最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

裏付け

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その後照之は広正社長の机の中の書類を調べていた。

すると糸沼刑事が照之に言った。

「照之君すまないがそこは被害者の机だ。」

すると照之は糸沼刑事に答えた。

「すいません、糸沼刑事。」

照之はそう言うと机から離れた。

照之が笹岡警部に言った。

「保管倉庫に入った三人に話を聞きに行きたいんですが、いいですか?」

笹岡警部が照之に言った。

「ああ構わんよ、じゃあ私もついていこう。」

すると糸沼刑事が笹岡警部に尋ねた。

「彼に自由な行動をさせすぎじゃありませんか?」

すると笹岡警部が糸沼刑事に答えた。

「彼の父親が亡くなったんだ。彼にも父親の最期の状況を聞く権利ぐらいは充分あると思うが?」

すると糸沼刑事は笹岡警部に答えた。

「そうですね。分かりました。」

笹岡警部は照之を連れて一階の事務所へと下りていった。

事務所に入ると照之は総務部長の吉崎敏弘(よしざきとしひろ)さんに声をかけた。

「吉崎さん、今いいですか?」

吉崎部長が照之に答えた。

「おや照之君、もちろんいいよ。」

照之が吉崎部長に尋ねた。

「吉崎さんが今日の朝、保管倉庫に行った時の事を聞きたいんです。」

すると吉崎部長は照之に答えた。

「社長があんな事になってしまったからね。いいよ。まず今日は午前七時に本社事務所にやって来た。その後俺のワゴン車で保管倉庫に向かった。午前七時三十分くらいに出て午前八時頃に保管倉庫に着いた。備品在庫をチェックする為に保管倉庫に入ったんだ。」

すると照之が吉崎部長に尋ねた。

「保管倉庫まで車で30分もかかったんですか?」

吉崎部長が照之に答えた。

「いや弁当を買いに行ってその後保管倉庫に行ったんだ。」

すると照之が吉崎部長に尋ねた。

「なるほど、ところでその時親父は見かけなかったんですか?」

吉崎部長が照之に答えた。

「ああ社長は見かけなかったよ。事務部屋にもいなかったし、保管倉庫の中にいれば絶対に分かるからね。俺が保管倉庫にいた間は社長の姿は一回も見てないよ。それで備品の在庫のチェックを済ませて午前9時頃に保管倉庫を出て、途中で頼まれていた備品の購入をして午前10時頃に本社棟事務所に車で戻ったんだ。」

照之が吉崎部長に尋ねた。

「保管倉庫の鍵はいつも事務所に置いてあるんですか?」

すると吉崎部長が照之に言った。

「いや保管倉庫の鍵はいつも私が持ち歩いているんだ。防犯の為にね。もう一つの鍵は社長がいつも持っていたしね。」

照之は吉崎部長に言った。

「分かりました吉崎さん、ありがとうございます。」

照之達は次に物流課課長の富城誠一(とみしろせいいち)の席に向かった。

照之は机に座っていた物流課課長の富城誠一(とみしろせいいち)さんに話かけた。

「富城さん、よろしいですか?」

すると富城課長が照之に言った。

「おお照之君、社長の事は本当に残念だったね。私も社長には良くしてもらったからね。」

すると照之が富城課長に尋ねた。

「富城さん、今日保管倉庫に行った時の事を教えてもらえますか?」

すると富城課長が照之に言った。

「ああ、今日は午前7時に本社棟事務所に行った。その後は工場棟でトレーを磨いたり、出荷作業の準備をしていた。それで午前十一時に本社棟事務所にやって来た。トラックのキーを取りに来たんだ。あと保管倉庫の鍵を吉崎部長から借りる為にね。大体この時間帯に工場で造った製品を、トラックで保管倉庫まで運ぶんだ。ただ今日はいつもより少し遅れてしまってね。」

照之が富城課長に尋ねた。

「遅れたというのはどういう事ですか?」

富城課長が照之に答えた。

「トラックのキーが見つからなくてね。トラックのキーは私の机に置いているんだが、見つからなくてね。しばらく探していたんだ。そうしたら島内部長が見つけてくれてね。」

すると富城課長が経理部部長の島内菊子(しまうちきくこ)に尋ねた。

「そうだったよね。島内部長?」

すると島内部長が富城課長の席にやって来た。

そして照之に言った。

「はい、私が見つけました。富城課長がキーが見つからないって言って探してたから、私も探したんです。それでキーを見つけたんで富城課長に渡したんです。」

島内部長が続けて照之に言った。

「ただキーを探すのに時間がかかってしまって、予定より遅れていたんです。富城課長一人では大変だろうと思って。それで私も保管倉庫の積み降ろし作業を手伝う事にしたんです。ちょうど業務も一段落していましたし。それでとし」

島内部長は途中で口ごもってしまった。

照之は島内部長に聞き返した。

「それで何ですか?」

島内部長は申し訳なさそうに答えた。

「すいません、言い間違えただけです。」

すると富城課長が島内部長に言った。

「もう体が昔ほど機敏に動けんし、すぐにバテてしまうし。本当に助かったよ、島内部長。」

島内部長が富城課長に答えた。

「いえ、これも仕事ですから。」

そして富城課長が照之に言った。

「話が逸れてしまってすまないな。それですぐに島内部長と私で積み込み作業を行った。予定より少し遅れて島内部長とトラックに乗って出発した。それで十一時半頃に保管倉庫に到着した。すぐに保管倉庫の鍵で扉を開けて、島内部長にトラックドッグを開けてもらい二人で積み降ろし作業を始めたんだ。」

そして富城課長が続けた。

「それで積み降ろし作業をしていたら突然社長の声が聞こえてきたんだ。島内君!島内君!いるんだろう島内君?って。」

島内部長が照之に言った。

「はい、それで私が、はい社長ここにいます。と答えました。」

島内部長が照之に続けて言った。

「すると社長は、なんで島内君がここにいるんだ?と言いました。そしてすぐに島内君こっちに来てくれないか?と言いました。そして私は、すぐに行きます。と言ったんです。そしてすぐに明かりのついていた事務部屋に行きました。」

照之は島内部長に尋ねた。

「親父にその時会ったんですか?」

島内部長は答えた。

「はい会いました。」

照之は島内部長に尋ねた。

「親父は島内さんに何と言ったんですか?」

島内部長が照之に答えた。

「なんで君がここにいるんだ?と言われました。それで私は予定より遅れているから手助けの為に来ましたと答えました。」

島内部長が続けて言った。

「すると社長は、そうかそれはすまなかった、すぐに作業に戻ってくれ。と言われたので、すぐに富城課長の所に戻って積み降ろし作業を手伝いました。」


そして富城課長が照之に言った。

「ああ、すぐに島内部長が戻って来て積み降ろし作業を手伝ってくれた。そして積み降ろし作業を終わらせて、保管倉庫から出て倉庫の鍵を閉めたんだ。」

すると照之が富城課長に尋ねた。

「親父がいたのに倉庫の鍵を閉めたんですか?」

富城課長が照之に答えた。

「ああ防犯の為にね。」

富城課長が照之に言った。

「それでトラックに乗って島内部長と本社棟事務所に戻ってきたんだ。本社棟事務所に着いたのが午後0時10分だったから、たぶん保管倉庫を出たのは正午頃だと思う。その後は事務所の中で休憩をした後、ずっと事務所にいた。そしたら刑事さん達がやって来たんだ。」

島内部長も照之に言った。

「私も富城課長と本社棟事務所に戻って来た後はずっと事務所にいて、事務作業をしていました。」

すると照之は二人に言った。

「富城さん島田さん、ありがとうございました。」

照之はそう言うと、笹岡警部と共に事務所を出て行った。
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