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一章
スイーツ最後の砦
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7月9日の正午過ぎ、晴南達は九木礼町にある喫茶店ベリエの扉を開けて慌てて中に駆け込んでいった。
ベリエの出入り口に取り付けられているベルがチリーンチリーンと店内に鳴り響いた。
ベリエの店内のテーブル席では美咲が怒りに満ちた表情で晴南達を迎えたのだった。
美咲の前にやってきた麻衣子と由香は全力で走ってきて息を切らした。
晴南も全力疾走してきたが晴南はケロッとした様子で美咲に尋ねたのだった。
「時間ギリギリ間に合った??」
美咲が晴南に言った。
「全然間に合ってないわ、もう午後0時40分!!四十分の遅刻よ!!」
麻衣子が美咲に言った。
「ごめんね美咲、ちょっとだけ眠るつもりがぐっすり眠ちゃってね。」
由香が美咲に言った。
「美咲さん、本当にすいませんでした。」
晴南が美咲に言った。
「まあおかげでおめ目パッチリになったわ。」
美咲が晴南に言った。
「それじゃあ私を待たせながら昼寝してたわけ??人を待たせながら何をしてるのよ!!」
晴南が美咲に言った。
「確かに寝てたのは悪かったけどさ??美咲今日来れるか分からないってちゃんと昨日言っておいたでしょ??遅れたとはいえちゃんと来たんだからあんまり文句を言わないでほしいんだけど??」
美咲が晴南に言った。
「そんな事を言ったって、約束の時間に遅れたのは事実でしょ。」
晴南が美咲に言った。
「だからそもそも約束として成立してないでしょ。私は行けるか分からないってちゃんと美咲に伝えたんだから。それで遅刻だとか文句を言う事自体おかしいでしょ。」
美咲が晴南に言った。
「そんなにおかしいかしら??」
晴南が美咲に言った。
「おかしいわよ。」
美咲が晴南に言った。
「でも遅れた事に対して怒るのは普通でしょ?」
晴南が美咲に言った。
「遅れた事に関しては悪かったわ。でも美咲にも落ち度があるんだから、そんなけんまくに怒らなくてもいいでしょ?仲間だからっていつも都合が空けれる訳じゃないのよ、美咲だってそれぐらい分かってるでしょ?」
すると美咲が麻衣子に言った。
「はあー分かったわ、遅刻の件はもういいわ。」
晴南が美咲に言った。
「みんなそれぞれ都合っていうものがあるのよ。みんな美咲の都合に合わせて予定が空けれるわけじゃないの?仲間なんだからそれぐらいの気配りができないとダメよ。」
すると晴南の隣に座っていた麻衣子が晴南に言った。
「ねえ晴南??一つ言いたい事があるんだけどいいかな??」
晴南が麻衣子に聞き返した。
「なに?麻衣子??」
麻衣子が晴南に言った。
「確かに晴南の言う通り今回は美咲が一方的に招集をかけてるし、私達も行けたらいくわって美咲に答えてたから約束として成立してないっていうのもみんなそれぞれ都合があるっていうのもよく理解できるんだけどさ??」
晴南が麻衣子に聞き返す。
「よく理解できるけどなに??」
麻衣子が晴南に言った。
「晴南は美咲の事をどうこう言えないでしょ!!だっていつもそれやってるの晴南じゃない??いつも人の都合も聞かずにみんなを巻き込んでるでしょ!!」
晴南が麻衣子に言った。
「ああ確かにそうね。」
それから晴南達は美咲が座っているテーブル席に腰をかけたのだった。
そして麻衣子が美咲に今日の用件を尋ねるのだった。
「それで美咲??今日はどうしたの??大事な話があるって言ってたけど??」
晴南が美咲に言った。
「そうよ、もったいぶらずに早く教えてよ。」
美咲が麻衣子に言った。
「実はさいろいろ考えてたんだけど、このままじゃいけないと思うのよ。」
麻衣子が美咲に聞き返した。
「このままじゃいけないって??」
美咲が麻衣子に言った。
「私達は今厳しい状況に立たされてるじゃない?私もただ流されてるだけじゃダメだと思ったのよ。だからこれからはもっと積極的に動いていきたいと思ったわけ。」
晴南も驚いた様子で美咲に尋ねた。
「えっ??美咲??ちゃんと分かってくれたの??」
美咲が晴南に言った。
「当然でしょ。」
晴南が美咲に言った。
「良かった、美咲が分かってくれて。」
美咲が晴南に言った。
「ビスタードーナッツもフォティーアイスに加えてぞうり庵まで潰れちゃったのよ。もう九木礼に残っているのはこのベリエだけなのよ、真剣になるのは当たり前でしょ。」
晴南が美咲に言った。
「えっ??何の話??」
美咲が晴南に言った。
「九木礼のスーイツ愛好家は今苦境に立たされているという話よ。だからスイーツの最後の砦であるベリエは絶対に守らなければならないわ。」
麻衣子が美咲に言った。
「なんだ、スイーツの話か。」
晴南が美咲に言った。
「もう美咲期待させないでよ??」
美咲が晴南と麻衣子に言った。
「なんで二人ともがっかりするのよ。スイーツを愛する私達にとっては一大事でしょ??」
晴南が美咲に言った。
「そりゃまあ美咲にとっては一大事なんでしょうけど??」
美咲が晴南に言った。
「晴南だってベリエのスイーツは好きでしょう??」
晴南が美咲に言った。
「まあ確かにベリエのスイーツは私も好きだけど。」
美咲が強い口調で晴南に言った。
「でしょう。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「まあベリエを守っていこうって美咲の気持ちは分かったけどさ??具体的にどうしようって言うの??」
晴南が美咲に言った。
「具体的にできる事なんて限られてるんじゃない。」
由香が晴南に言った。
「そうですね、お客さんとしてスイーツを注文して応援するぐらいしかできないですよね。」
すると美咲がみんなに言った。
「悪いけど、私達にはもっと重大な事を任されたのよ!!!」
晴南が美咲に尋ねた。
「重大な事??」
するとベリエの店主である時江(ときえ)が晴南達の座っているテーブル席の前にやってきたのだった。
「あら晴南ちゃん達、いらっしゃい。」
晴南が時江に言った。
「時江さん、こんにちは。」
時江が晴南に言った。
「今日は新メニューの試食に付き合ってもらってすまないねえ。」
晴南が時江に聞き返した。
「新メニューの試食??」
美咲がみんなに言った。
「そうよ、ベリエの新しいスイーツメニューを決める試食を私達がする事になったのよ!!」
晴南が時江に尋ねた。
「そうなんですか?」
時江が晴南に言った。
「ああ新しくスイーツのメニューを加えようと思ってるんだけど、それを美咲ちゃんに相談したのよ。そしたら試食も兼ねてメニュー作りに参加してもらうって話になったんだよ。」
晴南が時江に尋ねた。
「あれ?でもいつもは試食とかせずにそのままメニューに加えてませんか?」
麻衣子が晴南に言った。
「そうだね、いつもは限定メニューでまず出して好評だったら定番メニューに加えていってるわよね。」
美咲がみんなに言った。
「もう全然分かってないわね。時江さんはお菓子造りのプロなのよ!!時江さんがエビピラフを作るのと、マドレーヌを作るのとじゃ意気込みが全然違ってくるの!!」
時江が言った。
「ありがとね、美咲ちゃん。美咲ちゃんの言う通りで私にもパティシエとしてのプライドがあるからお菓子作りとなるとどうしても力をいれちゃうのよね。」
晴南が言った。
「そういう事なのね。」
美咲が晴南に言った。
「そういう事よ。今日はベリエの新しいスイーツメニューを決める為にみんなに集まってもらったの。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「えっ?それじゃあ私達の意見でベリエの新メニューが決まるわけ??」
美咲が麻衣子に言った。
「そうよ、だからそれぞれのスイーツをしっかり吟味してね。」
すると時江が美咲に言った。
「それじゃあ美咲ちゃん、もう持ってきてもいいかい?」
美咲が時江に言った。
「はいお願いします。」
すると時江は一旦店の奥へと戻っていった。
少しして時江が試作のスイーツを運んできたのだった。
試作スーイツが入った小皿を晴南達の座っているテーブルに並べていった。
晴南達はすぐにスイーツの試食を始めたのだった。
まず運ばれてきたスイーツは抹茶あんみつであった。
晴南達は抹茶あんみつを美味しく頬張ったのだった。
そして抹茶あんみつを食べ終わった晴南が時江に言った。
「この抹茶あんみつとっても美味しかったです。」
時江が晴南に言った。
「そうかい、それは良かったよ。」
美咲が晴南に言った。
「時江さんの作るスイーツはどれも一級品よ。どれも美味しいに決まってるわ。まだたくさんくるから食べるのはほどほどにしておいてよ?」
晴南が美咲に尋ねた。
「あとどのくらいくるの?」
美咲が晴南に言った。
「次にくる白玉ぜんざい含めて11品くるわ。」
晴南が美咲に聞き返した。
「あと11品も来るの?」
美咲が晴南に言った。
「そうよ、だから全部器の小さいミニサイズになってるでしょ?」
晴南が美咲に言った。
「本当だ。たしかにこの抹茶あんみつも小皿に入ってるわね。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「ミニサイズでも12品は多いわね?」
美咲が麻衣子に言った。
「だからあんまり食べ過ぎないでねって言ってるの。今日は試食をしにきてるんだから食べ過ぎたら後半の試食ができなくなっちゃうでしょ。」
晴南が美咲に言った。
「それにしても抹茶あんみつに白玉ぜんざいってぞうり庵のメニューみたいね。」
美咲が晴南に言った。
「当たらずとも遠からずよ。」
晴南が美咲に聞き返した。
「えっ?それどういう事??」
すると時江が晴南に言った。
「常連のお客さんからぞうり庵の和菓子メニューをベリエに置いてほしいって頼まれてねえ。」
美咲が晴南に言った。
「ぞうり庵が閉店しちゃったでしょ。それでベリエで和菓子も置いてくれないかって常連さんに頼まれたらしいのよ。もちろん私もその頼んだ常連の一人なんだけどね。」
時江が晴南に言った。
「とりあえず私なりに作ってはみたんだけど、ただ和菓子は私の専門外でねえ。」
晴南が時江に言った。
「それで試食をお願いしたいって事なんですね。」
美咲が晴南に言った。
「そういう事よ。私達はぞうり庵にも通ってたし、舌もこえてるから試食役にはうってつけでしょう。」
晴南が嬉しそうに時江に言った。
「ベリエで白玉ぜんざいとか抹茶あんみつとか食べられたらとってもいいと思います。」
麻衣子が晴南に言った。
「私もとってもいいと思う。」
由香も頷きながら晴南に言った。
「私もそう思います。」
晴南がみんなに言った。
「それじゃあ頑張って試食しないとね。」
美咲がみんなに言った。
「そうよ、私達でベリエの看板メニューを選び出すのよ!!」
そして晴南達は試食を続けていった。
そして晴南達は残りのメニュー候補のスイーツを試食していった。
どの試作品も美味しいスイーツばかりで晴南達はとてもたのしく試食を進めていくのだった。
そして晴南達は試食を終えたのだった。
試食を終えた晴南達に時江が感想を尋ねたのだった。
「どれをメニューに加えればいいと思うかい?」
麻衣子が時江に言った。
「どれも美味しかったです。」
由香が時江に言った。
「はい、美味しいスイーツばかりでした。」
美咲が麻衣子と由香に言った。
「ちょっと二人ともそれじゃあ試食した意味ないでしょ?どれが良かったか意見を言わないと。」
麻衣子が美咲に言った。
「そうは言ってもこれは決められないよね。」
由香が麻衣子に言った。
「はい、美味しいものばかりでしたから。」
すると晴南が時江に言った。
「私は抹茶あんみつと抹茶クリームどら焼きがいいと思います。とっても美味しかったです。」
美咲が頷きながら時江に言った。
「そうね。どっちも美味しかったわよね。私も抹茶あんみつと抹茶クリームどら焼きはメニュー入り確定でいいと思います。あと宇治金時(うじきんとき)と白玉ぜんざいもメニュー入りさせた方がいいと思います。味も申し分なかったし宇治金時(うじきんとき)も白玉ぜんざいもぞうり庵の看板メニューだったからみんな食べに来てくれると思います。」
時江がメモを取りながら二人に言った。
「ありがとね、とっても参考になったよ。」
時江がみんなに尋ねた。
「おいしかったメニューはそれぐらいかね?」
すると美咲が時江に言った。
「いえまだ絶賛したいメニューがあるだけど、ちょっと待ってもらえませんか?」
時江が美咲に尋ねた。
「別に構わないけどどうしてだい?」
美咲が時江に言った。
「あとのメニューはライバル店の状況を確認してから決めた方がいいと思うからです。夕方ぐらいにまた来ますので、少し時間を貰っていいですか?」
時江が美咲に言った。
「ああ全然構わないよ。」
そして晴南達はベリエの外に出たのだった。
美咲がみんなに声をかけた。
「さあみんな、気合を入れてライバル店の調査に行くわよ??」
晴南が美咲に尋ねた。
「ちょっと美咲??ライバル店の調査ってどこに行くの??さっきも美咲自身が言ってたでしょ。ぞうり庵もビスタードナッツも潰れちゃったって。ライバルなんて九木礼には残ってないでしょ??」
美咲が晴南に言った。
「まだ最大のライバルがこの町に残ってるでしょ。」
ベリエの出入り口に取り付けられているベルがチリーンチリーンと店内に鳴り響いた。
ベリエの店内のテーブル席では美咲が怒りに満ちた表情で晴南達を迎えたのだった。
美咲の前にやってきた麻衣子と由香は全力で走ってきて息を切らした。
晴南も全力疾走してきたが晴南はケロッとした様子で美咲に尋ねたのだった。
「時間ギリギリ間に合った??」
美咲が晴南に言った。
「全然間に合ってないわ、もう午後0時40分!!四十分の遅刻よ!!」
麻衣子が美咲に言った。
「ごめんね美咲、ちょっとだけ眠るつもりがぐっすり眠ちゃってね。」
由香が美咲に言った。
「美咲さん、本当にすいませんでした。」
晴南が美咲に言った。
「まあおかげでおめ目パッチリになったわ。」
美咲が晴南に言った。
「それじゃあ私を待たせながら昼寝してたわけ??人を待たせながら何をしてるのよ!!」
晴南が美咲に言った。
「確かに寝てたのは悪かったけどさ??美咲今日来れるか分からないってちゃんと昨日言っておいたでしょ??遅れたとはいえちゃんと来たんだからあんまり文句を言わないでほしいんだけど??」
美咲が晴南に言った。
「そんな事を言ったって、約束の時間に遅れたのは事実でしょ。」
晴南が美咲に言った。
「だからそもそも約束として成立してないでしょ。私は行けるか分からないってちゃんと美咲に伝えたんだから。それで遅刻だとか文句を言う事自体おかしいでしょ。」
美咲が晴南に言った。
「そんなにおかしいかしら??」
晴南が美咲に言った。
「おかしいわよ。」
美咲が晴南に言った。
「でも遅れた事に対して怒るのは普通でしょ?」
晴南が美咲に言った。
「遅れた事に関しては悪かったわ。でも美咲にも落ち度があるんだから、そんなけんまくに怒らなくてもいいでしょ?仲間だからっていつも都合が空けれる訳じゃないのよ、美咲だってそれぐらい分かってるでしょ?」
すると美咲が麻衣子に言った。
「はあー分かったわ、遅刻の件はもういいわ。」
晴南が美咲に言った。
「みんなそれぞれ都合っていうものがあるのよ。みんな美咲の都合に合わせて予定が空けれるわけじゃないの?仲間なんだからそれぐらいの気配りができないとダメよ。」
すると晴南の隣に座っていた麻衣子が晴南に言った。
「ねえ晴南??一つ言いたい事があるんだけどいいかな??」
晴南が麻衣子に聞き返した。
「なに?麻衣子??」
麻衣子が晴南に言った。
「確かに晴南の言う通り今回は美咲が一方的に招集をかけてるし、私達も行けたらいくわって美咲に答えてたから約束として成立してないっていうのもみんなそれぞれ都合があるっていうのもよく理解できるんだけどさ??」
晴南が麻衣子に聞き返す。
「よく理解できるけどなに??」
麻衣子が晴南に言った。
「晴南は美咲の事をどうこう言えないでしょ!!だっていつもそれやってるの晴南じゃない??いつも人の都合も聞かずにみんなを巻き込んでるでしょ!!」
晴南が麻衣子に言った。
「ああ確かにそうね。」
それから晴南達は美咲が座っているテーブル席に腰をかけたのだった。
そして麻衣子が美咲に今日の用件を尋ねるのだった。
「それで美咲??今日はどうしたの??大事な話があるって言ってたけど??」
晴南が美咲に言った。
「そうよ、もったいぶらずに早く教えてよ。」
美咲が麻衣子に言った。
「実はさいろいろ考えてたんだけど、このままじゃいけないと思うのよ。」
麻衣子が美咲に聞き返した。
「このままじゃいけないって??」
美咲が麻衣子に言った。
「私達は今厳しい状況に立たされてるじゃない?私もただ流されてるだけじゃダメだと思ったのよ。だからこれからはもっと積極的に動いていきたいと思ったわけ。」
晴南も驚いた様子で美咲に尋ねた。
「えっ??美咲??ちゃんと分かってくれたの??」
美咲が晴南に言った。
「当然でしょ。」
晴南が美咲に言った。
「良かった、美咲が分かってくれて。」
美咲が晴南に言った。
「ビスタードーナッツもフォティーアイスに加えてぞうり庵まで潰れちゃったのよ。もう九木礼に残っているのはこのベリエだけなのよ、真剣になるのは当たり前でしょ。」
晴南が美咲に言った。
「えっ??何の話??」
美咲が晴南に言った。
「九木礼のスーイツ愛好家は今苦境に立たされているという話よ。だからスイーツの最後の砦であるベリエは絶対に守らなければならないわ。」
麻衣子が美咲に言った。
「なんだ、スイーツの話か。」
晴南が美咲に言った。
「もう美咲期待させないでよ??」
美咲が晴南と麻衣子に言った。
「なんで二人ともがっかりするのよ。スイーツを愛する私達にとっては一大事でしょ??」
晴南が美咲に言った。
「そりゃまあ美咲にとっては一大事なんでしょうけど??」
美咲が晴南に言った。
「晴南だってベリエのスイーツは好きでしょう??」
晴南が美咲に言った。
「まあ確かにベリエのスイーツは私も好きだけど。」
美咲が強い口調で晴南に言った。
「でしょう。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「まあベリエを守っていこうって美咲の気持ちは分かったけどさ??具体的にどうしようって言うの??」
晴南が美咲に言った。
「具体的にできる事なんて限られてるんじゃない。」
由香が晴南に言った。
「そうですね、お客さんとしてスイーツを注文して応援するぐらいしかできないですよね。」
すると美咲がみんなに言った。
「悪いけど、私達にはもっと重大な事を任されたのよ!!!」
晴南が美咲に尋ねた。
「重大な事??」
するとベリエの店主である時江(ときえ)が晴南達の座っているテーブル席の前にやってきたのだった。
「あら晴南ちゃん達、いらっしゃい。」
晴南が時江に言った。
「時江さん、こんにちは。」
時江が晴南に言った。
「今日は新メニューの試食に付き合ってもらってすまないねえ。」
晴南が時江に聞き返した。
「新メニューの試食??」
美咲がみんなに言った。
「そうよ、ベリエの新しいスイーツメニューを決める試食を私達がする事になったのよ!!」
晴南が時江に尋ねた。
「そうなんですか?」
時江が晴南に言った。
「ああ新しくスイーツのメニューを加えようと思ってるんだけど、それを美咲ちゃんに相談したのよ。そしたら試食も兼ねてメニュー作りに参加してもらうって話になったんだよ。」
晴南が時江に尋ねた。
「あれ?でもいつもは試食とかせずにそのままメニューに加えてませんか?」
麻衣子が晴南に言った。
「そうだね、いつもは限定メニューでまず出して好評だったら定番メニューに加えていってるわよね。」
美咲がみんなに言った。
「もう全然分かってないわね。時江さんはお菓子造りのプロなのよ!!時江さんがエビピラフを作るのと、マドレーヌを作るのとじゃ意気込みが全然違ってくるの!!」
時江が言った。
「ありがとね、美咲ちゃん。美咲ちゃんの言う通りで私にもパティシエとしてのプライドがあるからお菓子作りとなるとどうしても力をいれちゃうのよね。」
晴南が言った。
「そういう事なのね。」
美咲が晴南に言った。
「そういう事よ。今日はベリエの新しいスイーツメニューを決める為にみんなに集まってもらったの。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「えっ?それじゃあ私達の意見でベリエの新メニューが決まるわけ??」
美咲が麻衣子に言った。
「そうよ、だからそれぞれのスイーツをしっかり吟味してね。」
すると時江が美咲に言った。
「それじゃあ美咲ちゃん、もう持ってきてもいいかい?」
美咲が時江に言った。
「はいお願いします。」
すると時江は一旦店の奥へと戻っていった。
少しして時江が試作のスイーツを運んできたのだった。
試作スーイツが入った小皿を晴南達の座っているテーブルに並べていった。
晴南達はすぐにスイーツの試食を始めたのだった。
まず運ばれてきたスイーツは抹茶あんみつであった。
晴南達は抹茶あんみつを美味しく頬張ったのだった。
そして抹茶あんみつを食べ終わった晴南が時江に言った。
「この抹茶あんみつとっても美味しかったです。」
時江が晴南に言った。
「そうかい、それは良かったよ。」
美咲が晴南に言った。
「時江さんの作るスイーツはどれも一級品よ。どれも美味しいに決まってるわ。まだたくさんくるから食べるのはほどほどにしておいてよ?」
晴南が美咲に尋ねた。
「あとどのくらいくるの?」
美咲が晴南に言った。
「次にくる白玉ぜんざい含めて11品くるわ。」
晴南が美咲に聞き返した。
「あと11品も来るの?」
美咲が晴南に言った。
「そうよ、だから全部器の小さいミニサイズになってるでしょ?」
晴南が美咲に言った。
「本当だ。たしかにこの抹茶あんみつも小皿に入ってるわね。」
麻衣子が美咲に尋ねた。
「ミニサイズでも12品は多いわね?」
美咲が麻衣子に言った。
「だからあんまり食べ過ぎないでねって言ってるの。今日は試食をしにきてるんだから食べ過ぎたら後半の試食ができなくなっちゃうでしょ。」
晴南が美咲に言った。
「それにしても抹茶あんみつに白玉ぜんざいってぞうり庵のメニューみたいね。」
美咲が晴南に言った。
「当たらずとも遠からずよ。」
晴南が美咲に聞き返した。
「えっ?それどういう事??」
すると時江が晴南に言った。
「常連のお客さんからぞうり庵の和菓子メニューをベリエに置いてほしいって頼まれてねえ。」
美咲が晴南に言った。
「ぞうり庵が閉店しちゃったでしょ。それでベリエで和菓子も置いてくれないかって常連さんに頼まれたらしいのよ。もちろん私もその頼んだ常連の一人なんだけどね。」
時江が晴南に言った。
「とりあえず私なりに作ってはみたんだけど、ただ和菓子は私の専門外でねえ。」
晴南が時江に言った。
「それで試食をお願いしたいって事なんですね。」
美咲が晴南に言った。
「そういう事よ。私達はぞうり庵にも通ってたし、舌もこえてるから試食役にはうってつけでしょう。」
晴南が嬉しそうに時江に言った。
「ベリエで白玉ぜんざいとか抹茶あんみつとか食べられたらとってもいいと思います。」
麻衣子が晴南に言った。
「私もとってもいいと思う。」
由香も頷きながら晴南に言った。
「私もそう思います。」
晴南がみんなに言った。
「それじゃあ頑張って試食しないとね。」
美咲がみんなに言った。
「そうよ、私達でベリエの看板メニューを選び出すのよ!!」
そして晴南達は試食を続けていった。
そして晴南達は残りのメニュー候補のスイーツを試食していった。
どの試作品も美味しいスイーツばかりで晴南達はとてもたのしく試食を進めていくのだった。
そして晴南達は試食を終えたのだった。
試食を終えた晴南達に時江が感想を尋ねたのだった。
「どれをメニューに加えればいいと思うかい?」
麻衣子が時江に言った。
「どれも美味しかったです。」
由香が時江に言った。
「はい、美味しいスイーツばかりでした。」
美咲が麻衣子と由香に言った。
「ちょっと二人ともそれじゃあ試食した意味ないでしょ?どれが良かったか意見を言わないと。」
麻衣子が美咲に言った。
「そうは言ってもこれは決められないよね。」
由香が麻衣子に言った。
「はい、美味しいものばかりでしたから。」
すると晴南が時江に言った。
「私は抹茶あんみつと抹茶クリームどら焼きがいいと思います。とっても美味しかったです。」
美咲が頷きながら時江に言った。
「そうね。どっちも美味しかったわよね。私も抹茶あんみつと抹茶クリームどら焼きはメニュー入り確定でいいと思います。あと宇治金時(うじきんとき)と白玉ぜんざいもメニュー入りさせた方がいいと思います。味も申し分なかったし宇治金時(うじきんとき)も白玉ぜんざいもぞうり庵の看板メニューだったからみんな食べに来てくれると思います。」
時江がメモを取りながら二人に言った。
「ありがとね、とっても参考になったよ。」
時江がみんなに尋ねた。
「おいしかったメニューはそれぐらいかね?」
すると美咲が時江に言った。
「いえまだ絶賛したいメニューがあるだけど、ちょっと待ってもらえませんか?」
時江が美咲に尋ねた。
「別に構わないけどどうしてだい?」
美咲が時江に言った。
「あとのメニューはライバル店の状況を確認してから決めた方がいいと思うからです。夕方ぐらいにまた来ますので、少し時間を貰っていいですか?」
時江が美咲に言った。
「ああ全然構わないよ。」
そして晴南達はベリエの外に出たのだった。
美咲がみんなに声をかけた。
「さあみんな、気合を入れてライバル店の調査に行くわよ??」
晴南が美咲に尋ねた。
「ちょっと美咲??ライバル店の調査ってどこに行くの??さっきも美咲自身が言ってたでしょ。ぞうり庵もビスタードナッツも潰れちゃったって。ライバルなんて九木礼には残ってないでしょ??」
美咲が晴南に言った。
「まだ最大のライバルがこの町に残ってるでしょ。」
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召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
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14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います
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この子のおかげで作家デビューできました
ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが
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