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第4章 ホルムス共和国
食い違い
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笹岡警部と糸沼刑事は隣の会議室に移動して、黒岩(くろいわ)刑事が報告に戻ってくるのを待っていた。
すると会議室に一人の男性が入ってきた。
会議室に入ってきたのは笹岡警部の部下の黒岩(くろいわ)刑事だった。
黒岩刑事が笹岡警部に報告した。
「失礼します。笹岡警部、保管倉庫周辺で聞き込みを行ってきましたので、ご報告致します。」
笹岡警部が黒岩刑事に答えた。
「うん、頼む。」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「まず保管倉庫は小高い丘の上にあって、保管倉庫に向かう道路は一つだけです。その道路沿いに一軒のコンビニがあります。そのコンビニは保管倉庫の近くにありまして、コンビニの店舗道側に防犯カメラが設置されていました。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「ならばそのコンビニの防犯カメラを確認すれば、証言の確認ができるな。」
すると黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「はい私もそう考えて、防犯カメラの映像を全て確認してきました。すると証言と食い違う点が出てきました。」
笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「何?本当か?それであの四人の誰が嘘の証言をしていたんだ?」
黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「いえ、あの四人は誰も嘘の証言はしていませんでした。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「君は今、食い違う点が出てきたと言ったじゃないか?」
すると黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「いえ、証言が食い違ったのはあの四人ではなく、広正社長の方なんです!」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「広正社長が、どういう事だ?」
すると黒岩刑事が笹岡警部に話し始めた。
「広正社長が午前7時5分に倉庫近くのコンビニに立ち寄っていました。そして買い物を済ませて倉庫の方に向かって歩いていったそうです。」
笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「何?それは本当か?」
黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「はい、コンビニ店員が顔を覚えていました。防犯カメラの映像も確認しましたので間違いありません。」
さらに黒岩刑事が笹岡警部に話した。
「実はもう一つありまして、広正社長が今日会っていたはずのマルテールチョコレートの遠藤社長に確認をしたのです。すると今日は広正社長とは会っていないし、そもそも今日会う予定も無かったと言っているのです。」
笹岡警部が訝しげに黒岩刑事に尋ねた。
「一体どういう事なんだ?まあ広正社長か遠藤社長のどちらかが嘘をついていたという事だろうが。その遠藤社長は今日何をしていたんだ? 」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「念のため遠藤社長のアリバイも調べましたが、今日の午前7時から午後3時までずっと会議に出ていたそうです。他の参加者からの確認も取れたので間違いないかと。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「ということは広正社長が嘘をついていたという事か。しかし一体何の為に?」
笹岡警部はすっかり考え込んでしまった。
少し経って笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「そういえば、四人の証言の裏付けの方がまだだったな。そちらの報告も頼む。」
黒岩刑事は笹岡警部に答えた。
「はい分かりました。では防犯カメラの映像を借りてきましたので見て確認しましょう。」
黒岩刑事がそう言ったあと、防犯カメラの映像を再生できるようにモニターとビデオデッキが会議室の机に用意された。
「防犯カメラの映像の確認を行った結果、四人の証言に関しては、食い違いはありませんでした。保管倉庫に向かうにはコンビニ前の道を通るしかないので。」
黒岩刑事が映像の再生を始めた。
黒岩刑事が笹岡警部に続けて言った。
モニターには広正社長が映っていた。
「まず広正社長がコンビニで買い物を終えて保管倉庫に向かって歩いて行きました。これが午前7時12分です。」
黒岩刑事が少し早送りをして、また再生を始めた。
黒岩刑事が笹岡警部に続けた。
そこには吉崎部長の赤い乗用車が写し出されていた。
「そして総務部長の吉崎敏弘(よしざきとしひろ)さんの赤い乗用車が午前8時3分に保管倉庫に向かって走っていきました。」
黒岩刑事は再び早送りをした。
そして黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「そして午前9時7分に保管倉庫の方から吉崎さんの赤い乗用車が走ってきました。」
黒岩刑事が再び早送りをした。
黒岩刑事が笹岡警部に続けて言った。
映像には古森製菓のトラックが写し出されていた。
「そして物流課の富城誠一(とみしろせいいち)さんと経理部部長の島内菊子(しまうちきくこ)さんが乗っているであろう古森製菓(こもりせいか)のトラックが午前11時28分に保管倉庫に向かって走っていっています。」
黒岩刑事が映像を早送りする。
そして黒岩刑事が笹岡警部に続けて言った。
「そして午後0時3分に今度は古森製菓(こもりせいか)のトラックが保管倉庫側から走ってきました。」
黒岩刑事がまた早送りをした。
映像には照之の姿が映し出されていた。
黒岩刑事が続けて笹岡警部に言った。
「それで午後1時25分に照之君が保管倉庫方面に歩いていきました。」
映像の再生が終わり、モニターの画面が消えた。
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「確かに大体証言通りだな。そうなると広正社長の行動が謎だな。」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「ただサボりに来ただけですかね?」
すると笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「社長なのだから今日は休むと伝えればいいだけだろう?なぜ打ち合わせの約束があるなどと嘘をつく必要があったんだ?」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「この事件は分からない事だらけだな。広正社長はなぜ嘘をついたのか?そして広正社長がなぜ殺されてしまったのか?」
糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「あの四人の誰かが広正社長を殺して、そしてあの保管倉庫奥にある事務部屋で広正社長を吊るして自殺に見せかける為の偽装工作をした。」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「ああ、首に引っかき傷もあったし他殺で間違いないだろう。問題は誰がそれを実行したかだが。」
すると糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「やはり古森照之(こもりてるゆき)が犯人でしょうか?動機もありますし、11時半まで社長が生きていたとなると犯行が可能なのは彼だけです。それに彼は冷静すぎます。普通ならもう少し取り乱すはずです。目の前で父親が死んだのです。あの落ち着き様はおかしいです。あらかじめ父親を殺そうとしてたから、落ち着いているのでは?」
笹岡警部が糸沼刑事に言った。
「そうだな、照之君の冷静さは私も感じていた。ただなそれにしては通報が早すぎるんだ。彼が消防への一報を入れたのは午後1時39分だった。」
糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「あっ、そうですね。そうなると一体誰が?」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「広正社長の行動がどうも引っかかるだ。そこに深い意味があるように思えるんだ。」
そして笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「そう言えば広正社長はコンビニに立ち寄った時に何を買ったんだ?」
すると黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「はいこれが妙でして。広正社長がコンビニに買ったのは紙パックの緑茶と惣菜パンです。そしてカセットテープです。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「確かに妙だな。まあ緑茶と惣菜パンはお昼用だろうが、カセットテープというのがな。」
糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「何に使うつもりだったんでしょうか?」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「そりゃまあカセットテープだから録音するためだろうが。うん?」
すると笹岡警部が何かに気づいたように考えはじめた。
しばらく考えた後で笹岡警部がブツブツと呟いた。
「いや待てよ?それならば広正社長の行動は説明はつく。だがそうだとするとあれはどういう事だ?」
笹岡警部がさらにブツブツと一人言を呟く。
「もしかしてあれは?なるほどな!それならば。」
この様子を見ていた糸沼刑事はあっけに取られてた。
その糸沼刑事に笹岡警部が言った。
「糸沼刑事、すぐに保管倉庫に関係者を集めてくれ。」
糸沼刑事が笹岡警部に尋ねた。
「もしかして真相が分かったんですか?」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「ああそうだ。真相が分かった。」
すると会議室に一人の男性が入ってきた。
会議室に入ってきたのは笹岡警部の部下の黒岩(くろいわ)刑事だった。
黒岩刑事が笹岡警部に報告した。
「失礼します。笹岡警部、保管倉庫周辺で聞き込みを行ってきましたので、ご報告致します。」
笹岡警部が黒岩刑事に答えた。
「うん、頼む。」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「まず保管倉庫は小高い丘の上にあって、保管倉庫に向かう道路は一つだけです。その道路沿いに一軒のコンビニがあります。そのコンビニは保管倉庫の近くにありまして、コンビニの店舗道側に防犯カメラが設置されていました。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「ならばそのコンビニの防犯カメラを確認すれば、証言の確認ができるな。」
すると黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「はい私もそう考えて、防犯カメラの映像を全て確認してきました。すると証言と食い違う点が出てきました。」
笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「何?本当か?それであの四人の誰が嘘の証言をしていたんだ?」
黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「いえ、あの四人は誰も嘘の証言はしていませんでした。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「君は今、食い違う点が出てきたと言ったじゃないか?」
すると黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「いえ、証言が食い違ったのはあの四人ではなく、広正社長の方なんです!」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「広正社長が、どういう事だ?」
すると黒岩刑事が笹岡警部に話し始めた。
「広正社長が午前7時5分に倉庫近くのコンビニに立ち寄っていました。そして買い物を済ませて倉庫の方に向かって歩いていったそうです。」
笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「何?それは本当か?」
黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「はい、コンビニ店員が顔を覚えていました。防犯カメラの映像も確認しましたので間違いありません。」
さらに黒岩刑事が笹岡警部に話した。
「実はもう一つありまして、広正社長が今日会っていたはずのマルテールチョコレートの遠藤社長に確認をしたのです。すると今日は広正社長とは会っていないし、そもそも今日会う予定も無かったと言っているのです。」
笹岡警部が訝しげに黒岩刑事に尋ねた。
「一体どういう事なんだ?まあ広正社長か遠藤社長のどちらかが嘘をついていたという事だろうが。その遠藤社長は今日何をしていたんだ? 」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「念のため遠藤社長のアリバイも調べましたが、今日の午前7時から午後3時までずっと会議に出ていたそうです。他の参加者からの確認も取れたので間違いないかと。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「ということは広正社長が嘘をついていたという事か。しかし一体何の為に?」
笹岡警部はすっかり考え込んでしまった。
少し経って笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「そういえば、四人の証言の裏付けの方がまだだったな。そちらの報告も頼む。」
黒岩刑事は笹岡警部に答えた。
「はい分かりました。では防犯カメラの映像を借りてきましたので見て確認しましょう。」
黒岩刑事がそう言ったあと、防犯カメラの映像を再生できるようにモニターとビデオデッキが会議室の机に用意された。
「防犯カメラの映像の確認を行った結果、四人の証言に関しては、食い違いはありませんでした。保管倉庫に向かうにはコンビニ前の道を通るしかないので。」
黒岩刑事が映像の再生を始めた。
黒岩刑事が笹岡警部に続けて言った。
モニターには広正社長が映っていた。
「まず広正社長がコンビニで買い物を終えて保管倉庫に向かって歩いて行きました。これが午前7時12分です。」
黒岩刑事が少し早送りをして、また再生を始めた。
黒岩刑事が笹岡警部に続けた。
そこには吉崎部長の赤い乗用車が写し出されていた。
「そして総務部長の吉崎敏弘(よしざきとしひろ)さんの赤い乗用車が午前8時3分に保管倉庫に向かって走っていきました。」
黒岩刑事は再び早送りをした。
そして黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「そして午前9時7分に保管倉庫の方から吉崎さんの赤い乗用車が走ってきました。」
黒岩刑事が再び早送りをした。
黒岩刑事が笹岡警部に続けて言った。
映像には古森製菓のトラックが写し出されていた。
「そして物流課の富城誠一(とみしろせいいち)さんと経理部部長の島内菊子(しまうちきくこ)さんが乗っているであろう古森製菓(こもりせいか)のトラックが午前11時28分に保管倉庫に向かって走っていっています。」
黒岩刑事が映像を早送りする。
そして黒岩刑事が笹岡警部に続けて言った。
「そして午後0時3分に今度は古森製菓(こもりせいか)のトラックが保管倉庫側から走ってきました。」
黒岩刑事がまた早送りをした。
映像には照之の姿が映し出されていた。
黒岩刑事が続けて笹岡警部に言った。
「それで午後1時25分に照之君が保管倉庫方面に歩いていきました。」
映像の再生が終わり、モニターの画面が消えた。
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「確かに大体証言通りだな。そうなると広正社長の行動が謎だな。」
黒岩刑事が笹岡警部に言った。
「ただサボりに来ただけですかね?」
すると笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「社長なのだから今日は休むと伝えればいいだけだろう?なぜ打ち合わせの約束があるなどと嘘をつく必要があったんだ?」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「この事件は分からない事だらけだな。広正社長はなぜ嘘をついたのか?そして広正社長がなぜ殺されてしまったのか?」
糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「あの四人の誰かが広正社長を殺して、そしてあの保管倉庫奥にある事務部屋で広正社長を吊るして自殺に見せかける為の偽装工作をした。」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「ああ、首に引っかき傷もあったし他殺で間違いないだろう。問題は誰がそれを実行したかだが。」
すると糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「やはり古森照之(こもりてるゆき)が犯人でしょうか?動機もありますし、11時半まで社長が生きていたとなると犯行が可能なのは彼だけです。それに彼は冷静すぎます。普通ならもう少し取り乱すはずです。目の前で父親が死んだのです。あの落ち着き様はおかしいです。あらかじめ父親を殺そうとしてたから、落ち着いているのでは?」
笹岡警部が糸沼刑事に言った。
「そうだな、照之君の冷静さは私も感じていた。ただなそれにしては通報が早すぎるんだ。彼が消防への一報を入れたのは午後1時39分だった。」
糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「あっ、そうですね。そうなると一体誰が?」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「広正社長の行動がどうも引っかかるだ。そこに深い意味があるように思えるんだ。」
そして笹岡警部が黒岩刑事に尋ねた。
「そう言えば広正社長はコンビニに立ち寄った時に何を買ったんだ?」
すると黒岩刑事が笹岡警部に答えた。
「はいこれが妙でして。広正社長がコンビニに買ったのは紙パックの緑茶と惣菜パンです。そしてカセットテープです。」
笹岡警部が黒岩刑事に言った。
「確かに妙だな。まあ緑茶と惣菜パンはお昼用だろうが、カセットテープというのがな。」
糸沼刑事が笹岡警部に言った。
「何に使うつもりだったんでしょうか?」
笹岡警部が糸沼刑事に答えた。
「そりゃまあカセットテープだから録音するためだろうが。うん?」
すると笹岡警部が何かに気づいたように考えはじめた。
しばらく考えた後で笹岡警部がブツブツと呟いた。
「いや待てよ?それならば広正社長の行動は説明はつく。だがそうだとするとあれはどういう事だ?」
笹岡警部がさらにブツブツと一人言を呟く。
「もしかしてあれは?なるほどな!それならば。」
この様子を見ていた糸沼刑事はあっけに取られてた。
その糸沼刑事に笹岡警部が言った。
「糸沼刑事、すぐに保管倉庫に関係者を集めてくれ。」
糸沼刑事が笹岡警部に尋ねた。
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