乱

各個撃破

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バルムスがレイドスに言った。

「これで目撃情報の信憑性は上がりましたな。」

レイドスがバルムスに言った。

「疑って悪かったよ。」

レイドスが気づいたようにバルムスに言った。

「て事はドロメの連中が俺たちの後方にまわり込もうとしてるって事だよな?」

バルムスがレイドスに言った。

「ええ、そういう事です。」

レイドスがバルムスに言った。

「それ不味いんじゃないか?」

バルムスがレイドスに言った。

「ええかなりまずいです。」

レイドスがバルムスに尋ねた。

「おいおいどうすりゃいいんだ?」

するとジフロル団長がレイドスに言った。

「レイドスその為に皆ここに集まっているんだ。」

そしてジフロル団長が皆に言った。

「皆どう思う?敵は何を狙っているのか?」

するとバルムスが発言した。

「そうですな、まず考えられるのは敵が完全な包囲網を形成しようとしている場合です。ただこれはあまり心配する必要はないかと。」

レイドスがバルムスに尋ねた。

「なぜ心配する必要がないんだ?」

バルムスがレイドスに言った。

「ドロメ盗賊軍の数です。包囲網を形成するのは我々以上の人数が必要となります。ですが敵は我らと同程度の数です。包囲網を形成するには人数が少な過ぎます。」

バルムスが発言した。

「もう1つの手として、我々の後方を攻撃してバトロア鉱山とストレアとの連絡線の遮断する場合です。」

するとアルガスがバルムスに尋ねた。

「具体的に敵はどこを狙ってくると思う?」

バルムスがアルガスに言った。

「恐らくミルゲ砦でしょう。」

アルガスがバルムスに言った。

「ミルゲ砦はストレア教区とバトロア教区の境目にある。確かに敵に奪われたら厄介だな。」

するとアルガスがバルムスに言った。

「敵の真の狙いは恐らくミルゲ砦を奪取を見せつけて、我らを丘陵地帯から誘い出す事ではないか?」

バルムスがアルガスに言った。

「ああ、それこそが敵の真の狙いだろうな。我々をこの場所から誘い出して、別動隊と本隊での挟撃を狙っているのだろう。」

アルガスがバルムスに言った。

「なるほどミルゲ砦を攻撃して、我々が慌てて出てきた所を挟撃しようという訳か。」

バルムスがアルガスに言った。

「だが敵が分散しているこの状況は我々にとってはピンチでもあるが、同時にチャンスでもある。」

するとバルムスがジフロル団長に言った。

「そこでおやっさん、一つご提案があります。これより直ちに出撃してミルゲ砦へ救援に向かうべきかと。」

するとレイドスがバルムスに尋ねた。

「おいおいここから出て大丈夫なのか?ドロメの連中は俺たちを誘い出して挟撃しようとしているんだろう?」

バルムスがレイドスに答えた。

「いえだからこそ出撃するべきなのです。」

レイドスがバルムスに尋ねた。

「どういう事だ?」

バルムスがレイドスに言った。

「挟撃や包囲攻撃を成功させる為には、部隊間同士の高度な連携が欠かせません。ですが敵は高地を確保できていません。この状況では部隊間同士での連携は相当に難しいはずです。現在地を知らせるだけでもかなりの労力が必要でしょう。一方我々は高地を確保できており、敵の位置が簡単に分かります。ましてや今、敵は分散しています。各個撃破する絶好のチャンスと言えるでしょう。」

レイドスがバルムスに尋ねた。

「でも夜が明けないと敵の正確な位置までは流石に分からないんじゃないか?」

バルムスがレイドスに言った。

「ええ、ですからまず出撃の準備をします。出撃準備を完了した頃には夜が明けています。夜明けと共に別動隊の位置を確認してから、出撃すれば問題ありません。」

レイドスがバルムスに言った。

「ああなるほどな。」

するとジフロル団長が大きな声で言った。

「良し、ミルゲ砦の救援に向かう!レイドスとアルガスは一緒に来て欲しい。バルムスにはここの留守を頼む。」

レイドスとアルガスが言った。

「おうよ!」

「承知しました。」

バルムスがジフロル団長に言った。

「お任せください!」

ジフロル団長が皆に言った。

「皆宜しく頼む!」

この言葉を聞いた全員が頷いた。
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