最強勇者の物語2

第5章 アグトリア動乱

情報網

少し時間が戻り7月25日の午前3時過ぎである。

ここはジフロル軍の陣地である。

ジフロル団長の元にある知らせがもたらされようとしていた。

その時ジフロル団長は就寝していた。

ジフロル軍のバルムスが報告にやって来た。

「おやっさん、夜分失礼します。」

ジフロル団長がすぐに起き出してバルムスに言った。

「うん、バルムスか？何かあったのか？」

バルムスがジフロル団長に言った。

「どうもドロメ盗賊軍の別動隊が我らの後方に向かっているようです。」

ジフロル団長はすぐに起き出してバルムスに言った。

「そうか、分かった。ではバルムスすまないがすぐに皆を集めてくれ。作戦会議を開こう。」

バルムスがジフロル団長に言った。

「分かりました。」

ジフロル団長は寝所から出ると、すぐに作戦会議に使っている陣地へと向かった。

そしてすぐに幹部達も集まって作戦会議が始まった。

ジフロル団長が言った。

「みんな、こんな夜更けにすまない。」

他の幹部達が答えた。

「とんでもないです。」

「構いませんよ。」

するとバルムスが一人の中年男性に言った。

「すまない、バーシス殿もう一度皆に説明してくれないか？」

バーシスが頷いた後で皆に言った。

「首都アグトリアでの商談が終わったんで、ストレアへの帰路についていました。ただトラブルが重なりましてかなり帰りが遅れていたんです。アグトリア山脈を抜けた時でした。星の明かりでうっすらとでしたが、大勢で移動しているのが見えたんです。私は慌てて隠れました。しばらく様子を伺っていると、その者達は行ってしまいました。こんな真夜中に大勢が灯りもつけずに移動するなんておかしいなと思ったんです。それで慌ててジフロル様に報告しに来たんです。」

ジフロル団長がバーシスに言った。

「そうかバーシス殿、こんな真夜中に良く知らせに来てくだされた。お疲れでしょう、我が寝所をお貸しします故、ゆっくりお休みください。」

するとバーシスがジフロル団長に言った。

「それではお言葉に甘えさせて貰います。」

バーシスはジフロル団長に一礼すると寝所に向かった。

バーシスが出ていった後、レイドスがバルムスに尋ねた。

「バルムス、ドロメの別動隊ってのは本当なのか？」

バルムスがレイドスに言った。

「恐らく事実でしょう。」

だがレイドスがバルムスに尋ねた。

「あんな胡散臭い奴の言う事を真に受けて大丈夫か？」

するとジフロル団長がレイドスに言った。

「レイドス、その言い方は何だ！バーシス殿に失礼だろうが！」

するとバルムスがレイドスに言った。

「そう言えば、若はバーシス殿にお会いするのは初めてでしたね。少し前の事ですが、バーシス殿とその家族が盗賊達に襲われていたそうです。そしてちょうど居合わせたおやっさんがその盗賊達を追い払ったそうです。それ以来バーシス殿は我々に協力してくれているんですよ。」

するとレイドスに言った。

「まあそれなら信用しても大丈夫そうだな。」

するとアルガスがレイドスに助け舟を出した。

「若の懸念も分かります。ドロメ盗賊軍の情報工作ではないのか心配しているのでしょう？」

するとバルムスがアルガスに言った。

「分かった、では今夜アグトリア方面から来た者達にも不審な人影を見ていないか尋ねてみよう。」

急遽本陣に今夜アグトリア方面から来た者達が集められた。

そして不審な人影を見ていないかを尋ねた。

すると不審な人影を見たという目撃情報がいくつか得る事ができた。