最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

手配書

僕はモンバールで食事を済ませて、一路エルスタ八号線を北に向かっていた。

その間に先ほどは渋滞していたエルスタ方面への道路も、渋滞が解消していた。

それでも蒸気自動車の通行量はまだまだ多かった。

僕はロードサイド店舗のエリアを抜けて、北に向かって歩いていった。

すると灰色の大きな建物が見えてきた。

その建物は三階建てのコンクリート造りだった。

僕はその建物に向かって歩いていった。

たぶんあの建物がレフティオ町役場だろう。

レフティオ町役場の隣には、大きな駐車場があった。

レフティオ町役場駐車場と書かれた大きな看板が設置されていた。

二百台くらいは停めれる駐車場だった。

またその駐車場の中に、高さ八メートルぐらいのレンガ造りの時計台も設置されていた。

その時計は午前九時半を指していた。

ただ政府庁舎前の駐車場よりはかなり狭かったが。

僕はレフティオ町役場の前までやって来た。

レフティオ町役場の建物は縦横五十メートルぐらいで、
国道に接している側が正面出入口となっていた。

正面出入口の横の所に町の掲示板が、設置されていた。

その掲示板には、レフティオ町のイベント開催の知らせ等が張り出されていた。

その知らせの中の一枚を見て、僕はギョっとした。

それにはこう書かれていた。

「勇者逃亡中ーこの顔を見たら通報お願いします。警察庁」

そして僕の似顔絵が、紙の上の方に大きく載せられていた。

つまりこれは僕の手配書という事か。

まあ確かに指名手配されるんじゃないかと心配はしてたけど、実際にされるとやはり嫌なものだ。

何もしてないのに、なんで指名手配されなきゃならいんだ？

ふうー、僕は深呼吸をした。少し落ちつこう。

指名手配されようがされまいが、目的自体は変わらない。

まずは住民登録を済ましてしまうべきだ。

それに勇者の手配書を凝視していたら、怪しまれるかもしれない。

あくまで平静を装わなければならない。

僕は再度深呼吸をした。

それにしてもホルムス共和国政府も仕事が早いな。

もっとチンタラやってくれればいいのに。

そして僕は、レフティオ町役場の正面出入口の自動ドアをくぐった。