最強勇者の物語2

第３章 逃亡生活

宿屋ミルガ

僕達は残り二隻の船倉への積込み作業を終えてようやく、今日の仕事は終了となった。

明日は朝一で騎士団の詰所前に集合との事だった。

空を見上げるともうすぐ日が沈もうとしていた。

さすがに疲れた。

僕は宿屋ミルガに向けて歩き始めた。

この町にも街灯がいくつも設置されており、街灯の灯りが一斉についた。

町の中央に掛かっている橋、ダンケル橋という名前らしい。

橋の長さはおよそ百メートルぐらいだろう。

この橋は他の橋とは違い全て石造りで建築されていた。

石は一面の白で統一されており、とても美しく造られていた。

そしてこの町の橋は特徴的で単一アーチ状になっており橋の両端が低くなっていた。

そして橋の中央部が高くなっており、通る所が階段状になっていた。

これは橋の下を船が通れるようにする為だった。

僕は橋を渡っていく。

すると橋の中央部に人が集まっていた。

皆が西側を見ている。

僕もそれを真似して、橋の上から西側の空を見てみる。そこには絶景が広がっていた。

丁度日が沈む所で、夕焼けが西側の空をオレンジ色に染めていた。

その夕焼けに町並みも溶け込んで、とても幻想的な光景だった。

僕は夕焼けをしっかり堪能して、また僕は宿屋ミルガに向けて歩き始めた。

宿屋ミルガはダルカスの町の南側出入口から少し入った所にあった。

白い石造りの四階建てのかなり新しい建物で、大きさも騎士団の建物と同じくらいの大きさだった。

僕はさっそく中に入った。

一階ロビーはとても広くゆったりとした。

床にはじゅうたんがひかれ内装には木材もたくさん使われており、落ち着いた雰囲気をかもし出していた。

ロビーにはいくつかのテーブルと椅子が置かれていた。

僕はさっそくカウンターへと向かった。

すると宿屋の主人と思われる中年の男性がカウンターにいたので、声をかけた。

「すいません、宿泊したいのですが？騎士団の仕事でダルカスに来ておりまして。」

すると宿屋の主人が応対してくれた。

「はい、伺っております。騎士団のお客様ですね？ではこちらに名前の記入をお願いします。」


宿屋の主人が用紙とペンをカウンターに置いた。

カウンターに置かれた用紙には宿泊者名簿と書かれていた。

僕は宿泊者名簿に名前を記入した。

そして宿屋の主人に渡す。

宿屋の主人が僕に話しかけた。

「ご記入ありがとうございます。料金すでに頂いておりますので、本日のお部屋は207号室になります。ではこれがお部屋の鍵となります。」

そう言うと宿屋の主人は後ろから鍵を取り出した。

僕は宿屋の主人から207号室と書かれた札が付いた鍵を受けとる。

宿屋の主人が続けて話した。

「夕食は午後七時からとなります。時間になりましたらお部屋にお持ちしますので、あと少しお待ち下さい。あと何か御用がございましたら、カウンターまでお申し付け下さい。」

僕はロビーに設置してある大型の置時計を見た。

ちょうど午後六時を指していた。