最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第4章 ホルムス共和国

嘘八百

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小部屋での面談(事情聴取)は更に続いた。

ウルエル次長が僕に尋ねた。

「なぜホルムス共和国に来ようと思ったんですか?動機を聞かせてもらえますか?」

僕はウルエル次長に言った。

「僕はアグトリア法国のジロッピニャーノに、妻と息子夫婦と一緒に暮らしていました。ある時盗賊団同士の縄張り争いが起こって、妻がそれに巻き込まれて殺されました。その後息子夫婦と相談して、アグトリア法国を脱出しようという事になりまして、息子夫婦がドレビー盗賊団にお金を渡して、国境ゲートを通してもらえるように交渉にいきました。」

僕は、引き続きウルエル次長に話した。

「ですが息子夫婦は、行ったきり帰ってこなかった。数日後道端で息子夫婦の遺体が見つかりました。どうやら盗賊達に金だけ奪われたようでした。僕は泣いて途方に暮れました。ですがその少し後に決意しました。モンテリーノ山脈を越えてこの国を脱出しようと。そして山越えで死ぬような思いをしつつも何とか山脈を越えて、このホルムス共和国にやって来ました。」

ウルエル次長が僕に言った。

「そうですか、大変なご苦労をなされたんですね。そのお歳では山越えもさぞ大変だったでしょう。辛い記憶を思い出させてしまってすいません。これも決まりでして。事情は了解致しました。」

僕はウルエル次長に、向かって頭を下げた。

しかし我ながら、よくここまで嘘ばかり言えるもんだ。

嘘に嘘を並べて、嘘八百だな全く。

次から次へと口から出てくる嘘に我ながら感心した。

ウルエル次長の隣に座っていた、男性職員が僕に言った。

「ではこちらの避難民認定申告書へのご記入をお願いします。」

男性職員はそう言うと、テーブルの上に避難民認定申請書とペンを置いた。

僕は、避難民認定申請書に必要事項を記入していった。

おやこの日時の記入欄は何と書けばいいのかな?

僕はウルエル次長の横に、座っていた男性職員に尋ねた。

「すいません、この日時の所には、何と書けばいいんですか?」

僕の問いに男性職員は、答えてくれた。

「ああ、それでしたら、パルゲア歴で構いませんよ。ですから今日はパルゲア歴752年5月19日ですね。時間は午前11時35分です。」

僕は、男性職員に答えた。

「ありがとうございます。」

僕は日時の欄に、男性職員から聞いた時間を記入した。

そして続いて名前と年齢の欄を記入した。

名前『ロベルト・ソルディ』

年齢   『54歳』

とそれから僕は必要事項を記入をひたすら続けた。

ようやく僕は必要事項の記入を終えて、ウルエル次長に避難民認定申請書を渡した。

そしてウルエル次長は僕に言った。

「ありがとうございます。ではこれで面談を終わりますので、外でお待ちください。」

僕はウルエル次長に言った。

「分かりました。」

僕はウルエル次長に頭を下げた後で、小部屋から出ていった。
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