最強勇者の物語2

第３章 逃亡生活

晩餐会

ここはジール公国の首都ラクリファの中心部から少し離れた所にある、アグセラ宮殿である。

この宮殿はおもに、外国からの来賓をもてなすためや、国際会議の会場として使われる。

広大な敷地の中にアグセラ宮殿は、建てられていた。

外壁は石造りで出来ており、二階建てで横幅が三百メートル縦幅が五十メートルあり、宮殿の正面に大きな噴水があり、たくさんの水が流れ出ていた。

アグセラ宮殿の正面玄関はロータリーになっており、蒸気自動車が入れるようになっていた。

また正面玄関の周りにはいくつかのおしゃれな街灯が、設置されていた。

宮殿の中は壁と天井は白色で統一されており、天井には、美しい絵画が描かれていた。

天井まで五メートルぐらいで、天井からは装飾された魔導灯がいくつも吊るされていた。

一階の中央にある黄昏の間で、ジール大公主宰の晩餐会が始まろうとしていた。

黄昏の間には、招待客用の座席と高級そうな食器が人数分用意されていた。

招待客が、順次黄昏の間に通されていった。

すこし経つと招待客が、全員黄昏の間に通された。

招待客は、ジール大公の挨拶を静かに待っていた。

その中にはクロエやティア、そしてグラント大統領やライツ補佐官の姿もあった。

ジール大公こと、リドライ・バルヘイム・オブ・ジールが、黄昏の間の中央にいた。

年齢は三十二歳、顔立ちが良い長身のスラッとした男性で、黒髪で髪は短かった。

ジール大公は、黒い礼服を着ていた。

そして彼も地球から、やって来た勇者である。

彼もまた時空の女神リーシャによって、この異世界に送られてきた。

ちなみに地球にいた時の名前は、古森照之(こもりてるゆき)である。

黄昏の間の中央に立ったジール大公が、大きな声で挨拶を始めた。

「この度は遠路はるばる、公爵家主宰の晩餐会に御出席頂き有り難うございます。ささやかなおもてなしではございますが、これよりの会食を楽しんで頂ければ幸いでございます。それでは皆様心ゆくまでお楽しみください。」

招待客一同から拍手が、起こった。

その後、会食が始まり招待客達に料理が運ばれてきた。

そして招待客達は、料理を心ゆくまで味わった。

晩餐会は無事に終了した。