最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

首都近郊の町

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僕は35番窓口の男性職員に声をかけた。

「すいません。」

男性職員は僕に気づいて言った。

「ご相談ですね。どうぞ、お座りください。」 

僕は、窓口前の椅子に座った。

そして男性職員に尋ねた。

「実は仕事を探そうと思うんですが、住所がまだ決まっていないです。」

男性職員が僕に尋ねた。

「住所が決まっていないというのはどういう事ですか?もしかして外国からいらっしゃった方ですか?」

僕は男性職員に言った。

「はい、アグトリア法国から来たばかりなんです。」

すると男性職員が僕に尋ねた。

「避難民認定は受けていらっしゃいますか?」

僕は男性職員に答えた。

「はい、避難民認定許可証は頂いてます。」

すると男性職員は僕に言った。

「ああ、なるほど。住所を決めてしまうと、転居が必要な仕事に応募できないのではないかと心配されてるんですね。」

僕は男性職員に言った。

「はい、そうです。」

そして男性職員は僕に言った。

「結論から申し上げます。住所を先に決めるべきです。」

僕は男性職員に尋ねた。

「やはり、選考で不利になりますか?」

男性職員が言った。

「不利とかいう程度ではありません。住所が無ければ、企業側は選考すらしてくれません。」

そうか、そこまで厳しいのか。

となれば先に住所を決めるか。

そして僕は男性職員に尋ねた。

「どこに住むのがいいですかね?」

男性職員が僕に言った。

「ちょっとお待ちください。」

すると男性職員は立ち上がって、奥に行ってしまった。

しばらくすると、手に地図を持って35番窓口に戻ってきた。

男性職員がカウンターに地図を広げた。

そして男性職員が僕に言った。

「そうですね。利便性だけでいけば、この首都エルスタが一番でしょう。ただし都心だけあって、家賃も高いです。」

僕は男性職員に答えた。

「家賃が高いのは厳しいです。」

すると男性職員が僕に尋ねた。

「蒸気自動車はお持ちですか?」

僕は男性職員に答えた。

「いえ、持ってないです。」

男性職員が僕に言った。

「そうすると、エルスタの北東にある町レフティオはどうですかね?」

僕は男性職員に尋ねた。

「レフティオですか?」

男性職員は僕に答えてくれた。

「ええ。レフティオは首都エルスタの近郊にある町なんです。レフティオの北には造船業が盛んな港町ヨックモードがあります。また自動車産業が盛んな湖の町レインからも通勤圏内です。そして首都エルスタからも近い。ここならば家賃も手頃です。」

僕は男性職員に尋ねた。

「そのレフティオという町はブルーム鉄道で行けるんですか?」

男性職員は僕に言った。

「はい、大丈夫です。ブルーム鉄道の駅もあります。」

僕は男性職員に尋ねた。

「ですがそのレフティオの町は立地も良さそうですし、ブールム鉄道の駅もある。なんで人気が無いんですか?家賃が安いって事はそういう事ですよね?」

男性職員が僕に答えた。

「ああ、それはラムセリ川のせいです。レフティオの町と首都エルスタの境目に川が流れているのですが、このラムセリ川を越える為に、通勤時間帯は、ほぼ毎日大渋滞が起こるからです。」

僕は男性職員に答えた。

「なるほど、そうなんですね。」

どうもそのレフティオという町が住むには良さそうだな。

続けて僕は男性職員に言った。

「ありがとうございます。とても参考になりました。」

そう言えば、疑問に思っていた事がもう一つあった。

僕は男性職員に続けて尋ねた。

「この奥にある本棚は何なんですか?」

男性職員が僕に答えた。

「ああ、あれは公開求人票が置いてある本棚です。」

僕は男性職員に言った。

「公開求人ですか?」

男性職員が僕に言った。

「はい、比較的に募集人数が多い求人は、あちらに掲載しています。そして普通の求人はこちらの相談窓口でご案内しています。」

僕は男性職員に尋ねた。

「なぜ公開求人と窓口で分けてるんですか?」

男性職員が僕に答えた。

「もともと公開求人というのは無くて、窓口での紹介だけだったのです。ですが企業様そして求職者様から、もっと求人票を見れる機会を増やして欲しいという要望がありまして、設置させてもらいました。」

僕は男性職員に言った。

「なるほど。そういう事なんですね。」

すると男性職員が僕に言った。

「せっかくですから、いくつか求人票だけでもお持ちしましょうか?」

そうだな、せっかくだから貰って帰るか。

僕はその後、いくつかの求人を紹介してもらった。

そして僕は男性職員からその求人票のコピーを受け取った。
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