最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

ソルト村へ

俺とスコットさんはすでにかなりの距離を歩いていた。

進んだ先には水田地帯が広がっていた。

するとスコットさんが、指をさしながら俺に言った。

「この先です。この先にソルト村があります。」

スコットさんの指差す方を見ると確かに村のようなものが見えた。

俺達はソルト村へと進んで行った。

するとこの先の道の真ん中で誰かが言い争いをしていた。

俺達は急いでその場所に向かった。

言い争いをしているのは三人だった。

そのうち二人は甲冑をつけた騎士姿の男で、一人は金髪の少女だった。

金髪の少女が騎士姿の男二人に言った。

「そこをどいてください。お父さんに飲ませる薬草を取りに行きたいだけなんです。」

すると騎士姿の男が金髪の少女に言った。

「おいおい、アミラ。今日は男爵様に呼ばれているだろ。早く男爵様のお屋敷に行くんだ。」

すると騎士姿のもう一人が言った。

「アミラお前は男爵様の花嫁候補なんだぞ。ちゃんと自覚を持て。」

アミラと呼ばれた金髪の少女が騎士に答えた。

「そのお話はお断りしたはずです。男爵様のお屋敷に行くつもりもありません。」

騎士の一人がアミラに言った。

「おいおい、アミラ何言ってるんだ。このソルト村で男爵様の意向は絶対だぞ。」

するとスコットさんが駆け出して行った。

俺もスコットさんに続いた。

スコットさんは騎士達の前まで駆け寄った。

そしてスコットさんが騎士達に膝をついて懇願した。

「騎士様、どうかアミラを許してやってください。どうかこの場はご勘弁を。」

すると騎士の一人がスコットさんに振り向いた。

そしてその騎士がスコットさんに言った。

「おいおい、スコット。村人ごときが俺らの邪魔してるんじゃねーよ！」

騎士の一人はそう言い終わると、スコットさんを蹴りあげた。

スコットさんは脇腹を大きく蹴られ倒れ込んだ。

アミラと呼ばれた少女が大きな声で言った。

「スコットさん！」

騎士の一人が再びアミラの方を向いてアミラに言った。

「なんだったら、アミラ。そんなに男爵様のお屋敷に行くのが嫌なら代わりに俺らが遊んでやろうか？」

そう言うとその騎士はアミラの腕を掴んだ。

アミラが懇願するよう声で言った。

「い嫌です、お願いですから止めてください。」

もう一人の騎士もアミラに言った。

「ああ、そりゃいいな！アミラ今日は俺らと楽しもうぜ。」

アミラは再び大きく声で言った。

「お願い、誰か助けて！」

これはめちゃくちゃ美味しい場面だな。

これこそ勇者の役得だな。

俺は騎士二人の側まで近づいた。

騎士は二人ともアミラの方を向いており、俺の接近に気づかなかった。

俺はアミラの手を掴んでいた、騎士の手を後ろにひねった。

騎士がたまらず悲鳴をあげた。

「うぎゃあああー！う、腕が！」

もう一人の騎士が振り向いて俺に言った。

「てめえ何しやがる？」

うあすごいパワーだな、ちょっと掴んだだけなのに。

こりゃいいや。

するともう一人の騎士が、怒声をあげながらが殴りかかってきた。

「この野郎！」

俺はサッとかわして、騎士の脇腹を軽く殴った。

騎士は数メートルぐらいぶっ飛んだ。

騎士は倒れ込み悶え苦しんだ後、何とか立ち上がった。

その騎士は何とか立ち上がると俺に言った。

「このやろう、よくもやってくれたな！」

もう一人の騎士も俺に言った。

「てめえ死にたいらしいな！」

俺は強気で騎士二人に言った。

「まだやる気なの？いいのか？俺は勇者なんだぞ？」

騎士の一人は仰天して言った。

「ゆゆ勇者だと？！！ば馬鹿な事言ってんじゃねーぞー！」

もう一人の騎士が狼狽して言った。

「まさか、勇者なんてただの伝説だろ！」

俺は拳を振り上げて騎士二人に言った。

「えっ？もしかしてまだやんの？」

すると騎士の一人がもう一人の騎士に怯えた様子で言った。

「に、逃げろ！」

そしてすぐに騎士二人は走って逃げて行った。

すると俺の後ろから少女の声が聞こえてきた。

「ありがとうございます、勇者様。」

俺が振り向くと金髪の少女が深々とお辞儀をした。