最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

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ソルディ達は屋上作業で使う建材が運ばれてくるのを待っていた。

だが予定時刻を過ぎても運搬業者は現れなかった。

この現場には同じサランジ建設の社員であるフランク・オークスもいた。

彼は顔立ちが良い細身の男性で年齢は24歳だ。

ソルディはオークスに尋ねた。

「オークスさん、建材はまだ届かないんですか?」

するとオークスがソルディに言った。

「ええ、一時間ほど遅れるとさっき連絡がありました。」

ボルアがオークスに言った。

「そうか、それじゃ待つしかないな。資材が来ないと仕事のしようがないしな。」

オークスがボルアに言った。

「時間はちゃんと守って欲しいですね。この待ち時間は本当に無駄です。」

ソルディを含めた作業員達は、運搬業者がやって来るのを待っていた。

それから少し時間が経ってようやく運搬業者がやって来た。

だが運搬業者は蒸気トラックで来たのではなかった。

浮遊魔導師が魔導フロート(荷物運搬用に使う魔道具)を利用して、建材を空中に浮かせながら運んできたのだ。

浮遊魔導師は、宙に浮かせている荷物の後方を宙に浮きながらやって来た。

浮遊魔導師は黒いローブを着ており、黒いローブには浮遊魔導師協会のロゴが入っていた。

浮遊魔導師は若い男性だった。

すると建材を運んできた浮遊魔導師がオークスに言った。

「遅くなり申し訳ありません。」

するとオークスが浮遊魔導師に尋ねた。

「なぜ遅れたんです?」

浮遊魔導師がオークスに答えた。

「ここの前の現場で問題が発生したんです。その対応のため出発時間が遅れてしまいました。申し訳ありません。」

オークスが浮遊魔導師に尋ねた。

「その問題というのは?」

浮遊魔導師がオークスに言った。

「ここの前のお客様が発注した材料を間違えたようで、発注を取り消したいと言われたんです。その対応をしていたので前の現場で時間がかかってしまいました。」

オークスが浮遊魔導師に答えた。

「という事は、貴方には非はないようですね。ただそうだとしても遅刻したのも事実です。こういう事態も想定して今後はスケジュールに余裕をもたせる等の対策を取るべきでは?」

すると見かねたボルアがオークスに言った。

「オークス君、彼のせいではないでは無いんだし。もういいんじゃないか?それより仕事を始めるべきだろう?」

オークスがボルアに答えた。

「それもそうですね。分かりました。」

すると浮遊魔導師がオークスに尋ねた。

「では商品を置かせて貰って宜しいですか?」

オークスは青いシートが敷かれた場所を指さして、浮遊魔導師に答えた。

「ええお願いします。あの青いシートの上にお願いします。」

浮遊魔導師は建材を宙に浮かせたまま、青いシートの真上まで移動させた。

浮遊魔導師が左手を上下させて、魔法を解き浮かせていた建材をシートの上に下ろした。

そして浮遊魔導師が尋ねてきた。

「浮き上げ作業は宜しかったですか?」

するとオークスが浮遊魔導師に答えた。

「これは屋上用の建材なので屋上まで運んでください。」

すると浮遊魔導師がオークスに答えた。

「そうですか、分かりました。」

浮遊魔導師はそう言うと階段で建設中のビルの屋上に上がっていった。

そして屋上に上がると詠唱を始めた。

「大地を守りし聖獣よ、我らを大地の呪縛より解き放ちたまえ。ラルアーリム!」

すると浮遊魔導師が建材を浮遊魔法で次々と屋上まで浮かせて運んでいった。

全ての建材を屋上に運び終わると、オークスも屋上に上がっていった。

そして浮遊魔導師がオークスに尋ねた。

「これで納品及び運搬作業は完了となります。宜しいでしょうか?」

オークスが浮遊魔導師に答えた。

「はい大丈夫です、確認しました。」

浮遊魔導師がオークスに答えた。

「ではこちらの受領書にサインをお願いします。」

オークスが浮遊魔導師が出した受領書にペンでサインをした。

サインを確認した浮遊魔導師がオークスに言った。

「ではこちらが納品書になります。」

浮遊魔導師はオークスに納品書を渡した。

そして浮遊魔導師がオークスに言った。

「今回はご利用頂きありがとうございます。では失礼します。」

そして浮遊魔導師は再度浮遊魔法を唱えて、空中を飛んで帰って行った。
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