最強勇者の物語2

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
172 / 265
第4章 ホルムス共和国

油断大敵

しおりを挟む
勇者(影橋陸夜)とビード男爵(公式にはジール大公)はで激闘を繰り広げていた。

だが序盤は勇者(影橋陸夜)が押していたが、途中からビード男爵(ジール大公)が押していた。

ビード男爵(ジール大公)は秘技でさらに攻撃を加えてようとしていた。

ジール大公が詠唱を始めた。

「力を司る闇の眷属達よ、今その御力によりて数多の闇の刃を与えたまえ!」

すると大広間の至る所に無数の黒色の鋭い刃が宙に現れて浮いていた。

そしてジール大公が言った。

「秘技波状百連撃(ひぎはじょうひゃくれんげき)。」

凄まじい数の黒色の刃が勇者めがけて飛んでいった。

そしてその全ての刃が高速で勇者の体を貫いた。

勇者は全身に激痛が走り、痛みに悶えながら言った。

「うぎゃあああー!痛い、痛い痛い!!!」

この光景を大広間の後ろで見ていたアミラが隣にいたターキル子爵に尋ねた。

「お父様この波状百連撃(はじょうひゃくれんげき)というのは強力な秘技なのですか?」

するとターキル子爵がアミラに言った。

「無数の闇の刃を呼び寄せて相手を攻撃する、秘技の中でも最上級の威力を誇る秘技の一つだ。」

するとアミラがターキル子爵に尋ねた。

「では先ほど大公様が使われた天撃満願(てんげきまんがん)という秘技も強力な秘技なのですか?」

ターキル子爵がアミラに言った。

「ああ、そうだ。天撃満願(てんげきまんがん)は聖なる炎を剣に宿らせて攻撃する秘技だ。この秘技も最上級の威力を誇る秘技の一つだ。」

するとアミラがターキル子爵に尋ねた。

「先ほどから大公様の一方的な攻撃が続いています。これは勝負ありでしょうか?お父様?」

ターキル子爵がアミラに答えた。

「そうだな、アミラあの勇者の光の鍵盤(メニュー画面)を見なさい。」

二人は勇者のメニュー画面を見た。

その画面には勇者(影橋陸夜)のステータスが表示されていた。

アミラがターキル子爵に言った。

「はい、お父様。24000ポイントあった勇者のHPがすでに7000ポイントを切ってますね。それに麻痺の表示もありますね。」

するとターキル子爵がアミラに答えた。

「そうだ、大公様が勇者に秘技の死屍滅殺(ししめっさつ)を使っただろう。あれは暗黒の稲妻を剣に呼び寄せて攻撃する秘技だ。たださきほどの天撃満願(てんげきまんがん)や波状百連撃(はじょうひゃくれんげき)よりも威力は劣る。だがあの秘技の恐ろしい所は、攻撃を食らった相手を麻痺させる所だろう。麻痺で動けなくなってしまうと勇者は終わりだ。」

するとアミラが納得したようにターキル子爵に答えた。

「なるほど、勇者はポーション(回復アイテム)を持っていないからこの事態に対処できない訳ですね。麻痺を回復できなければ大公様に殴られ放題です。回復魔法にしても聖域に行って、白賢者(ホワイトワイス)に転職しなければ覚えられませんし。」

ターキル子爵がアミラに言った。

「そうだ、あの勇者は回復手段を持っていない。故にあの勇者にはもう逃走という選択肢すら残されていない。大公様はあの勇者が油断した所に秘技の死屍滅殺(ししめっさつ)をしっかり当てられた。その時点で勝負ありだったな。」

すると今度はアミラがターキル子爵に言った。

「なるほどだから大公様は序盤は負けてるふりをされていたんですね。勇者を油断させるために。一番厄介なのは、勇者が逃げてしまう事でしょうし。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ
ファンタジー
転生した先は何と神様、しかも他の神にお前は神じゃ無いと天界から追放されてしまった。僕はこれからどうすれば良いの? 人間界に落とされた神が天界に戻るのかはたまた、地上でスローライフを送るのか?ちょっと変わった異世界ファンタジーです。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

不死王はスローライフを希望します

小狐丸
ファンタジー
 気がついたら、暗い森の中に居た男。  深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。  そこで俺は気がつく。 「俺って透けてないか?」  そう、男はゴーストになっていた。  最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。  その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。  設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~

於田縫紀
ファンタジー
 ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。  しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。  そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。  対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。

異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。 異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。 せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。 そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。 これは天啓か。 俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。

イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)

こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位! 死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。 閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話 2作目になります。 まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。 「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」

処理中です...