最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

脱出策

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僕は何とか輸出用倉庫から脱出する事ができた。

動くな!と言われた時は、すごくヒヤヒヤしたけど。

どうやってあの倉庫から抜け出したのかというと、方法はこうだ。

綺麗に積まれていた小麦の麻袋を、一番東側だけ乱雑に積みかえたのだ。

荒らすだけなら、そこまで時間はかからない。

そして北側の扉の前で聞き耳を立てて、この倉庫を開ける人物が来るのを待った。

その人物がやって来たのを確認して、すぐに倉庫の東側に移動する。

そして一番下の麻袋を引っこ抜いて荷崩れを起こす。

そしてすぐに倉庫の南側に移動する。

先程も使った穴の空いた麻袋を再度かぶって、警備隊員達をやり過ごしたのだ。

とは言え僕は南側に隠れていたので、警備隊員が大声で動くな!と言われた時はもうダメかと思った。

暗闇で探してくれて本当に助かった。

もし照明を点灯させた状態で探されたら、間違いなく見つかっていただろう。

そして彼らが麻袋の中身の確認作業をした後、全員で積み直し作業を始める。

僕は頃合いを見て麻袋を脱いで倉庫の西側にこっそり回り、隙を見て北側出入口から脱出したという訳だ。

東側の荷崩れを起こした理由は二つあった。

警備隊員達に、荷崩れした倉庫の東側に注意をそらす事が一つ目の理由だ。

二つ目は麻袋の積み直しをさせる為であった。

小麦の麻袋の下に敷かれた板は、効率よく小麦の麻袋を搬出するための物だ。

人の手によって運んでいたら、1回に一個が限度だろう。

だが荷物運搬用車両(蒸気フォークリフト)を使えば一度に二十個は運べるはずだ。

この差は本当に大きいのだ。

つまりいくら荷崩れしていたとしても、人の手で一個づつ運ぼうとは考えないはずだ。

積み直ししてでも荷物運搬用車両(蒸気フォークリフト)で運ぼうとするはず。

そして、荷物運搬用車両(蒸気フォークリフト)での搬出が前提のはずだから、搬出に参加している人数も少数のはずだ。

それで荷崩れとなれば、全員で積み直すしかない。

北側の扉前に誰かが待機していては、脱出のしようが無い。

輸出用倉庫の北側に窓は無く、共和国側に脱出するにはこの扉から脱出するしかなかった。

だからあえて音を出して先に倉庫の中を確認させて、警戒心が薄れた後に動いた方が良いと判断したのだ。

そして無事に脱出に成功した。

倉庫の北側には、数台の大型トラックのような物と数台のフォークリフトのような物が駐車していた。

これが多分蒸気トラックなんだろう。

でこっちが蒸気フォークリフトだな。

僕はそんな事を考えながら、夕闇に紛れて進んで行った。

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