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第3章 逃亡生活
大量破壊兵器ポーション??
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このパルゲア大陸において回復アイテムであるポーションを、個人で所有するのは認められていない。
保有が認められているのは、各国政府及び軍隊と治療行為を行う教会スタッフだけであった。
ジール大公が、各国に発言した。
「皆様、ポーションの現状報告有り難うございます。ではこれより問題点と対策を、協議してまいりたい。」
クロエが各国に発言した。
「やはり一番の問題点は、ポーションは便利な回復アイテムという認識が、人々から未だに抜けきれていない事ですね。」
グラント大統領がクロエに答えた。
「こればかりはどうしようもないのでは?時間をかけて周知徹底をしていくしかないだろう。」
ジール大公が続いて発言した。
「そうですな、ポーションは便利な回復アイテムなどではなく、世界を滅ぼしかねない危険な大量破壊兵器だという事を、しっかり皆々に理解して貰わねばならん。」
クロエがジール大公に言った。
「我がレグナス王国でのポーションでの法律違反は昨年だけで720件になります。逮捕者は300人を越えています。その大半がポーションが、危険という認識をしていなかったのです。」
ジール大公が答える。
「これは大陸全土での更なる規制が必要ではありませんかな?」
グラント大統領が答えた。
「ですがあまり規制を強化してしまいますと、現場での治療を担っている、教会スタッフが萎縮してしまうかもしれません。ポーションの使用を躊躇してしまい、救える命を救わなくなるやもしれません。そうなれば本末転倒ですぞ。」
そこにクロエがグラント大統領に発言した。
「ですがポーションが物凄く危険な薬物である事に違いはありません。現状維持では周知徹底は難しいのでは有りませんか?」
ライツ補佐官が発言した。
「ポーション使用時の報告義務を強化するのはどうでしょう?絶対に回避しなければならないのはポーションが横流しされる事のはず。」
クロエはライツ補佐官に答えた。
「報告義務の強化ですか。分かりました。レグナス王国としては異存はありません。」
ジール大公も皆に発言した。
「報告義務の強化、もちろんジール公国も賛成致します。」
ジール公国とレグナス王国は、ホルムス共和国の報告義務の強化案に賛成した。
そしてジール大公は、ドレスタル枢機卿に尋ねた。
「枢機卿殿?貴国はどうであろうか?」
ドレスタル枢機卿は、言いよどんだ。
「我がアグトリア法国は、‥‥‥。」
するとクロエが、ドレスタル枢機卿に言った。
「ドレスタル枢機卿様、少し厳しい事を申しますがよろしいでしょうか?」
ドレスタル枢機卿は、クロエに静かに答えた。
「ええ、構いません。我がアグトリア法国のポーションの管理体制についてですね?」
クロエはドレスタル枢機卿に言った。
「はい正直に申しまして、貴国の管理体制では、ポーションがいずれ横流しされるのではないかと危惧しております。必要であればポーション管理に関して、人員や資金面での援助を致しますが?」
グラント大統領もクロエに続いて支援を申し出た。
「ドレスタル枢機卿殿、我がホルムス共和国としても、人道的見地からの必要な援助は致しますぞ。」
ドレスタル枢機卿はグラント大統領とクロエに答えた。
「クロエ様、グラント大統領様、その申し出は非常にありがたいのですが、今回はお断り致します。」
だがクロエがドレスタル枢機卿に言った。
「ですが、ポーションの管理体制はどうされるのですか?」
ドレスタル枢機卿がクロエに答えた。
「今後はポーションを厳重保管し、極力使用しないように努めますので、どうかご安心を!」
そしてドレスタル枢機卿は、ジール大公に言った。
「我がアグトリア法国も、報告義務の強化に賛成いたします。」
ドレスタル枢機卿の本音を言えば、援助は喉から手が出るほど欲しかった。
だが一旦援助を受けてしまえば、援助をしてくれた国の意向を無視できなくなる。
そうなればアグトリア法国の発言力が、更に低下するのではないか?
そこを心配したからであった。
クロエもグラント大統領もそれ以上は言及しなかった。
内政不干渉のルールがある以上、アグトリア法国の意見を無視して援助する訳にもいかなかったからである。
そこにジール大公が、発言した。
「四ヵ国で合意ができましたので、今後ポーション使用時の報告義務の強化に努めていく事と参ります。」
保有が認められているのは、各国政府及び軍隊と治療行為を行う教会スタッフだけであった。
ジール大公が、各国に発言した。
「皆様、ポーションの現状報告有り難うございます。ではこれより問題点と対策を、協議してまいりたい。」
クロエが各国に発言した。
「やはり一番の問題点は、ポーションは便利な回復アイテムという認識が、人々から未だに抜けきれていない事ですね。」
グラント大統領がクロエに答えた。
「こればかりはどうしようもないのでは?時間をかけて周知徹底をしていくしかないだろう。」
ジール大公が続いて発言した。
「そうですな、ポーションは便利な回復アイテムなどではなく、世界を滅ぼしかねない危険な大量破壊兵器だという事を、しっかり皆々に理解して貰わねばならん。」
クロエがジール大公に言った。
「我がレグナス王国でのポーションでの法律違反は昨年だけで720件になります。逮捕者は300人を越えています。その大半がポーションが、危険という認識をしていなかったのです。」
ジール大公が答える。
「これは大陸全土での更なる規制が必要ではありませんかな?」
グラント大統領が答えた。
「ですがあまり規制を強化してしまいますと、現場での治療を担っている、教会スタッフが萎縮してしまうかもしれません。ポーションの使用を躊躇してしまい、救える命を救わなくなるやもしれません。そうなれば本末転倒ですぞ。」
そこにクロエがグラント大統領に発言した。
「ですがポーションが物凄く危険な薬物である事に違いはありません。現状維持では周知徹底は難しいのでは有りませんか?」
ライツ補佐官が発言した。
「ポーション使用時の報告義務を強化するのはどうでしょう?絶対に回避しなければならないのはポーションが横流しされる事のはず。」
クロエはライツ補佐官に答えた。
「報告義務の強化ですか。分かりました。レグナス王国としては異存はありません。」
ジール大公も皆に発言した。
「報告義務の強化、もちろんジール公国も賛成致します。」
ジール公国とレグナス王国は、ホルムス共和国の報告義務の強化案に賛成した。
そしてジール大公は、ドレスタル枢機卿に尋ねた。
「枢機卿殿?貴国はどうであろうか?」
ドレスタル枢機卿は、言いよどんだ。
「我がアグトリア法国は、‥‥‥。」
するとクロエが、ドレスタル枢機卿に言った。
「ドレスタル枢機卿様、少し厳しい事を申しますがよろしいでしょうか?」
ドレスタル枢機卿は、クロエに静かに答えた。
「ええ、構いません。我がアグトリア法国のポーションの管理体制についてですね?」
クロエはドレスタル枢機卿に言った。
「はい正直に申しまして、貴国の管理体制では、ポーションがいずれ横流しされるのではないかと危惧しております。必要であればポーション管理に関して、人員や資金面での援助を致しますが?」
グラント大統領もクロエに続いて支援を申し出た。
「ドレスタル枢機卿殿、我がホルムス共和国としても、人道的見地からの必要な援助は致しますぞ。」
ドレスタル枢機卿はグラント大統領とクロエに答えた。
「クロエ様、グラント大統領様、その申し出は非常にありがたいのですが、今回はお断り致します。」
だがクロエがドレスタル枢機卿に言った。
「ですが、ポーションの管理体制はどうされるのですか?」
ドレスタル枢機卿がクロエに答えた。
「今後はポーションを厳重保管し、極力使用しないように努めますので、どうかご安心を!」
そしてドレスタル枢機卿は、ジール大公に言った。
「我がアグトリア法国も、報告義務の強化に賛成いたします。」
ドレスタル枢機卿の本音を言えば、援助は喉から手が出るほど欲しかった。
だが一旦援助を受けてしまえば、援助をしてくれた国の意向を無視できなくなる。
そうなればアグトリア法国の発言力が、更に低下するのではないか?
そこを心配したからであった。
クロエもグラント大統領もそれ以上は言及しなかった。
内政不干渉のルールがある以上、アグトリア法国の意見を無視して援助する訳にもいかなかったからである。
そこにジール大公が、発言した。
「四ヵ国で合意ができましたので、今後ポーション使用時の報告義務の強化に努めていく事と参ります。」
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