最強勇者の物語2

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
190 / 265
第4章 ホルムス共和国

結果論

しおりを挟む
吉崎部長と島内部長は逮捕されて、警察署に連れて行かれた。

笹岡警部はそれを見届けた後に照之に声をかけた。

「照之君、少しいいかね?」

照之が笹岡警部に答えた。

「はい笹岡警部、何でしょうか?」

笹岡警部が照之に言った。

「君は私より早く真相に気づいていたようだった。私に決算報告書を渡してくれた。あれは私に気づかせようとしていたんだろう?」

すると照之が笹岡警部に答えた。

「ちょうど俺も親父と同じ事をしようとしていたんです。こっそりやって来て親父の働きぶりを見ようと思って今日来たんです。テープレコーダーでの録音もちょくちょくやってるんで。それで気づけたんですよ。あとは親父の机の中にあった書類を見て大体の目星はつけました。」

照之が笹岡警部に続けて言った。

「あとは笹岡警部が気づいてくれれば、事件を解決してくれると思ってましたから。あなたは情に厚くて広い視野で物事を見る事ができる優秀な警部さんです。」

笹岡警部が照之に答えた。

「ありがとう、私の事をずいぶんとかってくれてたんだな。だがよかったのかね?こういう事を言ったら刑事失格かもしれないが、君自身の手でお父さんの仇を取りたかったんじゃないかね?」

すると照之が笹岡警部に答えた。

「俺にとっては誰が犯人を追い詰めるというのはさほど重要な問題ではないんです。大事なのは結果です。結果として親父を殺した犯人は捕まり、俺の容疑は晴れました。それにあの時点で俺は容疑者の一人でした。下手には動き回れませんでした。現に糸沼刑事に余計な事をして怒られています。あの時点では笹岡警部が真相にたどり着いてくれるのがベストだったんですよ。何せ貴方は刑事達を束ねる警部さんです。権限を持ってる人に動いてもらうのが一番だと考えたんです。」

すると笹岡警部が照之に言った。

「ふっ、君はいつも冷静なんだな?」

照之が笹岡警部に答えた。

「ええ、それが俺の取り柄なんですよ。」

すると笹岡警部が照之に言った。

「これから君はこの会社を継ぐんだろう?」

照之が笹岡警部に答えた。

「ええもちろんそのつもりです。」

笹岡警部が照之に言った。

「大変だとは思うが頑張ってくれ。照之君、それじゃな。」

笹岡警部はそう言うと車に乗り込んで、警察署へと戻って行った。

こうして事件は解決した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

最強の赤ん坊! 異世界に来てしまったので帰ります!

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
 病弱な僕は病院で息を引き取った  お母さんに親孝行もできずに死んでしまった僕はそれが無念でたまらなかった  そんな僕は運がよかったのか、異世界に転生した  魔法の世界なら元の世界に戻ることが出来るはず、僕は絶対に地球に帰る

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【完結】とある婚約破棄にまつわる群像劇~婚約破棄に巻き込まれましたが、脇役だって幸せになりたいんです~

小笠原 ゆか
恋愛
とある王国で起きた婚約破棄に巻き込まれた人々の話。 第一王子の婚約者である公爵令嬢を蹴落とし、男爵令嬢を正妃にする計画を父から聞かされたメイベル・オニキス伯爵令嬢。高位貴族を侍らせる身持ちの悪い男爵令嬢を正妃など有り得ない。しかし、大人達は計画を進め、自分の力では止めることは出来そうにない。その上、始末が悪いことにメイベルの婚約者もまた男爵令嬢の取り巻きになり下がっていた。 2021.9.19 タイトルを少し変更しました。

異世界転生!ハイハイからの倍人生

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は死んでしまった。 まさか野球観戦で死ぬとは思わなかった。 ホームランボールによって頭を打ち死んでしまった僕は異世界に転生する事になった。 転生する時に女神様がいくら何でも可哀そうという事で特殊な能力を与えてくれた。 それはレベルを減らすことでステータスを無制限に倍にしていける能力だった...

自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹
ファンタジー
家族と一緒に初めて王都にやってきたソーマは、王都の光景に既視感を覚えた。自分が作ったゲームの世界に似ていると感じて、異世界に転生した事に気がつく。 自作ゲームの中で作った猫執事キャラのプティと再会。 やっぱり自作ゲームの世界かと思ったけど、なぜか全く作った覚えがない乙女ゲームのような展開が発生。 何がどうなっているか分からないまま、ソーマは、結構マイペースに、今日も魔道具制作を楽しむのであった。 第1章完結しました。 第2章スタートしています。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~

柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。 想像と、違ったんだけど?神様! 寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。 神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗ もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。 とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗ いくぞ、「【【オー❗】】」 誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。 「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。 コメントをくれた方にはお返事します。 こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。 2日に1回更新しています。(予定によって変更あり) 小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。 少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_

処理中です...