最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

勝機

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大広間ではジール大公がアミラと問答を行っていた。

アミラが返答に窮して考えて込んでいた。

するとターキル子爵がアミラに助け船を出した。

「勇者が生き残る手、それはすなわち我々からしたらとても嫌な手という事だ。」

するとアミラは閃いてジール大公に言った。

「そうか私や村人達を人質にとる事ですね。」

ジール大公がアミラに言った。

「その通りだ。人質を取られたらこちらは自由に動けなくなり、勇者は自由に動けるようになる。こちらとしてはまさに悪夢よ。」

するとジール大公は今度はターキル子爵に尋ねた。

「ではターキル子爵、これ以外の手で何か有効な手はあると思うか?」

すると今度はターキル子爵が考え込んだ。

しばらく考えた後でターキル子爵がジール大公に答えた。

「申し訳ありません大公様、考えつきません。」

すると今度はアミラがターキル子爵に助け船を出した。

「お父様なぜ私達はこれから殺す勇者にわざわざ鎧や剣を渡したのでしょう?」

ターキル子爵がジール大公に言った。

「そうか、騎士役の者から武器と防具を盗ませないためでございますね?」

ジール大公がターキル子爵に言った。

「そうだ、ビード男爵の部下騎士役の者達は、勇者に攻撃される可能性が極めて高い。生き残る為には最強クラスの防具でなければ無理だ。つまり騎士役の者達は最強クラスの防具をつけざるを得ない。だがそれを勇者に盗まれたら目も当てられない。だから予め武器と防具を勇者に渡した訳よ。強力な装備品だと言っておけば、装備品を奪おうという気は起こらんだろうからな。」

するとターキル子爵が納得したように答えた。

「それで騎士役の者達はわざと鎧や兜を汚していたのですな。劣悪な装備品に見えるように。」

ジール大公がターキル子爵に言った。

「そうだ。」

ターキル子爵がジール大公に言った。

「では勇者(影橋陸夜)は騙されたふりをして、隙を見て騎士役の者達からアイテムや装備品を盗む。その上で大公様と戦うという手ですな?」

ジール大公がターキル子爵に言った。

「そうだ、その手を使われたら勝敗は分からなかったであろうよ。」

そしてジール大公がアミラとターキル子爵に言った。

「さて問答はこれぐらいにしておこう、まだ村の復旧作業が残っておる故な。」

そしてジール大公が一同に命令した。

「ターキル子爵これよりソルト村の復旧作業に入ってくれ。他の者もすぐに取りかかってくれ。良いな!」

一同はジール大公に返答をした。

「はっ!」

その後すぐにジール大公は、ソルト村の復旧作業に入った。

そして数日後ソルト村人達が、避難していたマルディーヤから続々帰還してきた。

村人の帰還が完了すると、村人に損失分の補償が行われた。

それらの作業が完了させた後、ジール大公一行は首都ラクリファへと帰還した。
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