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第3章 逃亡生活
内政不干渉
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ようやくアグトリア法国からの使節団が到着した。
だが四ヵ国協議が、始まる前から荒れていた。
ジール大公が、ドレスタル枢機卿を言い放つ。
「枢機卿殿、そこまで余と顔を合わせるのが嫌であったか?それとも貴殿の国では約束事は、守らぬのが普通なのかな?文化として約束事を、反古にする風習でも有るのか?そうならばなんと素晴らしき風習よな!」
もちろんアグトリア法国に、そんな風習は無い。
これは、ジール大公の皮肉であった。
ドレスタル枢機卿が、再びジール大公に謝罪した。
「ジール大公様、決してそのような事はございません。この度は、ジール大公様の顔に泥を塗るような事になってしまい、誠に申し訳ございませんでした。」
ジール大公は更に遅れた原因を、ドレスタル枢機卿に尋ねた。
「それで枢機卿殿、なぜ遅刻されたのだ?まさかまたラクリファに繋がる幹線道路を、賊に占拠されたのではあるまいな?」
ドレスタル枢機卿は申し訳なさそうに、ジール大公に答えた。
「ジール大公様の仰るとおり、盗賊団がラクリファに繋がる幹線道路を占拠したので、ジール公国に向かう事が出来なかったのです。討伐がようやく完了し、ここへやって参りました。」
ジール大公は呆れて、ドレスタル枢機卿に言い放った。
「枢機卿殿!賊に幹線道路が占拠されるのは、一体これで何度目だ?しかもラクリファに繋がる幹線道路は、貴国の大動脈の一つであろう。賊に幹線道路が占拠されるなど、我が国では到底あり得ぬ!アグトリアでは一体どんな内政をやられておるのか!」
ドレスタル枢機卿は、下を向いてしまった。
するとクロエが、ジール大公に発言した。
「ジール大公様。他国の内政には干渉してはならないと四ヵ国協議で過去に決めております。他国の内政に関してとやかく言うのは、内政不干渉のルールに反するのではありませんか?」
しかしジール大公が、クロエに反論する。
「余とて、アグトリア法国の内政をとやかく言うつもりは無い。だがアグトリア法国の内政失敗のせいで、我が国にはアグトリア法国からの避難民が、大量に押し寄せておるのだ。なぜ我がジール公国がアグトリアの者達まで食べさせてやらねばならんのだ!もはやこれは外交問題だろう!」
そこへグラント大統領が、ジール大公に言った。
「ジール大公殿がお怒りになるのも分かりますが、まずはドレスタル枢機卿殿と、アグトリア法国の方々に座って頂いた方がよいと思いますな。」
そこにパストーレ伯爵も、ジール大公に進言した。
「ジール大公様、私もグラント大統領様と、同じ意見でございます。これではいつまで経っても、四ヵ国協議が始められません。」
ジール大公は少し考えて、ドレスタル枢機卿に言った。
「枢機卿殿、今後はこのような事が無いよう頼みたい!宜しいか?」
ドレスタル枢機卿はジール大公に返答した。
「はい、お約束致します。」
ドレスタル枢機卿が用意された席に着席した。
その後ろにアグトリア法国からやって来た関係者達も、着席した。
この後ようやく四ヵ国協議が始まった。
だが四ヵ国協議が、始まる前から荒れていた。
ジール大公が、ドレスタル枢機卿を言い放つ。
「枢機卿殿、そこまで余と顔を合わせるのが嫌であったか?それとも貴殿の国では約束事は、守らぬのが普通なのかな?文化として約束事を、反古にする風習でも有るのか?そうならばなんと素晴らしき風習よな!」
もちろんアグトリア法国に、そんな風習は無い。
これは、ジール大公の皮肉であった。
ドレスタル枢機卿が、再びジール大公に謝罪した。
「ジール大公様、決してそのような事はございません。この度は、ジール大公様の顔に泥を塗るような事になってしまい、誠に申し訳ございませんでした。」
ジール大公は更に遅れた原因を、ドレスタル枢機卿に尋ねた。
「それで枢機卿殿、なぜ遅刻されたのだ?まさかまたラクリファに繋がる幹線道路を、賊に占拠されたのではあるまいな?」
ドレスタル枢機卿は申し訳なさそうに、ジール大公に答えた。
「ジール大公様の仰るとおり、盗賊団がラクリファに繋がる幹線道路を占拠したので、ジール公国に向かう事が出来なかったのです。討伐がようやく完了し、ここへやって参りました。」
ジール大公は呆れて、ドレスタル枢機卿に言い放った。
「枢機卿殿!賊に幹線道路が占拠されるのは、一体これで何度目だ?しかもラクリファに繋がる幹線道路は、貴国の大動脈の一つであろう。賊に幹線道路が占拠されるなど、我が国では到底あり得ぬ!アグトリアでは一体どんな内政をやられておるのか!」
ドレスタル枢機卿は、下を向いてしまった。
するとクロエが、ジール大公に発言した。
「ジール大公様。他国の内政には干渉してはならないと四ヵ国協議で過去に決めております。他国の内政に関してとやかく言うのは、内政不干渉のルールに反するのではありませんか?」
しかしジール大公が、クロエに反論する。
「余とて、アグトリア法国の内政をとやかく言うつもりは無い。だがアグトリア法国の内政失敗のせいで、我が国にはアグトリア法国からの避難民が、大量に押し寄せておるのだ。なぜ我がジール公国がアグトリアの者達まで食べさせてやらねばならんのだ!もはやこれは外交問題だろう!」
そこへグラント大統領が、ジール大公に言った。
「ジール大公殿がお怒りになるのも分かりますが、まずはドレスタル枢機卿殿と、アグトリア法国の方々に座って頂いた方がよいと思いますな。」
そこにパストーレ伯爵も、ジール大公に進言した。
「ジール大公様、私もグラント大統領様と、同じ意見でございます。これではいつまで経っても、四ヵ国協議が始められません。」
ジール大公は少し考えて、ドレスタル枢機卿に言った。
「枢機卿殿、今後はこのような事が無いよう頼みたい!宜しいか?」
ドレスタル枢機卿はジール大公に返答した。
「はい、お約束致します。」
ドレスタル枢機卿が用意された席に着席した。
その後ろにアグトリア法国からやって来た関係者達も、着席した。
この後ようやく四ヵ国協議が始まった。
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