最強勇者の物語2

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
158 / 265
第4章 ホルムス共和国

スコット

しおりを挟む
少し時が戻り今はパルゲア歴752年6月12日である。

俺(影橋陸夜)は遂に異世界にやって来た。

いやこれであのくだらない生活ともおさらばできた訳だ。

ここから俺のバラ色の人生が始まるんだ。

俺はソルト村に向かって歩いていた。

俺の前に一人の男性が歩いていた。

彼の名前はスコットという。

ついさっき会ったばかりだが、俺が勇者だと知るととても喜んでくれた。

スコットさんによれば、この近くにソルト村という村があるらしい。

そこで俺はソルト村に向かっている訳だ。

前を歩いているスコットさんが俺に尋ねてきた。

「そう言えば伝承では勇者様は、光の鍵盤を操ると聞いています。」

光の鍵盤?何それ?

もしかしてメニュー画面の事か。

ゲームではよくあるやつだよな。

僕はすぐにいろいろやってみた。

手を動かしたり、体を回してみたりした。

しかし何の反応も無かった。

だから次は声を出してみた。

「メニュー画面」

するとゲームでよく出てくるメニュー画面が目の前に表示された。

するとスコットさん感激してが俺に言った。

「おおこれが伝説の光の鍵盤ですか、やはり勇者様なのですね。凄い!」

いいなこの世界、やっぱりこうじゃないと。

メニュー画面をスコットさんに見せた後、再び歩き始めた。

もうかなり歩いたようで、日がもうすぐ沈もうとしていた。

ソルト村まで結構かかるんだな。

早くソルト村に行きたい気持ちもあったが、ヒョイヒョイ勇者が現れたら、勇者のありがたみがなくなる。

焦らせてソルト村の村人に勇者のありがたみを分からせてやろう。

するとスコットさんが俺に言った。

「夜の移動は危険ですので、今日はこの先にある家で休みましょう。夕食も用意させて頂きますので。」

そう言えば、こっちの世界に来てから何も食べてなかったな。

俺はスコットさんに先導を任せてついて行った。

少し歩くと大きな石造りの平屋の建物が見えてきた。

「スコットさんこの家?結構大きな建物だな?」

スコットさんが俺に言った。

「はい、この建物です。昔この辺りに住んでいた者の住居だったのです。ですがその者は余所に引っ越してしまいまして、その後この建物は村人の共有で使っております。」

その辺の事情はどうでもいいや。

俺はスコットさんに扉を開けてもらい、建物の中に入った。

やはり建物の中も広く部屋がいくつもあった。

俺は玄関の手前の部屋を使う事にした。

部屋の中はしっかり清掃されていた。

十五畳ほどの広さの部屋に大きなベッドやソファーが三つほど置かれていた。

前の世界の俺の部屋よりよっぽど広い。

さっそく俺はベッドに横になった。

これはフカフカのベッドで気持ちがいい。

俺はベッドで横になりだらだらしていると、扉を叩く音がした。

「勇者様、お食事の用意ができました。奥の部屋まで来て頂けますか?」

俺は早速この家の奥にあるダイニングへと向かった。

ダイニングは俺が使っている部屋よりも更に広かった。

ダイニングの壁と床は木材ができていた。

ダイニングの壁には絵画が何枚か掛けられていた。

しっかり清掃もされており、汚れもほとんど無かった。

中央には大きなテーブルと椅子が用意されていた。

すでにテーブルの上には料理が皿に盛られて並んでいた。

肉料理やスープ料理や果物など色々な料理が用意されていた。

俺は端の椅子に座った。

するとスコットさんが俺に言った。

「勇者様のお口にあえば宜しいのですが。」

俺は早速料理を食べ始めた。

料理はとても美味しく、どんどん口の中に料理を放り込んでいった。

少し経ち俺は腹一杯になった。

俺は料理を十分に堪能したので、席を立ちダイニングを出た。

そして玄関の手前の部屋へと戻った。

部屋でくつろいでいると、ドアを叩く音がした。

そしてスコットさんが入ってきた。

「勇者様、失礼致します。明日の出発時間ですが、朝一で宜しいですか?」

俺はスコットさんに答えた。

「スコットさん、出発は昼過ぎにしてくれ。朝一なんて起きられない。」

スコットさんが俺に言った。

「分かりました、昼過ぎですね。勇者様何かご用事がございましたら隣の部屋におりますので、声をかけてください。それでは失礼します。」

スコットさんはそう言うと部屋から出ていった。

いやーすげー旨かったな。

異世界の料理も悪くない。

俺はベッドに横になるとすぐに寝てしまった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します

華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~ 「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」  国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。  ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。  その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。  だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。  城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。  この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。

鋼なるドラーガ・ノート ~S級パーティーから超絶無能の烙印を押されて追放される賢者、今更やめてくれと言われてももう遅い~

月江堂
ファンタジー
― 後から俺の実力に気付いたところでもう遅い。絶対に辞めないからな ―  “賢者”ドラーガ・ノート。鋼の二つ名で知られる彼がSランク冒険者パーティー、メッツァトルに加入した時、誰もが彼の活躍を期待していた。  だが蓋を開けてみれば彼は無能の極致。強い魔法は使えず、運動神経は鈍くて小動物にすら勝てない。無能なだけならばまだしも味方の足を引っ張って仲間を危機に陥れる始末。  当然パーティーのリーダー“勇者”アルグスは彼に「無能」の烙印を押し、パーティーから追放する非情な決断をするのだが、しかしそこには彼を追い出すことのできない如何ともしがたい事情が存在するのだった。  ドラーガを追放できない理由とは一体何なのか!?  そしてこの賢者はなぜこんなにも無能なのに常に偉そうなのか!?  彼の秘められた実力とは一体何なのか? そもそもそんなもの実在するのか!?  力こそが全てであり、鋼の教えと闇を司る魔が支配する世界。ムカフ島と呼ばれる火山のダンジョンの攻略を通して彼らはやがて大きな陰謀に巻き込まれてゆく。

実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…

小桃
ファンタジー
 商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。 1.最強になれる種族 2.無限収納 3.変幻自在 4.並列思考 5.スキルコピー  5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。

フェンリルさんちの末っ子は人間でした ~神獣に転生した少年の雪原を駆ける狼スローライフ~

空色蜻蛉
ファンタジー
真白山脈に棲むフェンリル三兄弟、末っ子ゼフィリアは元人間である。 どうでもいいことで山が消し飛ぶ大喧嘩を始める兄二匹を「兄たん大好き!」幼児メロメロ作戦で仲裁したり、たまに襲撃してくる神獣ハンターは、人間時代につちかった得意の剣舞で撃退したり。 そう、最強は末っ子ゼフィなのであった。知らないのは本狼ばかりなり。 ブラコンの兄に溺愛され、自由気ままに雪原を駆ける日々を過ごす中、ゼフィは人間時代に負った心の傷を少しずつ癒していく。 スノードームを覗きこむような輝く氷雪の物語をお届けします。 ※今回はバトル成分やシリアスは少なめ。ほのぼの明るい話で、主人公がひたすら可愛いです!

愛しくない、あなた

野村にれ
恋愛
結婚式を八日後に控えたアイルーンは、婚約者に番が見付かり、 結婚式はおろか、婚約も白紙になった。 行き場のなくした思いを抱えたまま、 今度はアイルーンが竜帝国のディオエル皇帝の番だと言われ、 妃になって欲しいと願われることに。 周りは落ち込むアイルーンを愛してくれる人が見付かった、 これが運命だったのだと喜んでいたが、 竜帝国にアイルーンの居場所などなかった。

没落貴族の異世界領地経営!~生産スキルでガンガン成り上がります!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生した元日本人ノエルは、父の急死によりエトワール伯爵家を継承することになった。 亡くなった父はギャンブルに熱中し莫大な借金をしていた。 さらに借金を国王に咎められ、『王国貴族の恥!』と南方の辺境へ追放されてしまう。 南方は魔物も多く、非常に住みにくい土地だった。 ある日、猫獣人の騎士現れる。ノエルが女神様から与えられた生産スキル『マルチクラフト』が覚醒し、ノエルは次々と異世界にない商品を生産し、領地経営が軌道に乗る。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...