最強勇者の物語2

しまうま弁当

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第3章 逃亡生活

合流

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僕は宿屋の階段を上がり鍵を使い、207号室に入った。

207号室はかなりの広さだった。

床にはじゅうたんがひかれており、また壁は木目調になっておりゆったりとできる空間になっていた。

大きめのベッドと少し大きめの机と椅子、そして高級そうなソファーが一つ置かれていた。これはなかなかいい部屋だな。

今日はもうヘトヘトだし明日の朝も早いようだから、夕食を食べたらすぐに寝よう。

午後七時を回り、夕食が運ばれてきた。

僕は夕食を美味しく頂くと、食器を外に出して置いた。

食器は扉の外に出しておけば、後で宿屋の人が取りに来てくれるそうだ。

僕は扉に就寝中の札を扉に表示しておいた。

僕はそのままベッドに横になると深い眠りに落ちていった。

午後八時を少し過ぎた所だった。

一方一階のロビーでは二人の男達が宿屋の主人と話していた。

オーエンが宿屋の主人に尋ねていた。

「えっ?じゃあもうクラークは寝ちまったのかい?」

宿屋の主人が答える。

「はい、夕食をお持ちした時に、もうお休みになるという事でしたし、先ほど食器を取りに行った時も就寝中の札が出てましたので。」

オーエンが残念そうに答えた。

「なんだ、せっかくクラークも誘って夜の町に繰り出そうと思ったのに。」

すると横に立っていたバルガスがオーエンに話しかけた。

「おいオーエン!お前また遊びに出かけるつもりか?明日も朝一で出発なんだぞ。」

オーエンがバルガスに答える。

「そうは言っても、せっかくダルカスに来たんだから、少しぐらい楽しみたいんだ。」

するとロビーに新しいお客が数人入ってきた。

その内の一人がオーエンの顔を覗き込んできた。

その人物がオーエンに声をかける。

「あっ!やっぱりそうです。この前はありがとうございました!」

オーエンが振り返ると、一人の女の子が立っていた。

その女の子は質素な身なりで、背丈の小さな黒髪の女の子だった。

年齢は十六ぐらいだろう。オーエンがその子に話しかける。

「あれ?君は確か。」

その子がオーエンに名乗った。

「はい!私はリリィと申します。マルディーヤの喫茶店にいた時に助けて頂ました。本当にありがとうございました。」

オーエンはリリィに慌てて自己紹介をする。

「俺はオーエンっていうんだ、宜しく。」

続いてオーエンはバルガスも紹介した。

「でこっちが、バルガスの兄貴だ。」

バルガスが宜しくとリリィに返答した。

オーエンはリリィに尋ねた。

「なんで君はここに来たんだ?」

リリィがオーエンに答える。

「ロゼーヌに向かっていたんですが、急遽この町に来る事になったんです。」

今度はバルガスが尋ねた。

「そうかリリィさん、じゃあもう騎士団の詰所には行ったのかい?」

リリィが答える。

「はい先程皆さんと行って来ました。明日は予定通り、朝一で出発らしいです。」

バルガスがオーエンに話しかけた。

バルガスがリリィに尋ねた。

「リリィさんも、明日に備えて休むのかい?」

リリィが答えた。

「はい、今日はもう休むつもりです。ですがそれが何か?」

バルガスがリリィに礼を言った。

「いや大した理由は無いんだ、ありがとうリリィさん。」

今度はバルガスがオーエンに尋ねた。

「オーエン、お前はこれから夜の町に繰り出すんだろう?」

リリィが驚いてオーエンに尋ねた。

「えっ?オーエンさん、今から出かけるんですか?」

オーエンがリリィに慌てて返答した。

「いやまさか。俺もすぐに休むつもりだよ。」

リリィがオーエンに答えた。

「そうですよね、じゃあ私はこれで失礼します。」

そう言うとリリィはカウンターで宿泊手続きをすると、そのまま上へと上がって行った。

バルガスがオーエンに話しかける。

「オーエンお前も分かりやすい奴だな。さあ俺達もさっさと休もうぜ。」

オーエンも観念して、ああと答えた。

そして二人も上の階へと上がって行った。

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