最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

18人目の誘い

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ここは地球にあるとある民家だ。

17人目の勇者に続いて、18人目に異世界転移する勇者がここにいた。

彼の名は影橋陸夜(かげはしりくや)である。

影橋陸夜は自分の部屋のベッドにうずくまっていた。

もう夕方か、窓から風が入ってくる。

俺はごみ山と化した部屋を眺めながらあくびをした。

俺は世間一般で言われるニートというやつだ。

高校を中退してから家の外に出るのがおくっうになり、一年中家の中にいるようになった。

それから十年以上が経った。

今年で二十九歳だ。

さて面白そうな動画はアップされてるかな?

 俺はパソコンを立ち上げ、動画投稿サイトを覗いた。

俺がお気に入りにしているチャンネルの投稿が最近とても遅い。

全く何やってんだ?動画投稿ぐらいちゃっちゃっとやれよ。

俺はそんな事を考えていると、一階から聞きなれた声が聞こえきた。

今ちょうど俺の二つ下の妹、優衣香(ゆいか)が自宅に戻っていた。

どうやら奴は親父達と話しているようだ。

一階のリビングで優衣香と両親が話していた。

「そうか、久斗(ひさと)君はもうカナダに行ってるのか。」

優衣香が親父に言った。

「うん、今週末に私もカナダに行って久斗さんと式場の下見に行く予定なの。」

母が話に割り込んできた。

「そう言えば、久斗さんは新プロジェクトのリーダーを任されたんですって?」

優衣香が両親に言った。

「うん、資源開発の新プロジェクトを任されたんだって。お父さんお母さん、今まで育ててくれて本当にありがとう。私幸せになるから。」

母が優衣香に言った。

「優衣香あなたは私の、うんうん私達の自慢の娘よ。」

親父が優衣香に言った。

「久斗君は懐の深い人間だ。きっと優衣香を幸せにしてくれる。」

すると母が少し話づらそうに優衣香に言った。

「ねえ、陸夜も結婚式に呼んであげたら。」

すると優衣香が母に答えた。

「あんなゴミ、結婚式に呼ぶ価値なんてないよ。それにあのゴミどうせ家から出ないでしょ。」

すると親父が少し心配そうに優衣香に言った。

「そうは言っても陸夜も家族だろう。それに陸夜と仲が悪いと久斗君も心配するんじゃないか?」

すると優衣香が親父に答えた。

「ああ大丈夫、久斗さんには私には兄弟はいないって言ってあるから。あんなゴミが家族なわけないじゃん。」

するとそこに影橋邸で飼われている猫のピートがリビングにやってきた。

ニャーという声を上げて優衣香を見つめた。

すると優衣香が猫のピートを抱きしめて言った。

「ごめんね、ピートお前は大事な家族だよ。ちゃんと久斗さんにも紹介するからね。」

すると母が優衣香に言った。

「そろそろ陸夜を許してやったら?」

優衣香が母に言った。

「お母さん許すとかそういう事じゃないの。家族って助け合うものでしょう?あのゴミが何かやってるの?家にいるならいるで、掃除や洗濯ゴミ出しぐらいできるでしょ?あのゴミが今まで私達家族を助けてくれた事あった?あのゴミはワガママ言って私達を振り回してるだけじゃない。」

この話を二階の自分の部屋で聞き耳を立てていた俺は激高していた。

ちくしょー。ちくしょー。優衣香めー!あの女めー! 

俺は怒りに任せてそこら辺に置いてある本やパソコンを壁に投げつけた。

するとリビングにいた優衣香が親父と母に言った。

「ほら、あのゴミが二階で暴れてるわ。どうせ私達の話を盗み聞きして、かんしゃくでも起こして物にでも当たってるのよ。」

優衣香はそう言うと席を立った。

「なんだか喧嘩越しになっちゃってごめん。お父さんお母さんには本当に感謝してるから。私が気に入らないのはあのゴミだけだから。ごめん今日はもう帰るね。」

優衣香はそう言うと玄関から外に出ていった。

台所に残った親父と母はため息をついた。

母が親父に言った。

「子供の頃は仲が良かったのにね。」

親父が母に答えた。

「そうだな、優衣香の言いたい事も分かるが。」

そしてその後両親が俺の部屋にやってきて、俺をなだめた。

俺は怒りをおさめて、ベッドに横になった。

両親は俺がベッドに入ったを確認したあと、俺の部屋から出ていった。

だがベッドに横になった後も優衣香に対する怒りが何度もこみ上げてきた。

ちくしょー!優衣香め! 

俺はその度に起き出して、壁を殴った。

深夜も近くなりようやく眠りについた。

だが次に目を覚ました時、俺は知らない場所で寝ていた。

影橋陸夜は時空の間に飛ばされたのだった。
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