最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

アホ勇者2

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この国にはアホ勇者に、勝てる奴はいなかった。

故にこのアホ勇者の暴走を、止める事が出来なかったのである。

アホ勇者の暴走は、まだまだ続く。

今日のアホ勇者は、大広間で宴会を開いていた。

アホ勇者は料理人に作らせた、料理を王宮の大広間まで運ばせた。

「偉大で芸術な勇者様の食べ方を、見せてやる。」

そう言うと、アホ勇者は料理が盛られた皿をひっくり返して、料理を床に全て落とした。

そしてアホ勇者は、料理がのっていた皿を一舐めすると、皿を床に投げ捨てた。

アホ勇者が大声をあげる。

「いいか、これが偉大な勇者様の食べ方なのだ!」

アホ勇者言わく、これが芸術らしい。

頭の悪そうな側近が答える。

「さすがは、偉大な勇者様!素晴らしすぎます!」

その後、アホ勇者が寝てから、大広間の料理が片付けられた。

さらに次の日、アホ勇者は無理難題を言っていた。

「俺は神に使わされた偉大な勇者様だ。この俺様にこんなボロ城は不釣り合いだ。新しい城を造れ。」

頭の悪そうな側近が答えた。

「どうせならもっと大きくしてみては?」

アホ勇者が、珍しく悩んで答えた。

「それはいいな!よし!うーん二倍?三倍?あんまりかっこよく無いな。」

頭の悪そうな側近が答える。

「一万倍はどうでしょうか?」

アホ勇者は、嬉しそうに答えた。

「一万倍?いい、格好いい!よし!一万倍だ!一万倍でかい城を造れ!」

頭の悪そうな側近が答えた。

「はっ!すぐに!」

だがすぐに問題に直面した。

アホ勇者がやって来た家来に、怒鳴り声をあげる。

「何!城を作るのは無理だと!?」

怒鳴り声に恐怖していたのは、この城に代々仕えている古参の家来であった。

古参の家来が震えながら、答える。

「はい。恐れながら一万倍の大きな城を造るには、国庫のお金も人手も全然足りません。」

アホ勇者は怒りが爆発しそうになったが、何かを思いついたらしくすぐに笑顔になった。

そして再び聞いた。

「お金と人手が、あれば出来るんだな。」

そして家来が、再び答える。

「はい、どちらもとてつもない金額と人数になりますが。」

アホ勇者が、笑みを浮かべながら言った。

「よし今すぐに触れを出せ。」

アホ勇者の指示により、すぐにお触れが出された。

お触れはすぐに王国中に伝えられた。

お触れを見た者達は、唖然としざわついた。

「なんなんだこの触れは?」

「一番目のお触れ、明日より税金を収入の十割(100%)とする。偉大でかっこよすぎる勇者様(つまり俺様)の一万倍大きい新しい城を、作るのに使うありがたく思え!」


「二番目のお触れ、明日この国にいる全員の財産を全て没収する。偉大で美男子な勇者様(つまり俺様)の一万倍大きい新しい城を、作るのに使うありがたく思え!」


「三番目のお触れ、明日からこの国にいる全員で、偉大で優秀な勇者様(つまり俺様)の一万倍大きい新しい城を作るのを手伝わせてやる。どうせ暇であろう?ありがたく思え!」


「四番目のお触れ、お触れを破った者は全員百億万年の刑にする。ありがたく思え!」


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