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一章
来訪者
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一方の理沙は桃子を追いかけていた。
少しして理沙は桃子に追いついていた。
理沙が桃子に声をかけた。
「桃子待って!!」
桃子がふくれた顔で理沙に言った。
「何?理沙も何か文句があるわけ?」
理沙が桃子に言った。
「待って、私は桃子と一緒に行きたいと思ってる??桃子と一緒に行っていいかな?」
桃子が理沙に言った。
「理沙は私を信じてくれるの??」
理沙が桃子に言った。
「そういうわけではないんだけど。」
桃子が理沙に言った。
「だったら由衣達と一緒にさっきの店で待ってれば良かったでしょ!!ひねくれた私になんてつきあわなくていいわよ!!」
理沙が桃子に言った。
「ううん、私は桃子と一緒に行きたいの。桃子は私の事を心配してくれて言ってくれてるし。ありがとね桃子私の事を心配してくれて。」
すると桃子は恥ずかしそうな顔をしながら理沙に言った。
「そ、そんなの当然でしょ。理沙は大事な友達なんだから。」
理沙が桃子に言った。
「桃子??改めて一緒に行っていいかな?」
すると桃子は嬉しそうに理沙に言った。
「ええもちろんいいわ。一緒に行きましょう理沙。」
こうして桃子と理沙は二人で目的地に向かう事になった。
桃子が理沙に言った。
「由衣(ゆい)達も一緒に来てくれればいいのに。そんなにクレームを言いにいくのが嫌なのかしら?」
理沙が桃子に言った。
「もしかして音ゲーのプリジェクトセカイをプレイしたかったっていうのもあるんじゃないかな?昨日由衣がFC(フルコンボ)がとれないって言ってたから。さっきのお店だったら電源の心配はいらないだろうし。」
桃子が理沙に言った。
「そうか、それで行くのを渋ってたのね。」
桃子が理沙に尋ねた。
「それで?本当に九前坂(くぜんざか)神社にその自称霊媒師は住んでるの?」
理沙が桃子に言った。
「うん、そうらしいよ。九前坂(くぜんざか)二実(つぐみ)っていう名前の人で九前坂神社で巫女をしてるらしいんだけど。」
桃子が理沙に言った。
「そんなのデタラメなんじゃないの?九前坂神社の人なら理沙からお金をだまし取って雲隠れしたりしないでしょ?きっと九前坂神社の人にはそんな人いないって言われるわよ!!」
理沙が桃子に言った。
「そんな嘘をつくような悪い人には見えなかったけど?」
桃子が理沙に言った。
「詐欺師っていうのは善人を装うのがうまいのよ。見かけに騙されてはダメよ。」
理沙が桃子に尋ねた。
「そうなのかな?」
桃子が理沙に言った。
「そうに決まってるわ。由衣も理沙もお人よし過ぎるわ。いい理沙??そんなんじゃこの先ずっと詐欺師共にカモら」
すると話している途中の桃子が突然理沙の方に倒れ込んできた。
この時理沙と桃子は住宅街の中を通る道路を横に並んで話しながら前に進んでした。
すると理沙の隣で話をしている桃子が突然理沙の方に倒れ込んできたのだ。
それを見た理沙は慌てて倒れそうになった桃子を両手で支えたのだった。
桃子は何の反応も示さずにそのまま理沙にもたれかかったのだった。
理沙が力いっぱいで桃子の体を支えたのだった。
すると桃子が寄りかかっている理沙が気にしない様子で話を続けたのだった。
「れ続ける事になるわよ。そんなの絶対に嫌でしょう。」
理沙が桃子に尋ねた。
「どうしたの?桃子??」
すると桃子はすぐに足を踏ん張って完全に姿勢を戻して理沙の方に向き直したのだった。
だが桃子は理沙が尋ねた言葉の意味が分からない様子で逆に理沙に聞き返すのだった。
「えっ??理沙??どうしたのって??何が??」
理沙が桃子に言った。
「突然倒れ込んできたけど?大丈夫??桃子??」
桃子は全く覚えてない様子で理沙に聞き返した。
「えっ??倒れ込んだって?誰が??」
理沙が桃子に言った。
「桃子が突然倒れそうになってたよ?」
桃子が理沙に尋ねた。
「えっ??倒れそうになってたの??私??」
理沙が桃子に言った。
「うんたった今、何かにつまづいて転びそうになってたよ。」
桃子が困惑した顔で理沙に言った。
「そうなの??ふーん??まあいいじゃない、そんな事は。それよりはやく行きましょう。」
理沙が桃子に言った。
「うん。」
理沙は釈然としなかったがそれ以上の倒れた事を追求せずに桃子の言うとおり先を急いだのだった。
桃子は気が付かなかったが理沙の言う通り桃子は確かに何かにつまづいて理沙に倒れかかっていた。
しかも桃子は石とかにつまずいて転んだのではなかった。
道端で死んでいた中年の男性の亡骸に足を取られたのだった。
道端にはずんぐりとした50歳前後のスーツ姿の男性の亡骸が転がっており、それが片づけられる事もなく放置されていたのだった。
遺体はすでに腐敗が始まっており、死臭もひどいものだった。
桃子はそのずんぐりとしたスーツ姿の男性の亡骸につまづいてしまったのだった。
桃子も理沙もそのスーツ姿の男性の亡骸が間違いなく視界には入っていたが、50歳前後のスーツ姿の男性の遺体を全く気にする様子もなく先に進んだのだった。
そして理沙達は九前坂(くぜんざか)神社へと到着した。
理沙と桃子は九前坂神社の境内の中にある社務所の出入り口前までやってきた。
桃子が大きな声で叫んだ。
「すいません!!どなたかいらっしゃいませんか?」
すると中から女性の声が響いてきたのだった。
「はーい??どちらさまですか?」
すると社務所の扉が開いて中から長い黒髪のスタイルの良い女性が出てきたのだった。
その女性は二実(つぐみ)であった。
二実は理沙と桃子の顔を見ると理沙に話しかけた。
「えっと??確か、青木(あおき)理沙(りさ)さんでしたね??こんにちわ。」
二実の挨拶に理沙が答えた。
「はい青木(あおき)理沙(りさ)です。二実(つぐみ)さんこんにちは。」
すると奥から別の女性の声が響いてきた。
「二実??誰か来てるの??」
二実は奥に向かって声をかけた。
「ええお客さんが来てるわ。」
すると奥から三緒が姿を現したのだった。
「お客さん??」
二実が三緒に言った。
「うん、私に依頼を出してくれてる青木(あおき)理沙(りさ)さんよ。」
理沙が三緒に挨拶をした。
「どうも初めまして青木(あおき)理沙(りさ)です。」
三緒が理沙に返事をした。
「どうも九良平(くらひら)三緒(みお)です。」
すると二実が三緒に言った。
「ほらベリエを見に行った時に依頼者に断りをいれたって言ったでしょ?あの時の依頼者っていうのが青木さんなの。」
三緒が思い出したように二実に言った。
「ああ!あの時二実が言ってた依頼者ってこの子達だったんだね。」
二実が申し訳なさそうに理沙に言った。
「私が無理を言ってスケジュールをずらしてもらってそれっきりになってましたよね。青木さん本当にごめんなさい。」
理沙が二実に言った。
「いえ全然大丈夫です。」
すると桃子が二実に尋ねた。
「えっと??一つ尋ねたいんいいですか?」
二実が桃子に聞き返した。
「いいですよ?何ですか??」
桃子が二実に尋ねた。
「理沙が依頼した霊媒師ってあなたなんですか?」
二実は桃子に言った。
「はい、そうですけど。」
桃子が二実に尋ねた。
「あなたこの神社の人なの?」
二実が桃子に言った。
「はい、この九前坂神社の神主の二彦(つぎひこ)は私の父です。私自身もここで巫女として働いてますけど??」
桃子が驚いた顔で言った。
「うそ??この神社の関係者って本当だったの。」
理沙が桃子に言った。
「別に騙されてなかったよ。やっぱり桃子の考えすぎだったんじゃないかな。」
桃子が理沙に言った。
「いやまだ分かんないわ。相手がこの神社の人間だからってイコール騙されてないって事にはならないわ。」
すると理沙が二実に尋ねた。
「二実さんで良かったですか??」
二実が理沙に言った。
「はい。」
桃子が二実に言った。
「ちゃんと理沙から前金で依頼料を受け取ってるんですよね??だったら理沙の依頼をちゃんやらなくちゃいけないと思うんですけど。プロの霊媒師ならその辺ちゃんとやるもんじゃないんですか?」
理沙が桃子に言った。
「桃子?きっと事情があったんだよ。私も了解してるし。ねっ?」
桃子が理沙に言った。
「だめよ、大金を払ってるんでしょ?」
理沙が桃子に言った。
「でもそのお金は私じゃなくてお母さんが出してくれたお金だし。」
桃子が理沙に言った。
「この人に大金払ってる事に違いはないでしょ?」
すると二実が申し訳なさそうに理沙に言った。
「いや確かに桃子さんの言う通りよ。ゴタゴタしてて対応が遅くなってしまったのは本当にごめんなさい。」
理沙が二実に言った。
「二実さん、大丈夫ですからお気になさらないでください。」
すると二実が理沙に尋ねた。
「えっと??確か依頼内容は理沙さんご自身の除霊と学校で起こっている怪奇現象の調査でしたよね?」
理沙が二実に言った。
「はい。そうです。」
二実が理沙に尋ねた。
「それじゃあさっそくなんですけど、詳しい話を聞かせてもらえますか?」
理沙と桃子は学校での怪奇現象や男の子の幽霊などについて二実と三緒に詳しく話したのだった。
一通り聞き終わった二実と三緒は難しい顔をしていた。
「うーん?」
二実が理沙に尋ねた。
「確認したいんですけど、青木さんが通ってる高校って明井田(あけいだ)高校(こうこう)でしたよね?」
理沙が二実に言った。
「ええ、そうです。私たちは明井田高校2年生です。」
三緒が二実に尋ねた。
「ねえこの話ってまさか?」
二実が三緒に言った。
「うん、ほぼ間違いないと思うわ。」
理沙が二実に尋ねた。
「なんの話ですか?」
二実が理沙に言った。
「あっ、ごめんねこっちの話。」
すると桃子が二実に言った。
「そういう訳だから二実さん??さっさと理沙のお祓いと学校の調査をお願いします。」
すると三緒が二実に尋ねた。
「ねえ二実??そもそも除霊なんてできるのかな??」
二実が三緒に言った。
「できるかできないかって聞かれても分からないとしか答えようがないわ。あんな異質な存在の祓い方なんて皆目見当もつかないわ。」
三緒が二実に言った。
「だよね。」
すると理沙は戸惑った様子で二実に言った。
「えっ??無理なんですか?」
桃子も二実に言った。
「ちょっとあなた専門家なんでしょ??なんとかできるんじゃないの?」
二実が二人に言った。
「霊媒師としては私もそれなりに自信を持ってるんだけど。さすがにあれは私でもどうにもできないわ。」
桃子が二実に言った。
「ちょっと前金で貰っといてできないって言うの??それじゃあ詐欺でしょ?」
二実が二人に言った。
「うーん、確かにそうだね。それじゃあ依頼料を返すわ。お金を取ってくるからちょっと待っててね。青木さん。」
理沙が二実に言った。
「あっ??私に返してもらっても困ります。母が払ってくれたお金なんです。」
桃子が理沙に言った。
「いいじゃない理沙。返してもらえば、返すって言ってるんだから。」
理沙が二実に言った。
「二実さん??力を貸してもらう事はできないんですか?是非二実さんに力になってもらいたかったんですけど?」
二実は困ったように考え込んでしまった。
「うーん??」
二実はしばらく考え込んでいた。
そして何かを思いついたようにこう理沙に言った。
「分かった。青木さん!!それなら明日の夕方に九木礼の封木神社に来てくれないかな?」
理沙は訳が分からない様子で二実に尋ねた。
「えっ??どういう事ですか?」
二実が理沙に言った。
「実は今日もかなり立て込んでて、この後すぐに出かけなくちゃならないの。」
理沙が二実に言った。
「そうなんですか?」
二実が理沙に言った。
「明日の夕方なら何とか空けられそうだから。」
理沙が二実に尋ねた。
「九木礼の封木(ふうき)神社に来てほしいっていうのは??ここじゃないんですか?」
二実が理沙に言った。
「実はさ九木礼に引っ越すのよ。」
理沙が二実に尋ねた。
「九木礼にですか?」
二実が理沙に言った。
「うん、新しく神社を任される事になったの。」
理沙が二実に言った。
「そうなんですか?おめでとうございます。」
二実が理沙に言った。
「だからこっちの神社にはあんまり戻れなくなるのよ。」
理沙が二実に言った。
「分かりました。それじゃあ明日の夕方に九木礼の封木神社に伺わせて頂きます。」
すると桃子が理沙に言った。
「理沙ちょっと待ちなさい。」
理沙が桃子に言った。
「えっ??」
桃子が二実に言った。
「二回もそっちの都合でキャンセルするっていうのにまた理沙に足を運ばせるつもりなの?そっち都合で引き延ばすっていうのなら二実さんあなたの方が理沙の所に来るのが筋なんじゃないんですか?」
すると理沙が慌てて桃子に言った。
「いいよ、桃子。私は気にしないから。」
理沙が慌てた様子で二実に言った。
「では二実さん明日の夕方に九木礼の封木神社に伺わせてもらいますね。」
二実が理沙に言った。
「何度もごめんなさいね、青木さん。」
桃子が理沙に言った。
「まったく理沙はお人よしなんだから。理沙の所に来させるべきでしょう。」
すると理沙は話題を変えようと二実に尋ねた。
「あの?そういえばなんで今日は神社の境内に人がいないですか?」
二実が少し返答に困った様子で理沙に答えた。
「えっ??ああ今日は臨時休業になのよ。」
理沙は不思議そうに二実に言った。
「神社にも臨時休業とかってあるんですね。」
二実が理沙に言った。
「うん、かなり珍しいことではあるんだけどね。」
二実が理沙に言った。
「あっ?そうだ青木さん、気休めにしかならないかもしれなけど。これを持って行って?」
二実はそう言うと理沙にある物を渡した。
理沙は二実からもらったものを確認した。
「これはお守りですか?」
二実は理沙に九前坂(くぜんざか)神社のお守りを4つ渡したのだった。
「うんこの神社のお守りよ、こんな物でもないよりはいいと思うから。」
理沙が二実に言った。
「ありがとうございます。それじゃあ失礼します。」
そう言うと理沙と桃子は社務所の外に出て行った。
社務所の外から声が響いていた。
「もう、理沙はお人よしすぎるわ。ああいう場合は来させないとダメよ?」
「まあまあいいじゃない桃子。明日は日曜日で高校も休みだし。」
「貴重な休日を自分勝手な霊媒師のために使うなんて私にはできないわ。」
二人の声がどんどん小さくなっていき聞こえなくなった。
すると黙っていた三緒が二実に尋ねた。
「良かったの?二実??青木さん達をそのまま帰らせちゃって?」
二実が三緒に言った。
「三緒にしては物騒な言い回しね。青木さん達を捕まえて監禁しろとでも言いたいわけ?」
三緒が二実に言った。
「そうじゃないけど。だってさっきの青木さん達の話って?」
二実が三緒に言った。
「うんベリエの店長さんから聞いた話とそっくりね。」
三緒が二実に言った。
「だよね、だったら青木さん達が危ないんじゃないの?」
二実が三緒に言った。
「かなり危険だと思うわ。青木さん達の近くに三象(さんしょう)がいるのかもしれないわね。」
三緒が二実に言った。
「それじゃあ帰しちゃダメじゃない。青木さん達が首を吊らされて殺されてしまうわよ。」
二実が三緒に言った。
「三緒??明井田の人々の意識が操られているのを忘れたの?いくら明井田が危険だと説明しても納得してもらうのはほぼ不可能なのよ。方法としては別の理由で九木礼に誘導するしかないでしょ。」
三緒が二実に言った。
「それで九木礼の封木神社に来てって言ってたのね。」
二実が三緒に言った。
「そう、説得するにしてもとにかく九木礼まで来てもらわないと説得のしようがないしね。」
二実が三緒に言った。
「三緒が昨日言ってた通り私たち自身もかなり危ない橋を渡ってるのよ。まず健太君のご両親を説得しにいくのが最優先なわけだし、今の私たちには同時に二つの問題を抱え込めるほどの余裕はないわ。青木さん達の事は健太君のご両親への説得が終わってからでないと対応できないわ。」
三緒が二実に言った。
「うん、そうだね。分かった。」
すると二実の後ろから声が響いてきた。
「二実さん?」
二実と三緒が後ろを振り返ると晴南がいたのだった。
二実が晴南に言った。
「あっ??ごめん晴南ちゃん。起こしちゃった。」
晴南が二実に言った。
「いえちょうど起きてたから大丈夫です。ところで誰かと話してたんですか?」
二実が晴南に言った。
「実はさっきまでお客さんが来てたんだけど、今帰ったところよ。」
二実が晴南に尋ねた。
「それで晴南ちゃん?よく寝れた??」
晴南が二実に言った。
「はい、ばっちりです。」
それから少しして他のメンバーも仮眠から起きだしてきたのだった。
そして社務所の入り口の所に集まってきたのだった。
すると二実がみんなに言った。
「それじゃあみんな?辺りが暗くなったらすぐに移動を始めるからいつでも出発できるように準備をしといてね。」
晴南達が二実に言った。
「分かりました。」
少しして理沙は桃子に追いついていた。
理沙が桃子に声をかけた。
「桃子待って!!」
桃子がふくれた顔で理沙に言った。
「何?理沙も何か文句があるわけ?」
理沙が桃子に言った。
「待って、私は桃子と一緒に行きたいと思ってる??桃子と一緒に行っていいかな?」
桃子が理沙に言った。
「理沙は私を信じてくれるの??」
理沙が桃子に言った。
「そういうわけではないんだけど。」
桃子が理沙に言った。
「だったら由衣達と一緒にさっきの店で待ってれば良かったでしょ!!ひねくれた私になんてつきあわなくていいわよ!!」
理沙が桃子に言った。
「ううん、私は桃子と一緒に行きたいの。桃子は私の事を心配してくれて言ってくれてるし。ありがとね桃子私の事を心配してくれて。」
すると桃子は恥ずかしそうな顔をしながら理沙に言った。
「そ、そんなの当然でしょ。理沙は大事な友達なんだから。」
理沙が桃子に言った。
「桃子??改めて一緒に行っていいかな?」
すると桃子は嬉しそうに理沙に言った。
「ええもちろんいいわ。一緒に行きましょう理沙。」
こうして桃子と理沙は二人で目的地に向かう事になった。
桃子が理沙に言った。
「由衣(ゆい)達も一緒に来てくれればいいのに。そんなにクレームを言いにいくのが嫌なのかしら?」
理沙が桃子に言った。
「もしかして音ゲーのプリジェクトセカイをプレイしたかったっていうのもあるんじゃないかな?昨日由衣がFC(フルコンボ)がとれないって言ってたから。さっきのお店だったら電源の心配はいらないだろうし。」
桃子が理沙に言った。
「そうか、それで行くのを渋ってたのね。」
桃子が理沙に尋ねた。
「それで?本当に九前坂(くぜんざか)神社にその自称霊媒師は住んでるの?」
理沙が桃子に言った。
「うん、そうらしいよ。九前坂(くぜんざか)二実(つぐみ)っていう名前の人で九前坂神社で巫女をしてるらしいんだけど。」
桃子が理沙に言った。
「そんなのデタラメなんじゃないの?九前坂神社の人なら理沙からお金をだまし取って雲隠れしたりしないでしょ?きっと九前坂神社の人にはそんな人いないって言われるわよ!!」
理沙が桃子に言った。
「そんな嘘をつくような悪い人には見えなかったけど?」
桃子が理沙に言った。
「詐欺師っていうのは善人を装うのがうまいのよ。見かけに騙されてはダメよ。」
理沙が桃子に尋ねた。
「そうなのかな?」
桃子が理沙に言った。
「そうに決まってるわ。由衣も理沙もお人よし過ぎるわ。いい理沙??そんなんじゃこの先ずっと詐欺師共にカモら」
すると話している途中の桃子が突然理沙の方に倒れ込んできた。
この時理沙と桃子は住宅街の中を通る道路を横に並んで話しながら前に進んでした。
すると理沙の隣で話をしている桃子が突然理沙の方に倒れ込んできたのだ。
それを見た理沙は慌てて倒れそうになった桃子を両手で支えたのだった。
桃子は何の反応も示さずにそのまま理沙にもたれかかったのだった。
理沙が力いっぱいで桃子の体を支えたのだった。
すると桃子が寄りかかっている理沙が気にしない様子で話を続けたのだった。
「れ続ける事になるわよ。そんなの絶対に嫌でしょう。」
理沙が桃子に尋ねた。
「どうしたの?桃子??」
すると桃子はすぐに足を踏ん張って完全に姿勢を戻して理沙の方に向き直したのだった。
だが桃子は理沙が尋ねた言葉の意味が分からない様子で逆に理沙に聞き返すのだった。
「えっ??理沙??どうしたのって??何が??」
理沙が桃子に言った。
「突然倒れ込んできたけど?大丈夫??桃子??」
桃子は全く覚えてない様子で理沙に聞き返した。
「えっ??倒れ込んだって?誰が??」
理沙が桃子に言った。
「桃子が突然倒れそうになってたよ?」
桃子が理沙に尋ねた。
「えっ??倒れそうになってたの??私??」
理沙が桃子に言った。
「うんたった今、何かにつまづいて転びそうになってたよ。」
桃子が困惑した顔で理沙に言った。
「そうなの??ふーん??まあいいじゃない、そんな事は。それよりはやく行きましょう。」
理沙が桃子に言った。
「うん。」
理沙は釈然としなかったがそれ以上の倒れた事を追求せずに桃子の言うとおり先を急いだのだった。
桃子は気が付かなかったが理沙の言う通り桃子は確かに何かにつまづいて理沙に倒れかかっていた。
しかも桃子は石とかにつまずいて転んだのではなかった。
道端で死んでいた中年の男性の亡骸に足を取られたのだった。
道端にはずんぐりとした50歳前後のスーツ姿の男性の亡骸が転がっており、それが片づけられる事もなく放置されていたのだった。
遺体はすでに腐敗が始まっており、死臭もひどいものだった。
桃子はそのずんぐりとしたスーツ姿の男性の亡骸につまづいてしまったのだった。
桃子も理沙もそのスーツ姿の男性の亡骸が間違いなく視界には入っていたが、50歳前後のスーツ姿の男性の遺体を全く気にする様子もなく先に進んだのだった。
そして理沙達は九前坂(くぜんざか)神社へと到着した。
理沙と桃子は九前坂神社の境内の中にある社務所の出入り口前までやってきた。
桃子が大きな声で叫んだ。
「すいません!!どなたかいらっしゃいませんか?」
すると中から女性の声が響いてきたのだった。
「はーい??どちらさまですか?」
すると社務所の扉が開いて中から長い黒髪のスタイルの良い女性が出てきたのだった。
その女性は二実(つぐみ)であった。
二実は理沙と桃子の顔を見ると理沙に話しかけた。
「えっと??確か、青木(あおき)理沙(りさ)さんでしたね??こんにちわ。」
二実の挨拶に理沙が答えた。
「はい青木(あおき)理沙(りさ)です。二実(つぐみ)さんこんにちは。」
すると奥から別の女性の声が響いてきた。
「二実??誰か来てるの??」
二実は奥に向かって声をかけた。
「ええお客さんが来てるわ。」
すると奥から三緒が姿を現したのだった。
「お客さん??」
二実が三緒に言った。
「うん、私に依頼を出してくれてる青木(あおき)理沙(りさ)さんよ。」
理沙が三緒に挨拶をした。
「どうも初めまして青木(あおき)理沙(りさ)です。」
三緒が理沙に返事をした。
「どうも九良平(くらひら)三緒(みお)です。」
すると二実が三緒に言った。
「ほらベリエを見に行った時に依頼者に断りをいれたって言ったでしょ?あの時の依頼者っていうのが青木さんなの。」
三緒が思い出したように二実に言った。
「ああ!あの時二実が言ってた依頼者ってこの子達だったんだね。」
二実が申し訳なさそうに理沙に言った。
「私が無理を言ってスケジュールをずらしてもらってそれっきりになってましたよね。青木さん本当にごめんなさい。」
理沙が二実に言った。
「いえ全然大丈夫です。」
すると桃子が二実に尋ねた。
「えっと??一つ尋ねたいんいいですか?」
二実が桃子に聞き返した。
「いいですよ?何ですか??」
桃子が二実に尋ねた。
「理沙が依頼した霊媒師ってあなたなんですか?」
二実は桃子に言った。
「はい、そうですけど。」
桃子が二実に尋ねた。
「あなたこの神社の人なの?」
二実が桃子に言った。
「はい、この九前坂神社の神主の二彦(つぎひこ)は私の父です。私自身もここで巫女として働いてますけど??」
桃子が驚いた顔で言った。
「うそ??この神社の関係者って本当だったの。」
理沙が桃子に言った。
「別に騙されてなかったよ。やっぱり桃子の考えすぎだったんじゃないかな。」
桃子が理沙に言った。
「いやまだ分かんないわ。相手がこの神社の人間だからってイコール騙されてないって事にはならないわ。」
すると理沙が二実に尋ねた。
「二実さんで良かったですか??」
二実が理沙に言った。
「はい。」
桃子が二実に言った。
「ちゃんと理沙から前金で依頼料を受け取ってるんですよね??だったら理沙の依頼をちゃんやらなくちゃいけないと思うんですけど。プロの霊媒師ならその辺ちゃんとやるもんじゃないんですか?」
理沙が桃子に言った。
「桃子?きっと事情があったんだよ。私も了解してるし。ねっ?」
桃子が理沙に言った。
「だめよ、大金を払ってるんでしょ?」
理沙が桃子に言った。
「でもそのお金は私じゃなくてお母さんが出してくれたお金だし。」
桃子が理沙に言った。
「この人に大金払ってる事に違いはないでしょ?」
すると二実が申し訳なさそうに理沙に言った。
「いや確かに桃子さんの言う通りよ。ゴタゴタしてて対応が遅くなってしまったのは本当にごめんなさい。」
理沙が二実に言った。
「二実さん、大丈夫ですからお気になさらないでください。」
すると二実が理沙に尋ねた。
「えっと??確か依頼内容は理沙さんご自身の除霊と学校で起こっている怪奇現象の調査でしたよね?」
理沙が二実に言った。
「はい。そうです。」
二実が理沙に尋ねた。
「それじゃあさっそくなんですけど、詳しい話を聞かせてもらえますか?」
理沙と桃子は学校での怪奇現象や男の子の幽霊などについて二実と三緒に詳しく話したのだった。
一通り聞き終わった二実と三緒は難しい顔をしていた。
「うーん?」
二実が理沙に尋ねた。
「確認したいんですけど、青木さんが通ってる高校って明井田(あけいだ)高校(こうこう)でしたよね?」
理沙が二実に言った。
「ええ、そうです。私たちは明井田高校2年生です。」
三緒が二実に尋ねた。
「ねえこの話ってまさか?」
二実が三緒に言った。
「うん、ほぼ間違いないと思うわ。」
理沙が二実に尋ねた。
「なんの話ですか?」
二実が理沙に言った。
「あっ、ごめんねこっちの話。」
すると桃子が二実に言った。
「そういう訳だから二実さん??さっさと理沙のお祓いと学校の調査をお願いします。」
すると三緒が二実に尋ねた。
「ねえ二実??そもそも除霊なんてできるのかな??」
二実が三緒に言った。
「できるかできないかって聞かれても分からないとしか答えようがないわ。あんな異質な存在の祓い方なんて皆目見当もつかないわ。」
三緒が二実に言った。
「だよね。」
すると理沙は戸惑った様子で二実に言った。
「えっ??無理なんですか?」
桃子も二実に言った。
「ちょっとあなた専門家なんでしょ??なんとかできるんじゃないの?」
二実が二人に言った。
「霊媒師としては私もそれなりに自信を持ってるんだけど。さすがにあれは私でもどうにもできないわ。」
桃子が二実に言った。
「ちょっと前金で貰っといてできないって言うの??それじゃあ詐欺でしょ?」
二実が二人に言った。
「うーん、確かにそうだね。それじゃあ依頼料を返すわ。お金を取ってくるからちょっと待っててね。青木さん。」
理沙が二実に言った。
「あっ??私に返してもらっても困ります。母が払ってくれたお金なんです。」
桃子が理沙に言った。
「いいじゃない理沙。返してもらえば、返すって言ってるんだから。」
理沙が二実に言った。
「二実さん??力を貸してもらう事はできないんですか?是非二実さんに力になってもらいたかったんですけど?」
二実は困ったように考え込んでしまった。
「うーん??」
二実はしばらく考え込んでいた。
そして何かを思いついたようにこう理沙に言った。
「分かった。青木さん!!それなら明日の夕方に九木礼の封木神社に来てくれないかな?」
理沙は訳が分からない様子で二実に尋ねた。
「えっ??どういう事ですか?」
二実が理沙に言った。
「実は今日もかなり立て込んでて、この後すぐに出かけなくちゃならないの。」
理沙が二実に言った。
「そうなんですか?」
二実が理沙に言った。
「明日の夕方なら何とか空けられそうだから。」
理沙が二実に尋ねた。
「九木礼の封木(ふうき)神社に来てほしいっていうのは??ここじゃないんですか?」
二実が理沙に言った。
「実はさ九木礼に引っ越すのよ。」
理沙が二実に尋ねた。
「九木礼にですか?」
二実が理沙に言った。
「うん、新しく神社を任される事になったの。」
理沙が二実に言った。
「そうなんですか?おめでとうございます。」
二実が理沙に言った。
「だからこっちの神社にはあんまり戻れなくなるのよ。」
理沙が二実に言った。
「分かりました。それじゃあ明日の夕方に九木礼の封木神社に伺わせて頂きます。」
すると桃子が理沙に言った。
「理沙ちょっと待ちなさい。」
理沙が桃子に言った。
「えっ??」
桃子が二実に言った。
「二回もそっちの都合でキャンセルするっていうのにまた理沙に足を運ばせるつもりなの?そっち都合で引き延ばすっていうのなら二実さんあなたの方が理沙の所に来るのが筋なんじゃないんですか?」
すると理沙が慌てて桃子に言った。
「いいよ、桃子。私は気にしないから。」
理沙が慌てた様子で二実に言った。
「では二実さん明日の夕方に九木礼の封木神社に伺わせてもらいますね。」
二実が理沙に言った。
「何度もごめんなさいね、青木さん。」
桃子が理沙に言った。
「まったく理沙はお人よしなんだから。理沙の所に来させるべきでしょう。」
すると理沙は話題を変えようと二実に尋ねた。
「あの?そういえばなんで今日は神社の境内に人がいないですか?」
二実が少し返答に困った様子で理沙に答えた。
「えっ??ああ今日は臨時休業になのよ。」
理沙は不思議そうに二実に言った。
「神社にも臨時休業とかってあるんですね。」
二実が理沙に言った。
「うん、かなり珍しいことではあるんだけどね。」
二実が理沙に言った。
「あっ?そうだ青木さん、気休めにしかならないかもしれなけど。これを持って行って?」
二実はそう言うと理沙にある物を渡した。
理沙は二実からもらったものを確認した。
「これはお守りですか?」
二実は理沙に九前坂(くぜんざか)神社のお守りを4つ渡したのだった。
「うんこの神社のお守りよ、こんな物でもないよりはいいと思うから。」
理沙が二実に言った。
「ありがとうございます。それじゃあ失礼します。」
そう言うと理沙と桃子は社務所の外に出て行った。
社務所の外から声が響いていた。
「もう、理沙はお人よしすぎるわ。ああいう場合は来させないとダメよ?」
「まあまあいいじゃない桃子。明日は日曜日で高校も休みだし。」
「貴重な休日を自分勝手な霊媒師のために使うなんて私にはできないわ。」
二人の声がどんどん小さくなっていき聞こえなくなった。
すると黙っていた三緒が二実に尋ねた。
「良かったの?二実??青木さん達をそのまま帰らせちゃって?」
二実が三緒に言った。
「三緒にしては物騒な言い回しね。青木さん達を捕まえて監禁しろとでも言いたいわけ?」
三緒が二実に言った。
「そうじゃないけど。だってさっきの青木さん達の話って?」
二実が三緒に言った。
「うんベリエの店長さんから聞いた話とそっくりね。」
三緒が二実に言った。
「だよね、だったら青木さん達が危ないんじゃないの?」
二実が三緒に言った。
「かなり危険だと思うわ。青木さん達の近くに三象(さんしょう)がいるのかもしれないわね。」
三緒が二実に言った。
「それじゃあ帰しちゃダメじゃない。青木さん達が首を吊らされて殺されてしまうわよ。」
二実が三緒に言った。
「三緒??明井田の人々の意識が操られているのを忘れたの?いくら明井田が危険だと説明しても納得してもらうのはほぼ不可能なのよ。方法としては別の理由で九木礼に誘導するしかないでしょ。」
三緒が二実に言った。
「それで九木礼の封木神社に来てって言ってたのね。」
二実が三緒に言った。
「そう、説得するにしてもとにかく九木礼まで来てもらわないと説得のしようがないしね。」
二実が三緒に言った。
「三緒が昨日言ってた通り私たち自身もかなり危ない橋を渡ってるのよ。まず健太君のご両親を説得しにいくのが最優先なわけだし、今の私たちには同時に二つの問題を抱え込めるほどの余裕はないわ。青木さん達の事は健太君のご両親への説得が終わってからでないと対応できないわ。」
三緒が二実に言った。
「うん、そうだね。分かった。」
すると二実の後ろから声が響いてきた。
「二実さん?」
二実と三緒が後ろを振り返ると晴南がいたのだった。
二実が晴南に言った。
「あっ??ごめん晴南ちゃん。起こしちゃった。」
晴南が二実に言った。
「いえちょうど起きてたから大丈夫です。ところで誰かと話してたんですか?」
二実が晴南に言った。
「実はさっきまでお客さんが来てたんだけど、今帰ったところよ。」
二実が晴南に尋ねた。
「それで晴南ちゃん?よく寝れた??」
晴南が二実に言った。
「はい、ばっちりです。」
それから少しして他のメンバーも仮眠から起きだしてきたのだった。
そして社務所の入り口の所に集まってきたのだった。
すると二実がみんなに言った。
「それじゃあみんな?辺りが暗くなったらすぐに移動を始めるからいつでも出発できるように準備をしといてね。」
晴南達が二実に言った。
「分かりました。」
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