最強勇者の物語2

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
177 / 265
第4章 ホルムス共和国

信用

しおりを挟む
古森照之(こもりてるゆき)は情報棟裏で学生自治会長の土背蔵(どせくら)と言い合いをしていた。

土背蔵(どせくら)会長は照之(てるゆき)に言った。

「上に立つ人間には表の顔と裏の顔が必要だ。俺はその両方をしっかり使い分けれるのさ。」

照之は土背蔵(どせくら)会長に言った。

「そう言えば土背蔵(どせくら)お前の父親は大企業の社長だったな?自分についてこれば将来は約束されてるぞ。とでも言ってラグビー部の部長を誘い駒として使ってるってところか。」

するとラグビー部部長が照之に言った。

「おいおい固い友情で結ばれていると言ってくれ。」

そう言うとラグビー部部長が左手を上げた。

すると情報棟の裏から更にがたいの良いラグビー部部員が三人やって来た。

そしてラグビー部員達が照之を取り囲んだ。

土背蔵(どせくら)会長が照之に言った。

「みんな俺のピンチに駆けつけたくれたんだ。素晴らしい仲間達だろ?さあこれで分かっただろう?古森(こもり)ビジネスコンテストの出場を辞退しろ。そうすればお前はこれからも平穏な大学生活が送れる。なっいい話だろう?」

照之が土背蔵会長に言った。

「そんなに、優勝したかったのならなぜ俺がビジネスコンテストに参加する前に脅しをかけなかった?優勝できるとたかをくくって、俺の事は引き立て役だと思い込んで何もしなかったんだろ?だが予想外に俺が最終選考まで残ってしまった。だから土背蔵(どせくら)焦ったお前は慌てて俺に脅しをかけにきた。違うか?」

土背蔵(どせくら)会長が照之に言った。

「ああそうだ。古森(こもり)てめえが最終選考に残ったせいで手間がふえちまったんだ。だから古森(こもり)てめえがビジネスコンテストを辞退してもらないと困るのさ。まあこの状況では辞退しますと答えるしかないだろうがな。」

土背蔵(どせくら)会長はラグビー部員達を見回した。

ラグビー部員達は依然として照之を取り囲んでおり、さらに照之を睨みつけた。

すると照之が土背蔵(どせくら)会長に答えた。

「なるほどな、分かった。土背蔵、お前想像以上にアホだな!」

土背蔵会長が照之に言った。

「古森(こもり)この状況が分かってないのか?よくそんな事が言えるな?」

照之が自治会長に答えた。

「お前こそこの場所がどこか分かってるか?この場所は正門近くなんだぞ。正門には警部室もある。乱闘騒ぎにでもなれば警備員がすぐに駆けつけてくるぞ。」

すると土背蔵会長が照之に言った。

「さっきの話聞いてなかったのか?俺には絶大な信用があるんだよ。お前なんかよりはるかにな。」

すると照之は突然ひょうきんな声で言った。

「カラーンカラーン!カラーンカラーン!」

あっけにとられた自治会長が照之に尋ねた。

「一体お前何やってんだ?」

そして今度は真顔で自治会長に言った。

「土背蔵(どせくら)の頭の中身は空っぽ!空っぽ!空っぽ!」

土背蔵会長は自分が馬鹿にされている事に気づいて、顔を歪ませた。

だが照之は構わずにひょうきんな声で言った。

「カラーンカラーン!カラーンカラーン!」

そして照之が土背蔵会長に再び真顔でかつ大声で言った。

「土背蔵(どせくら)の頭の中身は空っぽ!空っぽ!空っぽ!」

再び照之がひょうきんな声で言った。

「カラーンカラーン!カラーンカラーン!」

怒りに震えていた土背蔵会長がついにぶちギレして照之に殴りかかった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

[完結長編連載]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜

コマメコノカ・更新報告はXにて。
恋愛
 王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。 そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

処理中です...