最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

住宅事情

僕は、ルンパさんに言った。

「すいません、ルンパさん。実は部屋を探していまして。このアパートに空きがないかを尋ねたかったんです。あっ申し遅れました。僕はロベルト・ソルディといいます。」


ルンパさんが、僕に答えた。

「あっはい、私はステファルノ・オルランドと申します。」

僕はルンパさんに言った。

「えっ？ステファルノって名前なんですか？」

オルランドさんが僕に言った。

「はい、ステファルノが名前でオルランドが名字です。」

じゃあビブリーさんはなんでルンパって呼んでたんだ？

僕はオルランドさんに言った。

「すいません。オルランドさん。てっきりルンパってお名前かと思ったので。」

オルランドさんが僕に言った。

「別にルンパで構いませんよ。みんな私の事をルンパで呼んでますから。私果物のルンパイヤが大好物で、いつもルンパイアを食べてるんです。それでついたあだ名がルンパです。」


そうだったのか。

軽率な発言だったな。

するとオルランドさんが僕に尋ねた。

「それよりもソルディさん。このアパートに入りたいという事で宜しいですか？」

僕はオルランドさんに答えた。

「はい、もし空いてたら入居できないかなと思いまして。」

オルランドさんが僕に言った。

「申し訳ありません、この公営アパートには現在空きがなくて、順番待ちになっています。今から入居予約をして貰っても、入居できるのは一年以上後になると思います。」


一年以上後？そんなに待たされるのか。

僕はオルランドさんに尋ねた。

「それじゃあ、この近くに部屋探しができる店とか有りますか？」

オルランドさんが僕に言った。

「ああそれなら、ここから少し歩いた所にレフティオ西商店街があります。そこに部屋探しができる店ジェスロンがあります。」

僕はオルランドさんに言った。

「ありがとうございます。じゃあそのジャスロンって店に行った方がいいですね。」

だがオルランドさんは、僕にこう言った。

「そこに行っても多分うち(公営アパート)とたいして変わらないと思います。恐らく入居まで一年ぐらいは待たされると思います。良くて半年かと。」


僕はオルランドさんに尋ねた。

「なんでそんなにかかるんですか？」

オルランドさんは僕に言った。

「借りたい人に対して、供給される物件の数がかなり少ないんです。それでたまに空いた部屋が出た時は希望者がすぐに殺到します。公営アパート民間アパート問わずです。」


オルランドさんが僕に続けた。

「これでもまだこの辺りは早い方ですよ。このレフティオは人気が高くない場所ですからね。他は町だと三年待ちもざらにあります。」

そうなのか、この国の住宅事情は圧倒的に部屋不足というわけか。

しかし困ったな。さすがに半年や一年なんて待ってられない。

するとオルランドさんが、僕に尋ねてきた。

「ソルディさんは蒸気自動車には乗られるんですか？」

僕はオルランドさんに答えた。

「いや、蒸気自動車は持って無いんですよ。」

オルランドさんは、少し考えた後に僕に言った。

「であれば、一つ当てがあります。」