最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

勇者戦争

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バルゲア歴745年9月2日ブリース平原で軍と軍がにらみ合いをしていた。

どちらもおよそ五千の軍勢であった。

だがそれを率いていた者はどちらも変わっていた。

ブリース平原の南側に布陣していた軍勢を率いていた男の司令官が部下達に大声で言った。

「いいか!あの救いようのないバカに思い知らせてやるんだ!絶対にだ!」

この司令官の身なりは頭に汚れたパンツを被り、上半身は一切何も着ておらず裸で、下半身も汚れたパンツを着ているだけであった。

中年のおっさんで身体は小太りで腹もしっかり出ていた。

顔もお世辞にもかっこいいとは言えなかった。

実はこの司令官こそ異世界よりやって来た勇者であった。

時空の女神リーシャによって送られた勇者の一人で、この異世界ではクソ勇者と呼ばれていた。

とにかくこの勇者は自分の汚物が大好きだった。

クソ勇者の部下達も武器は携えていたが、服や鎧は着ておらずパンツ一丁の格好だった、もちろんクソ勇者の指示であった。

大きなミコシに乗ったクソ勇者が部下達に演説を始めた。

「いいかこのデリシャスな勇者様があのバカの城に行ってやったんだ。そしてわざわざあのバカの玉座にクソをしてやったんぞ。そうしたらあのバカは何て言ったと思う?何しやがるんだ?汚ねもんさらしやがって?このクソ野郎!って言いやがったんだ!」

クソ勇者は更にヒトーアップして大声で言った。

「このデリシャスな勇者様がわざわざクソをしてやったぞ!涙を流しながら感謝するのが当たり前だろう!そうだろう!お前らー?」

パンツ一丁の部下達が一斉に答えた。

「はい、その通りです。」

更にクソ勇者が大声で言った。

「このデリシャスな勇者様のクソは?」

部下達が一斉に答えた。

「はい、この世界で最も価値がある宝です。間違いなく極上の逸品です。」

クソ勇者が大声で言った。

「このデリシャスな勇者様のオナラは?」

部下達が一斉に答えた。

「嗅げる事は最高の喜びであり、最高の栄誉です。孫の代まで語り継がれます!」

クソ勇者が大声で言った。

「そうだ!このデリシャスな勇者様のクソの価値も分からんあのバカを絶対に許すな!」

だがクソ勇者の部下達は嘆いていた。

「俺らはこんなクソ勇者のために今から命懸けで戦わなきゃならんのか?」

「本当やってらんねよな、こんな格好させやがって。あのクソ勇者いい加減にしろよ!」

「なあもう逃げないか?やってらねーよ、こんな下らない事。」

「駄目だ、そんな事をしたらあのクソ勇者に切り殺されるぞ。ここに来るまでに何人の兵士があのクソ勇者に殺されたと思ってるんだ?」

「仕方ないな、生き残る為に戦うか。はあー。こんな事なら他の所に仕官すれば良かったな。」

「いやあっちの司令官やってるバカ勇者もたいがいだぞ!」

一方こちらはブリース平原の北側に布陣したバカ勇者の軍勢である。

バカ勇者もまた時空の女神リーシャによってこの異世界にやって来たのだった。

バカ勇者は中年のおっさんでかなり剥げていた。

ヘンテコな形をしたピンク色の鎧を着ていた。

体型は小太りで頭の悪そうな顔であった。

バカ勇者の部下達は武器に加えてちゃんと鎧と兜を着ていた。

バカ勇者が大声で部下に言った。

「いいか、あのクソ野郎はこのスーパーミラクル勇者様の黄金の玉座にクソをしやっがった。このスーパーミラクル勇者様のすごい城を見せてやったにも関わらずだ。しかもトイレを全て撤去してやったにも関わらずだ!」

そしてバカ勇者が部下に大声で言った。

「トイレを撤去すれば城は汚れない!素晴らしい考えだろ?」

部下の兵士達が一斉に答えた。

「はいとても素晴らしすぎる考えです。スゴすぎます!」

バカ勇者が大声で言った。

「トイレがなければ紙の節約になる!素晴らしい考えだろ?」

部下の兵士達が一斉に答えた。

「はいとても素晴らしい考えです。スゴすぎます。」

バカ勇者が大声で言った。

「トイレなんて三日ぐらい我慢すりゃいいんだ。素晴らしい考えだろ?」

部下の兵士達が一斉に答えた。

「はい素晴らしい考えです!我慢できないなんてあり得ません!」

すると少し離れた所にいたバカ勇者配下の兵士達が嘆いていた。

「いい加減にしてくれよあのバカ勇者!三日もトイレ我慢できる訳ねーだろう!」

「なあ知ってるか?あのバカ勇者の寝室にはトイレがちゃんとあるんだぞ。」

「それ本当か?」

「ああそれで自分は30分おきにトイレに行くらしい。」

「はあ?30分おき?俺らは腹痛いの我慢して毎日仕事してんだぞ!」

「ああ、おまけに城の中は立ちションを自分で禁止してるのに、あのバカ勇者はあちこちで立ちションしまくってるんだ。」

「ふざけんな!あのバカ勇者!」

「本当だよな。」

「なあ、みんなであのバカ勇者を倒さないか?あんなバカ顔もう見たくねわ。」

「それは無理だ、あのバカ勇者めちゃくちゃ強いんだぞ?バカ勇者に歯向かった奴はどうなった?もれなく皆殺しにされただろ?」

「そうだったな。生き残る為にはあのバカ勇者に従うしかないか。はあー。」

するとバカ勇者が大声で部下に言った。

「俺様の黄金の玉座にクソをしやがったあのクソ野郎にこのスーパーミラクルな勇者様の凄さに思い知らせろ!そしてギャフンと言わせるんだ、ギャフンだギャフン!」

部下達が一斉に答えた。

「おおー!」

するとバカ勇者が部下に号令をかけた。

「いけー!」

バカ勇者の部下達がクソ勇者軍にめがけて突撃を開始した。

クソ勇者軍もこれに応戦した。

こうして勇者戦争が始まった。
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