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しまうま弁当

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一章

ベルガの怪奇

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6月30日の午後5時になろうとしていた。

晴南達はバスに乗って移動していた。

晴南達はまず明井田に向かって三緒と二実の二人と合流した。

だがその後、九木礼には戻らずにバスに乗ってそのまま市内にある別の場所に向かっていた。

三緒が晴南に言った。

「なるほどね、美咲ちゃんの家で怪奇現象か。」

晴南が三緒に言った。

「はい、それで美咲が怯えてて家のお祓いをお願いしたいって言ってました。」

三緒が晴南に言った。

「なるほどね。」

晴南が二実に言った。

「二実さんもありがとうございます。」

三緒が二実に尋ねた。

「でも二実?予定をキャンセルしちゃって良かったの?」

二実が三緒に言った。

「美咲ちゃんが大変だっていうのに他の人の依頼なんて受けてられないでしょ。依頼人からは了解をもらってるから問題はないわ。」

晃太が二実に尋ねた。

「ところで二実さん?今からどこに行くんですか?九木礼に戻って美咲の家に行くって思ってたんですけど?」

二実が晃太に言った。

「美咲ちゃんの家に行く前に寄っときたい所があるのよ。」

晃太が二実に言った。

「もしかしてベルガですか?」

二実が晃太に言った。

「うん、話を聞く限りまずベルガで女の子の幽霊がいたって言われたんだよね?」

晃太が二実に言った。

「はいそうです。」

二実が晃太に言った。

「その子が美咲ちゃんに憑いてきたんじゃないかなって思うのよね。ついでにベルガでその女の子を見たって言う店員さんにも話を聞いてみたいしね。」

二実が晃太に言った。

「あと店長さんにお願いしてその時の映像を見せてもらったほうがいいかもね。」

すると優斗が二実に尋ねた。

「そういえば今日はなんで車じゃないんですか?」

二実が優斗に言った。

「朝に電話がかかってきた時に店長さんから車で来ないでって言われたんだ。」

優斗が二実に言った。

「そうなんですか。」

二実が優斗に言った。

「うん何かイベントでもやってるんじゃないかな?」

二実が尋ねた。

「ところで美咲ちゃんは来なかったの?」

晴南が二実に言った。

「今頃美咲は九木礼で麻衣子達と一緒に楽しく過ごしてると思います。」

二実が晴南に言った。

「美咲ちゃんこういう話苦手だもんね。」

今回は美咲は九木礼で留守番をしていた。

さらに麻衣子と冬湖と亜美と由香と七緒そして長孝と慎吾も留守番となっていた。

晴南と一緒にやってきたのは拓也と晃太と優斗の3人であった。

すると二実が晴南に言った。

「あそうだ、晴南ちゃんこれ持っててくれる??」

二実はそういうと手さげからある物を取り出した。

晴南が手渡された物を見ながら言った。

「これお守りですか??」

二実が晴南に言った。

「そう私の特製のフウキ様のお守りよ。全員分を持ってきてあるわ。」

二実は晴南に渡したのはピンク色のかわいらしいデザインのお守りだった。

それを人数分晴南に手渡した。

二実が晴南に言った。

「帰ったら美咲ちゃん達にも渡してもらえる?」

晴南が二実に言った。

「はい、ありがとうございます。」

二実が晴南に言った。

「こんな物でもあるのとないのとではかなり違うからね。」

するとバスの中にアナウンスが流れた。

「次は西寄子(にしよりこ)、西寄子(にしよりこ)、洋菓子専門店ベルガにお越しのお客様はここでお降りください。」

晴南が言った。

「あ次だ。」

晴南は席の横に付いている停車ボタンを押した。

少ししてバスが停車した。

晴南達は清算をすませてバスから降りていった。

そして西寄子(にしよりこ)のバス停から洋菓子専門店ベルガに向けて歩き始めた。

三緒が二実に尋ねた。

「そういえば二実?なんでベリエの店長さんに連絡してたの?」

二実が三緒に言った。

「実はさベルガからも依頼が来てるんだよね。それで朝に色々と話を聞いてたのよ。」

拓也が二実に尋ねた。

「依頼ってお祓いの依頼ですか?」

二実が拓也に言った。

「そう。」

拓也が二実に尋ねた。

「もしかして紫色の服の女の子の幽霊ですか?」

二実が拓也に言った。

「そうじゃなくてさ、男の子の幽霊が出るらしいのよ。」

拓也が二実に聞き返した。

「男の子の幽霊??」

二実が拓也に言った。

「夜遅い時間帯に男の子の幽霊を見たっていう店員さんが何人もいるらしいの。それと怪奇現象かどうか分からないんだけど物が増えるって言ってた。従業員用の入り口に置いてある下駄箱の靴が増えるんだって。」

優斗が二実に尋ねた。

「靴が増えるってどういう事ですか?」

二実が優斗に言った。

「分からない、あと机に置いてある弁当やスマホが増えたとも言ってたわ。」

優斗が二実に言った。

「弁当やスマホが増えるって意味が分かりませんね。」

晃太が二実に言った。

「誰かが持って帰るの忘れただけなんじゃないんですか?」

二実が晃太に言った。

「それが靴にしてもスマホにしても持ち主が誰も名乗り出ないらしいのよ。」

晃太が二実に言った。

「確かにスマホを忘れて誰も名乗り出ないってのはおかしいですね。スマホはそれなりの値段がしますから。」

二実が晃太に言った。

「だから1度見てくれないかって事らしいわ。」

晃太が二実に言った。

「確かに気味が悪いですね。」

そんな会話をしている間に晴南達は洋菓子専門店ベルガの駐車場へと到着した。

駐車場にやって来た晴南が言った。

「いっぱい車が止まってるわね。何かイベントをやってるみたいね?」

すると拓也が晴南に言った。

「それにしては静かすぎないか??お店の音楽も流れてないぞ。」

晴南が尋ねた。

「今日って定休日だったかしら?」

晃太が晴南に言った。

「ベリエは年中無休じゃなかったっか??それにもし仮に今日営業してないとしたらこの駐車場に止まってるたくさんの車は何なんだ??」

優斗が晃太に言った。

「でも晃太?今日は営業してないんじゃないかな?さっきから誰も店の中から出てこないよ??」

すると晴南が優斗に言った。

「でもさっき小さな男の子が店の中から出てきたわよ?」

優斗が晴南に言った。

「えっ??そうなの?それじゃあ営業してるのかな?」

一方の二実と三緒は深刻な顔をしていた。

三緒が二実に尋ねた。

「ねえ二実??これおかしいと思わない??」

二実が三緒に言った。

「絶対におかしいわね。」

三緒が二実に言った。

「なんでこんなにたくさんいるの??」

二実が三緒に言った。

「ここには普通は集まらないはずなんだけどな。」

三緒が二実に言った。

「ねえこれまずいんじゃない?店の中に入っちゃダメな気がする。」

二実が三緒に言った。

「そうね、中に入らない方が賢明かもしれないけど。でも何もせずにこのまま帰っちゃうつもり?ちゃんと確認した方がいいんじゃない?」

三緒が二実に言った。

「うーんそうね、さすがに確認せずに帰る訳にはいかないか。」

優斗が二人に尋ねた。

「二実さん三緒さん、さっきから何の話をしてるんですか?」

二実と三緒が顔を見合わせた。

二実と三緒は晴南達に話そうか迷っている様子だった。

すると二実が意を決してみんなに話し始めた。

「脅かすつもりはないんだけど、ベルガの店内で何か起こってるかもしれないわ。」

一同が驚いて言った。

「えっ???」

拓也が二実に尋ねた。

「何が起こってるんですか?」

二実がみんなに言った。

「それは分からないわ。まず私たちが先に店内に入って様子を確認してくるからみんなここで待っててくれる?」

すると晴南が二実に言った。

「えーなんでですか???私も一緒に見に行きたいです。」

優斗が二実に言った。

「二実さん、晴南にこう話をしたらほぼ100%ついてきますよ。」

二実がみんなに言った。

「分かったわ。でも覚悟してから入ってね。たぶん想像を絶する光景が広がっているだろうから。」

晴南が二実に言った。

「大丈夫です。行きましょう!!」

晴南達は洋菓子専門店ベリエの店内へと入っていった。

だがここにいる全員が店の中に入った事を後悔する事になるのだった。

想像を絶する光景が広がっていた。

店内にはたくさんの人がいたのだ、変わり果てた姿になって。

「な何これ??」

「首吊り?こんだけたくさんの人が首吊り自殺してるのか?」

「一体何人の人が首を吊ってるの?」

想像を絶する光景が広がっていた。店内には首を吊っている人がいたのだ。

しかもそれが一人ではないのだ!!

何十人という人々が店内にロープを天井からに首を吊っていたのだった。

何十人もの人々がベルガの店内で死んでいたのだった。
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