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第3章 逃亡生活
国境警備隊
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すでに真っ暗な中を走り続ける。
東に向かっているつもりだが、何せ真っ暗な中を目印になるものもなく走っている。
だが止まる訳にも行かない。
少し不安を覚えながらも進んで行くと、真っ暗闇の中に明るく照らされている場所を見つけた。
離れて様子を伺っていると、魔導師と思われる黒いローブと帽子を被った者達が数組に分かれて捜索を行っているようだった。
逃亡したという知らせが伝わったのだろうか?
僕は話し声を聞き取ろうを耳を澄ます。
「駄目だな、全然見当たらない。」
他の魔導師が答えた。
「こっちもだ、次はもう少し向こう側を探すか。」
もう一人がそう言い終わると魔導師達は明かりを消した後、飛行魔法で空を飛んでその場から離れていった。
もしかして僕を探しているのか?僕は引き続き様子を伺った。すると今度は魔導師達が飛んで行った方向とは、別の方角から明かりが近づいてきた。
魔導師達が探していた所より少し奥の所まで来ると、そこで明かりは止まった。
目を凝らして見ると、甲冑を着けた数人の騎士達が馬から降りて、ランタンで照らしているようだった。
僕は再び耳をすましてみた。
騎士が他の騎士に話しかける。
「うーん、ここにもいないみたいだな。」
他の騎士が答える。
「ああ、ここにもいないという事はレグナス側に行ったかもな。」
更に他の騎士が続ける。
「ああ全くこれで何度目だ。あいつときたら!」
そう言い放つと元来た方角へ騎士達は戻っていった。
辺りが再び真っ暗闇に戻る。
先程の騎士達の話からすると、どうやら僕を追ってるようでは無さそうだ。
それにレグナス側と言ってたから、さっき騎士達が戻っていった方角が隣国のジールというわけか。
という事はここが国境という事か。そうするとさっきの彼らは国境警備隊という訳だな。
さてと国境が分かったのはいいんだけど、そのまま越えてしまって大丈夫か?
国境なのに壁すら無いのが気になる。先程照明で照らされた時、壁のような物は見当たらなかった。
となると罠でも仕掛けてあるんじゃないか?
そんな事を考えており、僕は後ろから近づく気配に気付くのが遅れた。
後ろに何かいる。とっさに僕は後ろを振り返った。
そこには真っ暗なので、分かりにくかったが、馬が一匹いた。
「えっ?馬?」
なんでこんな所に馬がいるんだ?
馬はヒーンと小さな声で鳴いた。
でもこの馬は使えるかもしれない。
東に向かっているつもりだが、何せ真っ暗な中を目印になるものもなく走っている。
だが止まる訳にも行かない。
少し不安を覚えながらも進んで行くと、真っ暗闇の中に明るく照らされている場所を見つけた。
離れて様子を伺っていると、魔導師と思われる黒いローブと帽子を被った者達が数組に分かれて捜索を行っているようだった。
逃亡したという知らせが伝わったのだろうか?
僕は話し声を聞き取ろうを耳を澄ます。
「駄目だな、全然見当たらない。」
他の魔導師が答えた。
「こっちもだ、次はもう少し向こう側を探すか。」
もう一人がそう言い終わると魔導師達は明かりを消した後、飛行魔法で空を飛んでその場から離れていった。
もしかして僕を探しているのか?僕は引き続き様子を伺った。すると今度は魔導師達が飛んで行った方向とは、別の方角から明かりが近づいてきた。
魔導師達が探していた所より少し奥の所まで来ると、そこで明かりは止まった。
目を凝らして見ると、甲冑を着けた数人の騎士達が馬から降りて、ランタンで照らしているようだった。
僕は再び耳をすましてみた。
騎士が他の騎士に話しかける。
「うーん、ここにもいないみたいだな。」
他の騎士が答える。
「ああ、ここにもいないという事はレグナス側に行ったかもな。」
更に他の騎士が続ける。
「ああ全くこれで何度目だ。あいつときたら!」
そう言い放つと元来た方角へ騎士達は戻っていった。
辺りが再び真っ暗闇に戻る。
先程の騎士達の話からすると、どうやら僕を追ってるようでは無さそうだ。
それにレグナス側と言ってたから、さっき騎士達が戻っていった方角が隣国のジールというわけか。
という事はここが国境という事か。そうするとさっきの彼らは国境警備隊という訳だな。
さてと国境が分かったのはいいんだけど、そのまま越えてしまって大丈夫か?
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そんな事を考えており、僕は後ろから近づく気配に気付くのが遅れた。
後ろに何かいる。とっさに僕は後ろを振り返った。
そこには真っ暗なので、分かりにくかったが、馬が一匹いた。
「えっ?馬?」
なんでこんな所に馬がいるんだ?
馬はヒーンと小さな声で鳴いた。
でもこの馬は使えるかもしれない。
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