最強勇者の物語2

第３章 逃亡生活

捜索隊

ここはレグナス王国のギレート山脈南側にある、グリース荒野である。

このグリース荒野で、レグナス王国南方軍が捜索隊を編成して、勇者を見つける為に大捜索を行っていた。

そのグリース荒野で青い礼服を着た一人の金髪の少女が、捜索隊の総指揮を取っていた。

彼女の名はクロエ・レグナスといって、レグナス王国の国王である。

国王であるクロエ・レグナスは、各地点を捜索している各部隊から、通信魔法で報告を受けていた。

「こちらバトラー師団所属第三魔導隊隊長エリック、目標を発見できず。」

「こちらバトラー師団所属第八魔導隊隊長ベイラー、目標を発見できず。」

「こちらルッケル師団所属第六陸戦魔導隊隊長エドガー、目標を発見できず。」

各地からの報告は、クロエをがっかりさせた。

すでに三日間勇者を見つける為の大捜索が行われていたが、勇者を発見できずにいた。

大捜索は四日目に入っていた。

クロエはアグリル騎士団を率いて海岸線を、捜索していたティアに通信魔法で連絡を取った。

「ティア、そっちはどうですか？」

ティアが通信魔法で、クロエに答えた。

「うーん、アグリル騎士団で手分けして海岸線を捜索してるけど、今のところ収穫は無し。そっちは？」

クロエがティアに、通信魔法で答えた。

「そうですか、こちらも収穫無しです。ティア一旦アグリル騎士団を連れて、こちらに戻ってきてください。」

ティアが通信魔法で、クロエに答えた。

「分かった、すぐに戻るよ。」

クロエは続いてローラーに、通信魔法で連絡を取った。

「ローラーそちらはどうですか？」

ローラーが、クロエに通信魔法で答えた。

「こっちはまだ何も発見できてないよ。クロエそっちはどう？」

クロエが通信魔法で、ローラーに答えた。

「こちらも同じくです。引き続き捜索をお願いします。」

しばらくすると、青い礼服を着た黒髪の少女が空を飛んで戻ってきた。

その少し後を甲冑を装備したたくさんの騎士が、同じく空を飛んで戻ってきた。

戻ってきた黒髪の少女が、クロエに話しかける。

「全然見つけられないね。やっぱりもう国境を越えたんじゃないかな？」

クロエが、黒髪の少女に答えた。

「ティア、国境を超えたのなら、国境警備隊から報告があがるはずです。ですがそのような報告は上がっていません。」

ティアが、クロエに答える。

「クロエ直接話を聞いた方がいいかも。」

クロエがティアに尋ねた。

「えっ？何か引っかかりますか？」

ティアがクロエに答えた。

「うん、少しね。」

クロエ自身も少し気になったので、国境警備隊総隊長オルランドに通信魔法で、話を聞く事にした。