最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

発見

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僕達はベルキンさんに、最奥まで連れて行ってもらう事にした。

この階はとても広い空間になっていた。

ただやはりとても暗くて、全体像は分かりにくかった。

するとベルキンさんは、この階にいる他の魔物に大きな声で指示を出した。

「爆炎の宿りし壺、そしてフレイムチーター、上に向かって炎を吹き出しなさい。」

そして暗闇からいくつもの炎が現れた。

すると周りが、一気に明るくなった。

現れた炎の方を見ると、茶色の大きな取っ手の付いた壺に二つの目が付いており、壺の上部から大きな炎を吹き出していた。

この魔物が、爆炎の宿りし壺だろう。

そしてもう一種類炎を、出していた魔物がいた。

チーターのような体をした獣がおり、全身が炎で覆われていた。

その獣が口から上に向かって大きな炎を、吹き出していた。

この魔物が、フレイムチーターだろう。

この魔物達が、代わる代わる上に炎を吹き出していた。

周囲が明るくなり、ようやく全体像が分かった。

幅が数百メートル以上あり、高さも数十メートルあるとても大きな空間だった。

この空間の至る所に、魔物と思われる生物が動き回っていた。

僕達はベルキンの案内の元、奥へと進んで行った。

奥には地下水が、貯まっている場所があった。

そこは大きな池のようになっていた。

その池の中には、とても大きな黒いタコがいた。

全長が、十メートルを越えるだろう。

僕はベルキンさんに、あのタコについて聞いてみた。

あれはキングオクトパスという、種類の魔物らしい。

そう言えばベルキンに一つ聞いておきたい事があった。

「ベルキンさん、オーエンをわざわざここに連れてきたのはなぜですか?」

ベルキンさんが、答えた。

「あの真っ暗な場所で、寝かしておくのは危ないと判断したからです。トラブルは極力避けたかったので。我々で気絶したオーエン殿を、ここまでお運びしました。」

整理すると、まずオーエンが地下五階まで降りてきた。

そしてすぐにベルキンさんに、遭遇した。

オーエンは、腰抜かして気絶する。

この時に持ってきたランプを、落としたのだろう。

そしてベルキンさん達が、この階までオーエンを運んだって事だな。

それでその後、僕達がやって来てランプを見つけた。

そんな事を考えながら、池沿いを歩いて行った。少し進んだ所でベルキンさんに、ここで待つように言われた。

僕達はそこで、しばらく待機した。

しばらくするとベルキンさんが、オーエンを連れてやって来た。

オーエンの姿を確認し、僕とバルガスは安堵した。

オーエンは、宙を浮きながらやって来た。

僕はバルガスに、話しかけた。

「へえ、オーエンって魔法が使えるんだね。宙に浮きながら移動できるなんて。」

バルガスが、僕に答えた。

「いや、あいつ魔法は使えないはずだ。」

えっ?良く見るとオーエンは、目をつぶっていた。

そしてオーエンの少し後に、大きな頭部だけが彫られた石像が一つ、後ろからついて来ていた。

ベルキンさんが、僕達に説明してくれた。

「オーエン殿がまだ気絶していましたので、この忙しない石像に運ばせました。忙しない石像は、物を浮かせたりするのが得意ですので。」

忙しない石像はオーエンを、ゆっくり地面に降ろすと、また奥の方へと戻って行った。


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