最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

閉山

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僕は会議室に入室してから一時間以上経ち、ようやく採用担当者の人がやって来た。

部屋に入ってきたのは、紫色の制服を着た中年男性だった。

制服にはパリデルム鉱業というロゴが入っていた。

僕は椅子から立ち上がり、採用担当者の男性に言った。

「私は本日面接に伺いました、ロベルト・ソルディと申します。宜しくお願いします。」

すると中年男性が僕に答えた。

「私はこのパリデルム鉱業の副社長を勤めている、ローワン・アルメストと申します。本日はご足労ありがとうございます。お待たせしてしまい申し訳ないです。どうぞお掛けください。」

僕は椅子に腰をおろした。

今日は鉱山での採掘スタッフの面接にやってきたのだ。

するとアルメストさんが僕に言った。

「まずはソルディさん、私はあなたに謝らなければなりません。」

えっ?謝る?何をだろうか? 

僕はアルメストさんに尋ねた。

「何についてですか?」

アルメストさんが僕に答えた。

「今回出させてもらった求人についてです。今回の求人募集は取り止めとなりました。」

僕は驚いてアルメストさんに尋ねた。

「なぜですか?もう採用者が決まってしまったんですか?」

アルメストさんが僕に答えた。

「あっいえ、そうではなくて、もっと深刻なんです。今回は鉱山の採掘スタッフの求人で、募集をさせてもらいました。」

アルメストさんは僕に話を続けた。

「わが社パリデルム鉱業というのは、パリデルムという会社の子会社になります。実はうちの会社は毎年赤字が続いているんです。そしてこれはつい先ほど決まった事なのですが、パリデルム子会社の再編を行う事が決まりました。」

アルメストさんが僕に話を続けた。

「まあ要するに赤字子会社の整理です。それでソレフト鉱山も閉山する事が決まってしまいました。当社自体しばらく存続しますが、数年後に他のグループ会社へ吸収される予定です。当社の主力事業はソレフト鉱山でしたから、事実上倒産です。それで新規募集も当然取り止めとなってしまいました。」

アルメストさんが僕に話を続けた。

「我々も先ほどその話を聞いたばかりで、驚いているところなんです。それでここに来るのが遅れました。申し訳ありません。」


そんなー。

それじゃあ今日ここまで着た意味がないじゃないか。

僕は途方に暮れた。

アルメストさんは少し考えているようだった。

するとアルメストさんが僕に尋ねた。

「本当に申し訳ありません。ところでソルディさんは希望の職種は採掘スタッフでしたよね?他に希望する職種はありますか?」

僕はアルメストさんに答えた。

「いえ、採掘スタッフ以外だと特に無いです。」

アルメストさんが僕に言った。

「それは採掘スタッフ以外では働きたくないという事ですか?」

僕はアルメストさんに答えた。

「あっいえ、働けるなら他の仕事でも構いません。」

アルメストさんは更に少し考えた後で言った。

「さすがにこのままお返しするのは気の毒なので、一つご紹介できる仕事があるかもしれません。」

僕はアルメストさんに答えた。

「本当ですか?」

するとアルメストさんが僕に尋ねた。

「ええ、それでどうしますか?」

僕は少し考えた後でアルメストさんに言った。

「よろしくお願いします。」
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