最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

面接会場へ

今日は５月22日だ。

僕は昨日首都エルスタにある職業紹介所で、求人を紹介してもらった。

そして今日ブルーム鉄道に乗って、再び湖の町レインまで面接にやって来たのだ。

午前九時から面接だったので、朝一番で起きて出発した。

僕はレイン駅の改札口をくぐって、レイン駅前ロータリーへとやって来た。

僕はレイン駅の駅舎に付いている時計を見た、時計は午前八時の少し前を指していた。

首都のエルスタ駅よりは小さな駅だった。

だが通勤時間帯という事もあり、たくさんの人々がレイン駅の改札口へと向かっていた。

またレイン駅前ロータリーには、たくさんの人達が並んでいた。

その人達はバスの停留所の前に列をつくって、蒸気バスが来るのを待っていた。

僕もその人達の列に並んで、蒸気バスがやって来るのを待った。

僕は、第二系統のヨックモード行きの蒸気バスを待っていた。

並んで待っていると、蒸気バスがロータリーに入って来た。

そして僕の並んでいた列の前に、蒸気バスが停車した。

蒸気バス後方の扉が開いて、バスの中から運転手と思われる声が聞こえてきた。

「お待たせ致しました。第二系統ヨックモード行きです。順番にお乗りください。」

列に並んでいた人達が順番に後方の扉から、蒸気バスに乗り込んでいった。

僕も後方の扉から、蒸気バスに乗り込んだ。

後方の扉付近に設置されている整理券を出す装置から、僕は整理券を一枚とって空いている座席に座った。

どうやらこの蒸気バスはすでにお客をおろしていたようで、僕は座席に座る事ができた。

バス停に並んでいたお客が全て乗り込むと、蒸気バスの運転手が大きな声で言った。

「第二系統ヨックモード行き発車致します。扉を閉めますので扉付近の方はご注意ください。」

そして蒸気バス後方の扉が閉められた。

僕を乗せたバスは、ゆっくりと動き始めた。

僕を乗せた蒸気バスがレインの町を進んでいく。

レイン駅周辺も首都エルスタには及ばないが、十階建てのコンクリート造りのビルがいくつも建っていた。

点灯機(信号機)や歩道もしっかりと整備されており、まさに駅前であった。

さて今回はゆっくり終点までは、乗ってられない。

レイン西工業団地前で降りなければならない。

僕を乗せた蒸気バスは、南レインを抜けて北レインへ向かうためレイン湖東側の道路を走っていった。

レインの町の東側と西側は、市街地がほとんどない。

レインの町の中心にあるレイン湖が、町の東側と西側の山裾ギリギリまでせりだしているからである。

レインの町の周りは山々で囲まれており、盆地なのだ。

僕を乗せた蒸気バスは、レイン東側の道路を走っていった。

僕は窓から外の様子を見てみた。

この蒸気バスが走っている、二車線道路のすぐ左側にはレイン湖が広がっていた。

とても大きな湖で、見ただけでは海と勘違いしてもおかしくなかった。

またこの道路には、歩道は右側しか設けられていなかった。

道幅もそこまで広くなかった。

この道路と並行するように、ブルーム鉄道の線路が通っていた。

ブルーム鉄道の線路は、この道路の右側を通っていた。

またブルーム鉄道の線路のすぐ横には、急峻な崖が迫っていた。

線路の右側は切り立った崖が続いていて、この光景は少し圧迫感を感じた。