最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

相互不干渉

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ぼくは、唖然としていた。

ベルキンは何て言ったんだ?

人間ではありません??

僕はベルキンに、再度尋ねた。

「人間ではないとは、どういう事ですか?」

ベルキンが、僕に答えてくれた。

「貴殿方人間が、いうところの魔物というやつです。まあ最も私のように人間と会話ができる者は、ほとんどおりませんがね。」

僕はベルキンさんに、再び尋ねた。

「それじゃあ、さっき言われたここの者達ってのは、魔物の事なんですか?それに見た所ベルキンさんは人の姿をされてますが?」

ベルキンは再び、僕に話しかけた。

「はいもちろん魔物の事です。私は朽ち果てし蝋人形という種類になります。今は人間の姿に化けているだけです。何でしたら元の姿に戻りましょうか?かなりおぞましい姿になりますが。」

僕は少し慌てて、ベルキンに返答した。

「いえ、理解はできましたから大丈夫です。」

えっとつまり、ベルキンさんはここの魔物を束ねるトップで、今は人の姿に化けているんだな。

それならこの人が、こんな場所にいるのも納得できた。

ただこの人が魔物という事に、少し恐怖も感じていた。

するとバルガスが、ベルキンに話しかけた。

「そうだ、ベルキンさんオーエンを知らないか?」

バルガスは人の姿をしているとはいえ、魔物と会話する事に、違和感とか恐怖は感じないのかな?

それともこの世界では魔物との会話は、普通の事なのだろうか?

僕はそんな事を考えていると、ベルキンがバルガスに返答をしていた。

「貴殿方が言われるオーエンという方かは分かりませんが、少し前に男性の方が、この迷宮の上層階にいらっしゃいましたよ。」

えっ?

僕はベルキンに、慌てて尋ねた。

「その人は今どこにいますか?」

ベルキンが、僕に答えた。

「この階の最奥に、いらっしゃいます。」

今度はバルガスが、ベルキンに尋ねた。

「オーエンが、ここまで歩いて来たんですかい?」

ベルキンが、バルガスに答えた。

「いえ、我々がここまで運びました。気絶されてしまわれたので。」

今度は僕が、ベルキンに尋ねた。

「気絶ってどういう事ですか?」

ベルキンが僕に答えた。

「私がオーエン殿の所に参った時に、私の姿を見たとたん気絶されてしまいまして。」

僕は続いてベルキンに尋ねた。

「えっと、ベルキンさんはオーエンに、何か用事があったのですか?」

ベルキンが、僕に答えた。

「ええ、ルールを守って早く立ち去って欲しいと、お願いしに行ったのです。」

僕は、更に質問を続けた。

「そのルールというのは?」

ベルキンが、僕に答えた。

「我々は人間の土地に出入りをしない、その代わりに人間達も、魔物の土地へ出入りしないというものです。」

なるほど相互不干渉って事か。人間の領域と魔物の領域が完全に分けて、互いに干渉しないルールって事か。

そこにバルガスが、ベルキンに尋ねた。

「それでなんでオーエンは気絶しちまったんだ?」

ベルキンは、バルガスに答えた。

「恐らくその時はこの姿に化けていませんでしたので。 元の姿だったからだと思います。」

バルガスは、ベルキンに答えた。

「なるほどな。」

先程ベルキンさんが言ってた、おぞましい姿にオーエンは腰を抜かしたんだな。するとあのランプは、腰を抜かした時に落としたって所か。なるほど。僕達は納得した。

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