最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

外遊

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クロエは国境警備隊総隊長オルランドと、通信魔法で確認をしていた。

「ではオルランド、私が命令を出してから越境した者は、いないという事でいいんですね?」

総隊長オルランドが答える。

「はっ!その通りです。クロエ様の命令以後、国境を超えた者はおりません。」

そこにティアが、話に割り込む。

「ねえ?何か変わった事は無かった?」

突然割り込んできたティアに、クロエが戸惑いながら答えた。

「何ですかティア?会話中に割り込むなんて。」

ティアはクロエには構わず、オルランドに続けて尋ねた。

「それで?何も無かった?」

クロエが、呆れてティアに言った。

「誰も国境を越えていないのなら、何も無いに決まっているでしょう。」

しかし総隊長オルランドは、こう答えた。

「そう言えば、国境の感知魔法システムが一度だけ反応致しました。」

クロエが驚いて、総隊長オルランドに聞き返した。

「感知魔法システムが反応した?なぜそれを報告しなかったのですか!」

総隊長オルランドは、慌ててクロエに謝罪した。

「申し訳ありません。実はその時ちょうどジールからブルーが逃げ出していたのです。」

クロエが頭を抱えて、総隊長オルランドに答えた。

「なるほど、そういう事ですか。」

ティアがクロエに答える。

「ねえクロエ?ブルーって?」

クロエが、ティアに答える。

「ブルーというのは、ジール大公の愛馬の名前です。それでこのブールは、たまに我が国の国境に逃げてくるんです。」

ティアが納得した様子で、クロエに答えた。

「それで、感知魔法システムが反応したのに、またブルーが逃げ出したのかって事で処理しちゃったんだね。でもそうなると。」

クロエはティアに、相づちをしながら答えた。

クロエは総隊長オルランドに、引き続き尋ねた。

「それでブルーはすぐに見つかったのですか?」

総隊長オルランドはすこし申し訳なさそうに答えた。

「はっ!反応があった場所付近でブルーはすぐに見つかり、すぐに警報を解除致しました。」

「なるほど、ブルーに乗って国境を越えて、ブルーだけ置いてきたって所でしょう。そうなると、国境を越えている可能性が高そうですね。」

クロエは少し間をとってから、総隊長オルランドに尋ねた。

「それでそれはいつの事ですか?」

総隊長オルランドが、クロエに答えた。

「クロエ様から命令を、頂いた日の夜の出来事です。」

クロエが、総隊長オルランドに答えた。

「となると三日以上前ですね、分かりました。オルランドご苦労様です。」

総隊長オルランドがはっ!と答えた後、クロエは通信を切った。

ティアがクロエに尋ねた。

「ねえクロエ?すぐに四ヵ国協議を招集するの?」

クロエは、驚いてティアに答えた。

「召集なんてしませんよ。」

ティアはクロエに答えた。

「えっ?でも勇者が国境を超えた場合は、判明してから三日以内に四ヵ国協議を招集するか、四ヵ国で臨時首脳会談をする決まりだよ。」

クロエはため息をして、ティアに答えた。

「ティア忘れましたか?私達はこれからどこに向かいますか?」

ティアは少し考えた後、思い出したように答えた。

「あっ、そっか。外遊があるんだった。定例の四ヵ国協議が、これから開催されるんだった。」

クロエが頷きながら、ティアに答えた。

「そうです、定例の四ヵ国協議が、ジールの首都ラクリファで明日から開かれます。まあ今夜の晩餐会にも招待されていますので、この後すぐに出発しなければなりません。」

するとティアがクロエに答えた。

「ああそれで、私を呼び戻したのか。」

クロエが、ティアに答えた。

「ええ、ティアには私と一緒に四ヵ国協議に出席して貰います。ローラーには念のため捜索を続けてもらいます。」

ティアがクロエに、了解と伝えた。

クロエがローラーにも、通信魔法でこの事を伝えた。

「ローラー、私達はこれからジールに向かいます。あなたはここで、私に代わって引き続き捜索の指揮を取ってください。」

するとローラーが、クロエに話しかけた。

「了解、二人とも気をつけて行ってきてね。」

ローラーがそうクロエに伝えると、通信魔法が切れた。

そしてクロエとティアは、ジール公国の首都ラクリファへと向かった。


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