最強勇者の物語2

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
7 / 265
第3章 逃亡生活

パルゲア大陸

しおりを挟む
年配の男性が教えてくれた。

「まずこの道の先にあるのがソルト村だ。俺らはこの先のソルト村の住民だ。そこまではいいかい?」

年配の男性は僕に聞いてきた。

そして僕は答えた。

「はい、続けてください。」

年配の男性が続けて、教えてくれた。

「このパルゲア大陸には四つの国がある。まず西にレグナス王国、そして南にわがジール公国、それから北にホルムス共和国、そして東にアグトリア法国がある。そしてこの先にあるソルト村はジール公国の中で南西にある村だ。ここからだとレグナスとの国境も近いな。」

パルゲア大陸には四つの国があるのか。

今いるジールは大陸の南にあり、ここはそのジール公国の中でも南西側にある訳か。

僕は更に聞いてみた。

「ジール公国というのが、正式な名称なんですか?」

年配の男性が答えてくれた。

「ああ、だが省略してジールと呼ばれる事も多いがな。」

すると年配の男性が僕をジロリと見たあと、少し考えこんでいるようだった。それから、僕に質問してきた。

「気を悪くせんで欲しいんだが、あんたアグトリアから逃げてきたのかい?」

すると年配の女性が年配の男性に話しかける。

「ちょっとあなた、いくらなんでも失礼よ。」

どうやら隣国からの避難民と間違われたようだ。

ここは話を合わせといた方がいいかな。

僕は年配の男性に答えた。

「ええ言いにくいんですが、その通りです。」

年配の男性が答えた。

「やはり、そうか。いや責めるつもりは無いんじゃが。それならこのソルト村の北にマルディーヤという町がある。そこに行ってみるのはどうだ?」

僕は男性に聞き返す。

「そのマルディーヤの町には何かあるんですか?」

男性が答える。

「マルディーヤの町の北側にアグトリアから逃げて来た人達の為の避難村が設営されてるんだ。そこならば、仕事の斡旋とかもして貰えるらしい。」

確かにそこに紛れ込むのはいい手かもしれない。

早速行き方を男性に聞いてみる。

「そのマルディーヤの町にはどうやったら行けますか?」

男性が指を指しながら教えてくれた。

「この道をまっすぐに行くとソルト村が見える。ほらその手前に一本道があるだろう。あそこを左に曲がってあとはひたすらまっすぐに進むんだ。ロダウ川を越えて少し進むとマルディーヤの町に着く。」

僕は立ち上がると二人に礼を言った。

「色々教えて頂いた上に、ご飯までご馳走になり本当にありがとうございました。これで失礼します。」

僕は二人に会釈をすると再び歩き始めた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります

真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」 婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。  そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。  脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。  王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。

婚約破棄からの断罪カウンター

F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。 理論ではなく力押しのカウンター攻撃 効果は抜群か…? (すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...