最強勇者の物語2

第３章 逃亡生活

白賢者(ホワイトワイス)

さて四ヵ国協議も、終盤に入っていた。

最後の議案である、白賢者(ホワイトワイス)の枠の決定であった。

白賢者は回復魔法全般を扱う事が出来て、ポーション同様に規制の対象になっていた。

またポーション生成ができる唯一の職業でもある為、一番規制すべき職業であると考えられていた。

よって白賢者は一番規制が、厳しい職業となっていた。

白賢者は、転職者上限枠とは別枠で、各国が保有できる人数が定められていた。

まずクロエが発言する。

「我がレグナス王国は、去年と同数の240人を要求します。」

その後にグラント大統領が発言する。

「我がホルムス共和国は、去年と同数の190人を要求する。」

ジール大公は、ドレスタル枢機卿に順番を譲った。

ドレスタル枢機卿が発言する。

「我がアグトリア法国は、去年と同数の120人が要求です。」

そして最後にジール大公が発言した。

「我がジール公国は、去年より20人多い170人を要求する。そして白賢者の上限枠引き上げをお願いしたい。」

ジール大公が白賢者の上限枠引き上げを求めた。

グラント大統領が、ジール大公に尋ねた。

「ジール大公殿、なぜ上限枠の引き上げを求められるのか？」

ジール大公が、グラント大統領に答えた。

「我が国のみ人口比に見合った人数になっていない、三国は去年と同数の要求の為、上限枠の引き上げを要求した。」

クロエが、ジール大公に尋ねた。

「上限枠はどうしても引き上げが必要なのですか？ジール大公様、去年と同数という訳にはいきませんか？」

上限枠の引き上げは始めてだった事もあり、各国は困惑した。

そこへパストーレ伯爵が、クロエに発言した。

「我がジール公国には隣国から避難民がやって来ており、去年と同数では人口比で見合わなくなります。」

ライツ補佐官が、パストーレ伯爵に言った。

「パストーレ伯爵様の言われる事も分かりますが、この上限枠は世界を安定させる為に設けられました。簡単に上限枠を上げるのならば、そもそも上限枠の意味が無くなるのではありませんか？」

そこにジール大公が、発言した。

「ライツ補佐官殿の言われる事も分からんでは無いが、それでは我がジール公国だけが損をする。では上限枠の引き上げが無理と言われるならば、枠を少し譲って頂けますかな？レグナス王国の分を減らして頂くとか？」

するとティアが、ジール大公に言った。

「ちょっと、ジール大公様、無理な事言わないでよ。」

その後、議論はしばらく平行線を辿った。

だが結局ジール大公の主張が通り、白賢者の上限枠が引き上げられる事となった。

各国とも自国の白賢者枠を、減らしたくは無かったのである。

そしてジール大公が総括を始めた。

「さてだいぶ長くなってしまったが、四ヵ国協議も大詰めだ。転職者リストについては七月末までに決定して、各国政府への提出をお願いしたい。採否に関しては九月末までに各国への返答をお願いしたい。それで如何であろうか？」

クロエが、ジール大公に答えた。

「我がレグナス王国は転職者リストの件了承致しましす。」

グラント大統領が、ジール大公に答えた。

「我がホルムス共和国も、転職者リストの件了承致します。」

ドレスタル枢機卿が、ジール大公に答えた。

「我がアグトリア法国も転職者リストの件了承致します。」

ジール大公が、大きな声で発言した。

「当然、我がジール公国も了承だ。」

続けてジール大公が、大きな声で発言した。

「各国の皆様方、これにて四ヵ国協議の議題は全て終了致しました。紆余曲折ございましたが、無事に終了となり、主催国代表として御礼申しあげます。つきましては、六笑にて締めとさせて頂く。」

開闢の間にいた各国首脳陣と、各国政府関係者は一斉に立ち上がった。

ジール大公の大きな声が響く。

「あっはっはー。」

開闢の間にいる人々が、大きな声で返答する。

「あっはっはー。」

再びジール大公の大きな声が響く。

「あっはっはー。」

開闢の間にいる人々が大きな声で返答する。

「あっはっはー。」

再びジール大公の大きな声が響く。

「あっはっはー。」

開闢の間にいる人々が、大きな声で返答する。

「あっはっはー。」

六笑が終了し、四ヵ国協議が無事終了した。