最強勇者の物語2

第３章 逃亡生活

報告

僕達は、オーエンに大声で呼びかける。

「おい！オーエン！起きろ！」

オーエンに何度も呼びかけて、やっとオーエンは目を覚ました。

「あれっ！バルガス兄貴？それにクラークも？俺は一体？？‥‥‥‥‥‥‥‥そうだ！とんでもないお化けが出たんす！」

オーエンは、完全に目を覚ました。

この調子なら、大丈夫だろう。

オーエンはお化け(ベルキンさん)が出た事を訴えた。

するとバルガスが、オーエンを怒鳴りつけた。

「馬鹿野郎！あれだけ地下に降りるなって言われただろう！」

オーエンが涙目で、バルガスに答えた。

「本当にすまないバルガス兄貴、少しでもリリィちゃんの役に立ちたかったんだ。」

バルガスは、はあーとため息をすると、オーエンに言った。

「クラークに迷惑をかけ、騎士達にも迷惑をかけた。帰ったら説教だからな、覚悟しとけ。」

オーエンは、しょんぼりした。

その後、僕達は上へと向かった。

ベルキンは、地下迷宮の入口まで送ってくれた。

僕達はベルキンに礼を言うと、そのままテレイヤ城へと戻った。

僕達はテレイヤ城に戻ると、そのまま騎士の部屋へ向かった。

オーエンはすぐに騎士達に、大目玉を食らった。

バルガスは騎士達に、謝って回っていた。

僕は騎士に、事の成り行きを報告していた。

「すると、統括者殿に会ったのか？」

僕は、騎士に答えた。

「はい、統括者ベルキンさんに会いました。それで地下迷宮の入口まで送ってもらいました。」

騎士が、安堵した様子で答えた。

「そうか、それは良かった。彼らとトラブルにはならなかったようだな。」

僕は、はいと答えた。

騎士達が、オーエンの処罰について議論していた。

どうも魔物の領域に無断で入るのは、本来なら刑罰の対象になるらしい。

ただ今回はイレギュラーが重なった事や、魔物達とのトラブルも起こらなかったので、オーエンへの厳重注意と、減給処分という事で落ち着いた。

さてと問題も解決した訳だし、そろそろ部屋に戻ろう。

バルガスも一通り終えたようだった。

僕はバルガスに、地下迷宮で拾ったブレスレットを預けた。

これはオーエンから本人に、返した方がいいだろうと思ったからだ。

僕はすぐに自分の部屋に戻った。

明日も朝一だからもう寝よう。

僕はベッドに横になった。

すぐに深いまどろみへと落ちていった。

一方その頃、オーエンはようやく騎士達の説教から解放された。

するとバルガスがオーエンを待ち構えていた。

バルガスがオーエンに話しかけた。

「言いたい事は分かってるなオーエン？」

オーエンが神妙な顔で、バルガスに答えた。

「ああ分かってるバルガス兄貴、本当に迷惑をかけちまった。」

バルガスが、オーエンに話しかけた。

「それならいい。騎士達が俺の言いたい事は、言ってくれたからな。」

オーエンが困惑した顔で、バルガスに答えた。

「バルガス兄貴？」

バルガスが、オーエンに尋ねた。

「大体お前は、誰かの為に動いてトラブルを起こす。」

オーエンが、下を向いてバルガスに答えた。

「ああ、いつもバルガス兄貴に迷惑をかけてばかりだ。どうしようもない弟だ。」

バルガスが、オーエンに答える。

「ああ全くだ。だがオーエンお前のそういう所は嫌いじゃないんだよ。」

オーエンが、少し驚いて言った。

「えっ？」

バルガスは、オーエンに答えた。

「誰かの為に生きる、とってもいい事だ。今回はリリィさんの為にやったんだろ。」

オーエンが、バルガスに答える。

「ああ。」

バルガスが、オーエンに答えた。

「その気持ちは大事にしとけ！忘れちゃいけねえ。」

オーエンが少し涙ぐんで、バルガスに答えた。

「バルガス兄貴、すまねえ。」

バルガスがオーエンに答えた。

「だがな、オーエン。何度も言うが、少しだけでいい、行動する前に考えろ。俺達が生きてる人間社会は、しがらみが多くとても面倒なのさ。」

オーエンが、バルガスに答えた。

「ああこれからは考えて行動するよ。リリィちゃんの為にも。」

バルガスが思い出したように、オーエンに言った。

「ああそうだった。これをあの子に渡してやんな。」

バルガスはそう言うと、地下迷宮で拾ったブレスレットをオーエンに渡した。

オーエンが、バルガスに尋ねた。

「バルガス兄貴が、見つけてくれたんですかい？」

バルガスが、オーエンに答える。

「いや見つけたのはクラークだ。明日の朝にでも礼を言っときな。」

オーエンが、バルガスに答えた。

「クラークが拾ってくれたのか。勿論そうするよ。」

バルガスとオーエンも話を終えると、自分の部屋へと帰って行った。