最強勇者の物語2

第４章 ホルムス共和国

倉庫街フォルン

輸出用倉庫周辺は、カルヤーンと同じく大きな倉庫が並んでいた。

違うのは大型車両が、たくさん駐車している事だろう。

輸出用倉庫周辺にはたくさんの倉庫が建っており、その駐車場には大型の蒸気トラックが止まっていた。

多い所では、十台以上駐車されていた所もあった。

道路は歩道と車道に分けられており、コンクリートで舗装されているようだった。

一定区間ごとに街灯も設置されており、夜の町を照らしていた。

ジール公国にも街灯はあったが、明らかに共和国の方が数が多い。

僕は少し進んだ所で、蒸気を出しながら走ってくる蒸気トラックが見えた。

その蒸気トラックが、リンリンリンという音を出しながら僕の少し手前を曲がった。

そして広めの空地に停車した。

他にも何台か蒸気トラックが、駐車されていたのでそこは駐車場なのかもしれない。

そしてすぐに、その蒸気トラックの照明が消えた。

それからすぐに、運転手と思われる男性が降りてきた。

僕はその運転手に声をかけた。

「あのー、すいません。」

するとその運転手が僕に言った。

「うん、あんた観光客か？こんな倉庫しか無い所で何をしてるんだ？」

僕は運転手に言った。

「ちょっと迷子になってしまって。町の中心部に戻りたいんですが？」

運転手が、僕に教えてくれた。

「ああそういう事か。このフォルンは町の南側に倉庫街があるんだ。そして北側が市街地になってる。町の中心部も北側だ。まあこのフォルン自体は小さな町だから小さな商店街があるだけだがな。」

そして運転手は、指を指しながら説明してくれた。

「ほら、あそこに点灯機があるだろう？あそこの交差点を右に曲がってあとはまっすぐだ。」

僕は運転手さんが、指指した方を見た。

すると八メートルくらいの高さの棒状の構造物があり、その上に箱のような物がついており、その中に大きな魔導灯が二つ入っていた。

そして赤い魔導灯が点灯していた。

あれってもしかして信号機か？

まあいいやとりあえず商店街に行ってみよう。

僕は運転手に、お礼を言って歩き始めた。

移動している最中に、何台もの蒸気トラックや自動車のような物が僕の横を通過していった。

自動車は車体の後ろの排出口から、蒸気を出しながら走っていた。

あれが蒸気自動車なのだろう。

見た目はあっちの世界の自動車とあまり変わらない。

国境ゲートがあるぐらいだから、このフォルンという町もカルヤーンと同様に交通の要所なのだろう。

そんな事を考えながら僕は教えてもらった通りに進み、フォルンの商店街が見えてきた。

すでに午後七時を回っていた。

街灯のおかげで、フォルンの町は少し明るかった。

だが通行人もたくさんおり何度もすれ違った。

商店街の前の道は道幅は広く広々としていた。

そこには数台の蒸気自動車が停まっていた。

赤や黒そして黄色の蒸気自動車だった。

運転手さんの言った通り町の北側が市街地となっていた。

中心に数十の商店があるだけで、あとは住宅のようだった。

建物は赤色のレンガ造りが多く、中心部の商店街は四階建てや五階建てのレンガ造りの建物の一階に店が入っていた。

僕は商店街に到着した。