最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

レイン駅

僕はホテルスタッフに、教えて貰ったブルーム鉄道のレイン駅へと向かった。

最もジューネックホテルの目と鼻の先にあったので、数分で到着したが。

昨日は気づかなかったけど、蒸気バスから降りた場所が、レイン駅のすぐ前だったんだな。

しかし昨日の夜にも見たが、やはりこの町はフォルンよりはるかに大きい。

レイン駅周辺には、ビルが沢山建っており店もたくさんあるようだった。

フォルンの商店街よりも大きて広かった。

最もまだ早朝だったので、いくつかの店が開店しているだけだったが。

弁当屋や飲食店は、すでに開いているようだった。

通行人もさっきよりたくさんいて、皆レイン駅へ向かっているようだ。

通勤でブルーム鉄道や蒸気バスを使っているだろうか？

レイン駅舎は三階建ての建物で、コンクリートで造られているようだった。

そして駅舎の後ろには、レイン駅のプラットホームと線路が見えた。

レイン駅正面は大きなロータリーとなっていて、そこにバスの乗り場が数ヶ所設けられていた。

すでに沢山の人が、バスを待っていた。

するとバス停の横に、見慣れない看板の乗り場を見つけた。

あれは何の乗り場だ？

蒸気バスや鉄道があるくらいだから、タクシーとかだろうか？

その乗り場に数人の人が並んでいたので、気になって並んでいた人に尋ねてみた。

「あのー、すいません。」

すると中年の男性が、僕に答えた。

「おい、横入りはするんじゃない。ちゃんとルールを守らないか！」

僕は列に割り込んだ形になってしまったので、慌てて列から出て男性に謝った。

「すいません、横入りするつもりは全く無かったんです。一つ尋ねたい事が有りまして。」

中年の男性は訝しげに、僕の顔を見ながら言った。

「尋ねたいことって？」

僕は、中年の男性に尋ねた。

「あのこの停留所で何を待ってるんですか？」

中年の男性は、キョトンとしながら言った。

「何って、ジュウタンだよ。」

うん、ジュウタン？？って？？

もしかしたらタクシーの事を、こちらの世界ではジュウタンと言うのか？

そんな事を考えていると、何かがこの停留所の前にやって来た。

中年の男性は、僕に指指しながら言った。

「ほらあれが、ジュウタンだよ。」

僕は中年の男性が、指さした物を見る為に正面を振り返った。

そこには縦横三メートルぐらいの絨毯(じゅうたん)が宙に浮いていた。

それに一人の黒いローブ姿男性が乗っていた。

その男性が、大きな声で言った。

「お待たせ致しました！」