最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

カーチェイス

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僕を乗せた赤い車はすごい速さで走っていた。

僕は訳が分からずサランジ社長に尋ねた。

「ど、どうしたんですか?車を急発進させて?」

サランジ社長が大きな声で僕に言った。

「あれは新手の盗賊か何かじゃろう。相手を信用させて車からおろし、その間に車を盗もうという魂胆じゃろうよ。全く何が勇者対策本部じゃ!舐めおって!」

えっ、あの人達盗賊だったのか?  

とてもそんなふうには見えなかったけど。

まあそうだったら助かるんだけど。

だが淡い期待は虚しくかき消された。

後ろから凄い速さでパトカーが二台走ってきた。

パトカーは車両の上に青色の魔導灯を点滅させていた。

普通の乗用車ぐらいの大きさで、青色の車に白色でホルムス共和国警察という文字が車体の横に書かれていた。

青いパトカーが二台追跡してきた。

青いパトカーが凄いスピードで僕を乗せた車に近づいてきた。

青いパトカーには音響増幅装置が備えられていた。

そして青いパトカーから警官の声と思われる大きな声が周囲に響いた。

「ホルムス共和国警察だ!前を走っている赤い車止まりなさい!!」

僕を乗せた車の中にこの声が響いた。

僕はサランジ社長に尋ねた。

「本物の警察みたいですよ?」

サランジ社長が僕に答えた。

「あいつら本物の警官じゃったんか。てっきり新手の盗賊かと思ったんじゃが。」

僕はサランジ社長に言った。

「止まった方がいいと思いますが?」

するとサランジ社長が僕に言った。

「馬鹿を言ったらいかん。今止まったらわしらは前科もんじゃぞ。逃げるしかなかろう。」

サランジ社長はそう言うと、車のアクセルを全開まで踏んで更にスピードをあげた。

サランジ社長は点灯機(信号機)も無視して猛スピードで爆走していく。

後ろから追いかけくる青いパトカーも逃がすまいとして更にスピードをあげてきた。

青いパトカーが僕を乗せた赤い車に急接近してきた。

そしてパトカーからの警官の大音量が再度周囲に響いた。

「前を走っている赤い車、止まれー!!」

するとサランジ社長が大きな声で僕に言った。

「いいか、しっかりつかまっておくんじゃぞ!」

僕は訳が分からず座席にしがみついた。

僕は前方を見た。するとちょうど前方の交差点に大型の蒸気トラックが交差点を曲がっているところだった。

大型の蒸気トラックがこの赤い車の進行方向を塞ぐ形になっていた。

僕は大きな声で叫んだ。

「ぶっ、ぶつかる!!」

サランジ社長は大きな声で僕に答えた。

「わかっとるわい!!」

するとサランジ社長はハンドルを大きく左にきって、猛スピードで走っているこの車を一気に道路端まで寄せた。

そしてギリギリの所を通過してトラックを回避した。

僕が乗った車の後ろを走っていたパトカー二台は、急ブレーキをかけて止まろうとした。

この時パトカーは前後に並んで追跡していた。

後方を走っていたパトカーはトラックとの距離があったので何とか止まる事ができた。

前方を走っていたパトカーもトラックとの接触を避けようとハンドルを切った。

だが間に合わずトラックと接触してしまい、激しく横転してしまった。

何度も横転した後パトカーはようやく止まった。

僕達は何とかパトカーの追跡を逃れた。
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