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第4章 ホルムス共和国
犯行動機
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笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「広正社長は驚いた事だろう、吉崎部長と島内部長の密会現場を目撃してしまったんだからな。だが広正社長は更に驚いたはずだ。なにせ島内部長まで不正を働いていたんだからな。」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「笹岡警部、その島内部長の不正というのは?」
すると照之が数枚の紙を掲げて言った。
「みなさんこれを見てほしい!」
富城課長がその紙を見ながら照之に答えた。
「照之君、この紙は退職者リストだな。確かに笹岡警部の言う通り新しく入った女性従業員はほとんどが辞めているな。それでその紙は?」
すると照之が富城課長に言った。
「富城課長、これは決算報告書です。」
そして富城課長に紙を見せた。
すると富城課長が決算報告書を見ながら大きな声で言った。
「今年はすでに二億を越える赤字?なんでこんなに赤字がひどいんだ?古くなっている設備は最低限の修繕に抑えて使っているんだ。それに売上も安定しているはずだ。ここまで赤字が出るのはおかしい。どういう事です?島内部長?」
だが島内部長は富城課長の問いかけには黙ったまま答えなかった。
すると照之が大きな声で言った。
「島内経理部部長は会社の金を横領していたのさ。およそ7億円をな。」
富城課長が驚いて答えた。
「島内部長が横領?7億円?」
すると笹岡警部が皆に言った。
「ええ、島内部長は会社のお金を横領していた。そしてその横領したお金の大半を吉崎部長に貢いでいたんですよ!その貢いでいる現場を広正社長は見てしまったんですよ。」
更に笹岡警部は続けた。
「そしてとんでもない事実に驚愕した。だが意を決して広正社長は彼女を呼んだんです、証拠としてカセットテープを録音しながらね。島内君、島内君、いるんだろう島内君とね。吉崎部長のセクハラと島内部長の横領この二つの悪事が明るみに出るのを恐れた吉崎部長は、広正社長を口封じの為にロープで首を締めて殺したんです。広正社長が島内部長を問い質している間にね。」
糸沼刑事が笹岡警部に答えた。
「そうか、島内部長があんなアリバイトリックができたのは、朝に吉崎部長と保管倉庫に行ってたからなんですね?」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「そうだ、そして吉崎部長は広正社長を絞殺した後、事務部屋で島内部長と一緒に自殺に見せかけた偽装工作を行った。その時に見つけたんでしょうな、録音状態になっているテープレコーダーを。このテープを聞いた吉崎部長はアリバイ工作を思いついたんです。偽装工作を完了させた二人は保管倉庫を出て、別々に事務所に戻った。テープレコーダーも持ち帰ったはずです。遺留品にはありませんでしたからな。その後、島内部長を応援に行くという名目でアリバイ工作に向かわせたんです。」
糸沼刑事が笹岡警部に尋ねた。
「あれ、でも富城課長が広正社長に挨拶する為に事務部屋に来る可能性はあったんじゃないですか?富城課長が事務部屋に来られたら全てご破算ですよ。」
笹岡警部が糸沼刑事に言った。
「ああ、それを防ぐ為に島内部長は富城課長の机からあらかじめトラックのキーを盗んでおいた。これは富城課長に事務部屋に来させない為だな。時間が押していれば、早く作業を終わらせるために余計な事をしようとは考えない。そしてキーを見つけたと言って富城課長に渡した。そして保管倉庫の中で富城課長の前で広正社長の声を再生させて、後はその声に合わせて返答をしたんだ。あたかも広正社長と会話しているように見せる為にな。こうして午前11時半に広正社長が生きているというアリバイを作って吉崎部長を容疑者から外そうとした訳だ。」
すると笹岡警部が吉崎部長と島内部長に尋ねた。
「何か間違っている所がありますか?吉崎部長、島内部長??」
島内部長は無言だったが、吉崎部長は大きな声で笹岡警部に言った。
「いや笹岡警部よく考えましたな。笹岡警部は想像力は豊かなようです。でもそれを俺や島内部長がやったという証拠が一体どこにあるんですか?全くさっきから適当な事ばかり言いやがって!証拠を出せと言っているんだ!」
すると笹岡警部が吉崎部長に言った。
「吉崎部長あなたもご存じでしょう?このアリバイトリックは広正社長が回したテープを使わなければならない。しかし島内部長は戻ってきた後ずっと事務所にいた。そして事件発覚後は我々刑事達が張り付いていました。島内部長まだ持っているんじゃないですか?広正社長の声が入ったテープレコーダーを?」
女性刑事が島内部長に近づきのポケットを調べた。
すると中から小型のテープレコーダーが出てきた。
小型のテープレコーダーの中にはカセットテープも入っていた。
カセットテープが最初まで巻き戻され再生された。
広正社長の声が流れる。
「島内君!島内君!いるんだろう島内君?」
すると少しの間の後、島内部長の声がした。
「はい社長ここにいます。」
すると再び広正社長の声が聞こえた。
「なんで島内君がここにいるんだ?こっちに来てくれ。」
するとしばらく間が空き誰かが走ってくる足音が聞こえた。
そして島内部長の声が流れた。
「はい、社長何でしょうか?」
広正社長の声が聞こえる。
「島内君なんで君がここにいるんだ?今日は朝から銀行に振り込み処理に行く予定だったはずだろう?」
島内部長の声が流れた。
「それは吉崎部長から手伝って欲しいと頼まれたんです。」
すると広正社長の声が響いた。
「ほうそれで吉崎君にわが社の資金を貢いだのか?悪いが全て聞かせてもらった。君がわが社の資金を横領している事も、吉崎君に横領したお金を貢いでいる事もな!島内君、君を信頼していたんだぞ!それなのにこんな事をするなんて。吉崎君、島内君が終わったら君の番だ。そこで待っているんだ!」
そして揉み合いのような音が流れた。
そのすぐ後に広正社長のうめき声が流れた。
「うぐああ!!!」
吉崎部長の声が流れた。
「搾り取れないならもうあんたは要らないよ!ここで死んでくれ!」
広正社長のうめき声が響く。
「ぐあああ!!」
テープレコーダーの再生を止めた。
笹岡警部が吉崎部長に言った。
「このカセットテープに録音されている音声が何より証拠です。これ以上の証拠はありません。」
吉崎部長は膝を崩した。
「くそ、こんな事になるなんて!」
すると富城課長が吉崎部長に尋ねた。
「吉崎部長、本当に君が広正社長を殺したのか?」
吉崎部長が富城課長に答えた。
「ああそうだ。俺が殺した。だから何だ?あんなぼんくら、いようがいまいが変わらんだろ?」
富城課長が吉崎部長に言った。
「君は広正社長に信用されていたんだぞ?それなのになんで恩を仇で返すような事ができるんだ?」
すると吉崎部長は富城課長を睨み付けながら言った。
「お前こそ何を言ってるんだ?あのぼんくらは俺の愛の邪魔をしたんだぞ。世の女性達にこの俺の愛を届けなければならないんだ。一人でも多くの女性に俺の愛を与える。その為にはたくさんの金が必要だった。どうせあのぼんくらじゃお金の有効利用なんて出来ない。だから俺が使ってやったんだよ代わりにな。それを邪魔したあのぼんくらも俺の愛を拒否しやがったあの女共も苦しんで当然だろう?地獄に落ちて当然だろうが!」
すると笹岡警部が吉崎部長に言った。
「吉崎部長、それは本心で言ってるのか?」
吉崎部長が笹岡警部に答えた。
「当たり前だろう?俺は愛の為に生きているだ!後悔などみじんも無いさ。」
すると吉崎部長が島内部長に大声で怒鳴りつけた。
「全く、とみこ!お前のせいだぞ!お前が上手く立ち回らなかったからバレたんだぞ?お前がやってたセコい横領を見過ごしてやったんだぞ。俺様が見つからないように色々とアドバイスをしてやったのに、こんなヘマしやがって!」
島内部長が泣きそうな声で吉崎部長に答えた。
「とし君、ゴメン、ゴメン。お願いだから嫌いにならないで!」
島内部長は膝を崩して泣き出した。
すると笹岡警部が吉崎部長に大声で言った。
「吉崎お前こそいい加減にしろ!お前はその汚い欲望の為に善良な人を殺して、女性達を食い物にしたろくでなしだ!刑務所でその罪をしっかり償え!」
その後二人は刑事達に逮捕されて警察署に連れて行かれた。
「広正社長は驚いた事だろう、吉崎部長と島内部長の密会現場を目撃してしまったんだからな。だが広正社長は更に驚いたはずだ。なにせ島内部長まで不正を働いていたんだからな。」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「笹岡警部、その島内部長の不正というのは?」
すると照之が数枚の紙を掲げて言った。
「みなさんこれを見てほしい!」
富城課長がその紙を見ながら照之に答えた。
「照之君、この紙は退職者リストだな。確かに笹岡警部の言う通り新しく入った女性従業員はほとんどが辞めているな。それでその紙は?」
すると照之が富城課長に言った。
「富城課長、これは決算報告書です。」
そして富城課長に紙を見せた。
すると富城課長が決算報告書を見ながら大きな声で言った。
「今年はすでに二億を越える赤字?なんでこんなに赤字がひどいんだ?古くなっている設備は最低限の修繕に抑えて使っているんだ。それに売上も安定しているはずだ。ここまで赤字が出るのはおかしい。どういう事です?島内部長?」
だが島内部長は富城課長の問いかけには黙ったまま答えなかった。
すると照之が大きな声で言った。
「島内経理部部長は会社の金を横領していたのさ。およそ7億円をな。」
富城課長が驚いて答えた。
「島内部長が横領?7億円?」
すると笹岡警部が皆に言った。
「ええ、島内部長は会社のお金を横領していた。そしてその横領したお金の大半を吉崎部長に貢いでいたんですよ!その貢いでいる現場を広正社長は見てしまったんですよ。」
更に笹岡警部は続けた。
「そしてとんでもない事実に驚愕した。だが意を決して広正社長は彼女を呼んだんです、証拠としてカセットテープを録音しながらね。島内君、島内君、いるんだろう島内君とね。吉崎部長のセクハラと島内部長の横領この二つの悪事が明るみに出るのを恐れた吉崎部長は、広正社長を口封じの為にロープで首を締めて殺したんです。広正社長が島内部長を問い質している間にね。」
糸沼刑事が笹岡警部に答えた。
「そうか、島内部長があんなアリバイトリックができたのは、朝に吉崎部長と保管倉庫に行ってたからなんですね?」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「そうだ、そして吉崎部長は広正社長を絞殺した後、事務部屋で島内部長と一緒に自殺に見せかけた偽装工作を行った。その時に見つけたんでしょうな、録音状態になっているテープレコーダーを。このテープを聞いた吉崎部長はアリバイ工作を思いついたんです。偽装工作を完了させた二人は保管倉庫を出て、別々に事務所に戻った。テープレコーダーも持ち帰ったはずです。遺留品にはありませんでしたからな。その後、島内部長を応援に行くという名目でアリバイ工作に向かわせたんです。」
糸沼刑事が笹岡警部に尋ねた。
「あれ、でも富城課長が広正社長に挨拶する為に事務部屋に来る可能性はあったんじゃないですか?富城課長が事務部屋に来られたら全てご破算ですよ。」
笹岡警部が糸沼刑事に言った。
「ああ、それを防ぐ為に島内部長は富城課長の机からあらかじめトラックのキーを盗んでおいた。これは富城課長に事務部屋に来させない為だな。時間が押していれば、早く作業を終わらせるために余計な事をしようとは考えない。そしてキーを見つけたと言って富城課長に渡した。そして保管倉庫の中で富城課長の前で広正社長の声を再生させて、後はその声に合わせて返答をしたんだ。あたかも広正社長と会話しているように見せる為にな。こうして午前11時半に広正社長が生きているというアリバイを作って吉崎部長を容疑者から外そうとした訳だ。」
すると笹岡警部が吉崎部長と島内部長に尋ねた。
「何か間違っている所がありますか?吉崎部長、島内部長??」
島内部長は無言だったが、吉崎部長は大きな声で笹岡警部に言った。
「いや笹岡警部よく考えましたな。笹岡警部は想像力は豊かなようです。でもそれを俺や島内部長がやったという証拠が一体どこにあるんですか?全くさっきから適当な事ばかり言いやがって!証拠を出せと言っているんだ!」
すると笹岡警部が吉崎部長に言った。
「吉崎部長あなたもご存じでしょう?このアリバイトリックは広正社長が回したテープを使わなければならない。しかし島内部長は戻ってきた後ずっと事務所にいた。そして事件発覚後は我々刑事達が張り付いていました。島内部長まだ持っているんじゃないですか?広正社長の声が入ったテープレコーダーを?」
女性刑事が島内部長に近づきのポケットを調べた。
すると中から小型のテープレコーダーが出てきた。
小型のテープレコーダーの中にはカセットテープも入っていた。
カセットテープが最初まで巻き戻され再生された。
広正社長の声が流れる。
「島内君!島内君!いるんだろう島内君?」
すると少しの間の後、島内部長の声がした。
「はい社長ここにいます。」
すると再び広正社長の声が聞こえた。
「なんで島内君がここにいるんだ?こっちに来てくれ。」
するとしばらく間が空き誰かが走ってくる足音が聞こえた。
そして島内部長の声が流れた。
「はい、社長何でしょうか?」
広正社長の声が聞こえる。
「島内君なんで君がここにいるんだ?今日は朝から銀行に振り込み処理に行く予定だったはずだろう?」
島内部長の声が流れた。
「それは吉崎部長から手伝って欲しいと頼まれたんです。」
すると広正社長の声が響いた。
「ほうそれで吉崎君にわが社の資金を貢いだのか?悪いが全て聞かせてもらった。君がわが社の資金を横領している事も、吉崎君に横領したお金を貢いでいる事もな!島内君、君を信頼していたんだぞ!それなのにこんな事をするなんて。吉崎君、島内君が終わったら君の番だ。そこで待っているんだ!」
そして揉み合いのような音が流れた。
そのすぐ後に広正社長のうめき声が流れた。
「うぐああ!!!」
吉崎部長の声が流れた。
「搾り取れないならもうあんたは要らないよ!ここで死んでくれ!」
広正社長のうめき声が響く。
「ぐあああ!!」
テープレコーダーの再生を止めた。
笹岡警部が吉崎部長に言った。
「このカセットテープに録音されている音声が何より証拠です。これ以上の証拠はありません。」
吉崎部長は膝を崩した。
「くそ、こんな事になるなんて!」
すると富城課長が吉崎部長に尋ねた。
「吉崎部長、本当に君が広正社長を殺したのか?」
吉崎部長が富城課長に答えた。
「ああそうだ。俺が殺した。だから何だ?あんなぼんくら、いようがいまいが変わらんだろ?」
富城課長が吉崎部長に言った。
「君は広正社長に信用されていたんだぞ?それなのになんで恩を仇で返すような事ができるんだ?」
すると吉崎部長は富城課長を睨み付けながら言った。
「お前こそ何を言ってるんだ?あのぼんくらは俺の愛の邪魔をしたんだぞ。世の女性達にこの俺の愛を届けなければならないんだ。一人でも多くの女性に俺の愛を与える。その為にはたくさんの金が必要だった。どうせあのぼんくらじゃお金の有効利用なんて出来ない。だから俺が使ってやったんだよ代わりにな。それを邪魔したあのぼんくらも俺の愛を拒否しやがったあの女共も苦しんで当然だろう?地獄に落ちて当然だろうが!」
すると笹岡警部が吉崎部長に言った。
「吉崎部長、それは本心で言ってるのか?」
吉崎部長が笹岡警部に答えた。
「当たり前だろう?俺は愛の為に生きているだ!後悔などみじんも無いさ。」
すると吉崎部長が島内部長に大声で怒鳴りつけた。
「全く、とみこ!お前のせいだぞ!お前が上手く立ち回らなかったからバレたんだぞ?お前がやってたセコい横領を見過ごしてやったんだぞ。俺様が見つからないように色々とアドバイスをしてやったのに、こんなヘマしやがって!」
島内部長が泣きそうな声で吉崎部長に答えた。
「とし君、ゴメン、ゴメン。お願いだから嫌いにならないで!」
島内部長は膝を崩して泣き出した。
すると笹岡警部が吉崎部長に大声で言った。
「吉崎お前こそいい加減にしろ!お前はその汚い欲望の為に善良な人を殺して、女性達を食い物にしたろくでなしだ!刑務所でその罪をしっかり償え!」
その後二人は刑事達に逮捕されて警察署に連れて行かれた。
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