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一章
首謀者?
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八堂集落(はちどうしゅうらく)は依然として誠二郎と満子の怒声が響いていた。
「あなたいい加減にしてちょうだい!!優しいあなたに戻って!!」
「お前こそ冷静さを取り戻してくれ!!」
少ししてサイレンの音が聞こえてきた。
そちらを見るとこの場所に向かってパトカーがサイレンを鳴らしながら近づいているのが分かった。
そしてそのパトカーが晴南達の前で止まった。
パトカーの中から警察官の制服を着た勇雄(いさお)が降りてきた。
「みんなはここにいなさい。」
そう言うと勇雄は旧大柳家の中へと入っていった。
廃墟と化した旧大柳家の玄関で誠二郎と満子が口論をしていた。
そこに勇雄が入っていったのだった。
まず勇雄が二人に言った。
「誠二郎さん満子さん、お久しぶりです。」
すると満子が勇雄に言った。
「勇雄さんお久しぶりです。」
誠二郎が言った。
「すいません勇雄さん、すぐに帰りますから。ほら満子帰るぞ!!」
満子が誠二郎に言った。
「帰らないわ??柚羽を殺すつもりなんでしょう??」
勇雄が二人に尋ねた。
「殺す??穏やかじゃありませんな。詳しい事情を教えてもらえませんか?」
勇雄はまず誠二郎に事情を尋ねた。
そして誠二郎から詳しい事情を聞いた後で満子に尋ねた。
「満子さん今日はどうされたんです?」
満子が横に目をやりながら勇雄に言った。
「柚羽を連れてきたんです。柚羽にここに戻ってきたいとせがまれて。」
勇雄が満子の見た方向を確認した後で満子に言った。
「そうなんですね。」
満子が勇雄に言った。
「あの子はかわいくてついつい甘やかしちゃうんですよ。でもしっかりした子に育ってくれました。」
勇雄が満子に言った。
「そうですね、柚羽ちゃんは本当にしっかりしていると思います。」
満子が勇雄に言った。
「私よりしっかりしてるんですよ。でも健太にはめちゃくちゃ甘いんです。」
勇雄が満子に言った。
「そうなんですか。」
満子が勇雄に言った。
「この前なんか健太を自分と一緒の高校に入れてよってせがまれたんですよ。まだ高校にも入学してないのにあの子達は本当に仲が良くて。」
満子が勇雄に言った。
「あの子達は心も体も日々に成長してていつの間にか追い越されちゃいました。」
満子が勇雄に言った。
「柚羽がママ抱っこしてって言ってたのがついこの前に思えちゃうんですけどもう来年は高校生なんですよ。ほんとうにあっという間でした。」
勇雄が満子に言った。
「子供達の成長ぶりには毎日驚かされます。」
満子が勇雄に言った。
「本当です。昔は私がしかっりしてあの子達を守って助けていかなきゃって気を張ってたんですよ。でも助けられたのは私の方でした。私が辛かった時に柚羽や健太がいてくれたから乗り越えてこれたんです。柚羽に健太あの子達がいてくれて本当に良かったって思います。」
勇雄が満子に言った。
「うれしいじゃないですか。親冥利に尽きます。」
勇雄が満子に言った。
「どうです?新居の方はもう慣れましたか??」
満子が勇雄に言った。
「はい、ようやく慣れてきた所です。」
勇雄が満子に言った。
「柚羽ちゃんや健太君が引っ越してしまって拓也も亜美も本当に寂しがっていました。」
満子が勇雄に言った。
「また前みたいに一緒に遊びに来てください。歓迎します。柚羽も健太もきっと喜ぶと思いますよ。」
すると満子が突然泣き出したのだった。
「あれっ??なんで涙が??あれっ??あれっ??おかしいな??」
満子が言った。
「ねえ柚羽も嬉しいでしょ??あれっ??あれっ??おかしいな??柚羽どこいったの???」
満子が周囲をキョロキョロしだした。
「柚羽!!柚羽!!」
何度も何度も大声で叫んだ。
「柚羽!!柚羽!!」
すると突然満子が大声で泣き出したのだった。
「うーあー!!柚羽!!!柚羽!!!」
しばらくして満子と誠二郎と勇雄の三人が外に出てきた。
健太が満子に声をかけた。
「母さん??」
満子が疲れた表情で健太に言った。
「健太ごめんね。ダメなお母さんで。」
誠二郎が健太に言った。
「満子は気づいてくれたんだ柚羽が死んでしまった事に。」
健太が満子に言った。
「ううん、母さん、ありがとう。」
誠二郎が満子に言った。
「満子すまなかった。俺は満子の気持ちを考えずに厳しい現実を突きつけてしまった。」
勇雄が誠二郎に言った。
「そうですな満子さんには心を整理する時間が必要だったのだと思います。正しい事だとしてもいつも受け入れられるという訳ではありません。なかなか受け入れられない時だってあります。それが厳しいものであればなおさらでしょう。時間をかけてゆくっり話し合うべきだったのだと思います。」
健太が満子に尋ねた。
「姉さんは??」
満子が健太に言った。
「学校の前に止めてきたレンタカーの中にいるわ。」
満子が誠二郎に言った。
「あなたもう少しだけ時間をちょうだい。」
誠二郎が満子に言った。
「ああもちろんだ。」
晴南がみんなに言った。
「これで一件落着ね。」
拓也が晴南に言った。
「そうだな。」
健太が晴南に言った。
「みんなありがとう、これでようやく柚羽姉さんを弔う事ができるよ。姉さんの葬儀の日時が決まり次第また連絡するよ。」
誠二郎が健太に言った。
「健太、しばらくみんなといるといい?九木礼旅館に予約を入れておく。」
健太が誠二郎に尋ねた。
「えっ?でも姉さんは??」
誠二郎が健太に言った。
「葬儀の日だけこっちに戻ってくればいい。準備はちゃんとやっておくから。お前には本当に辛い思いをさせてしまったからな。柚羽もそれぐらいなら許してくれるだろう。」
健太が誠二郎に言った。
「ありがとう、父さん。」
勇雄が誠二郎に言った。
「誠二郎さん、何か不安があればご相談ください。いつでも相談にのります。」
誠二郎が勇雄に言った。
「はい、ありがとうございます。」
勇雄がみんなに言った。
「みんなもう夜も遅い。家まで送ろう。」
勇雄はパトカーで晴南達を自宅へ送り届けたのだった。
全員をそれぞれの家に送り届けた勇雄は九木礼警察署へと戻るのだった。
勇雄がパトカーを駐車場に止めて九木礼警察署の中に入っていった。
勇雄が署長室に戻ると署長室の扉がノックされた。
そして男の声が聞こえてきた。
「松浦警視今よろしいですか?」
勇雄がその警察官に言った。
「ああ大丈夫だ。」
署長室の扉が開いて一人の背広姿の男が入ってきた。
「すまないな吉崎(よしざき)警部補、仕事を押しつけてしまって。」
吉崎警部補と呼ばれた男が勇雄に言った。
「いえ構いません。」
勇雄が吉崎警部補に尋ねた。
「それでどうだった?」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「柿枝敏子(かきえだとしこと)と白焼明洋(しらやきあきひろ)について調べましたが行動が妙ですね。二人の母親から当時の状況を聞いてきましたが前日の深夜に突然北海道に戻ってきたようです。」
勇雄が吉崎警部補に尋ねた。
「動機の方は??」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「ダメです。どちらも動機が全然見当たりません。」
勇雄が吉崎警部補に言った。
「そうか。本当にその子達なんだろうか?その子達が明井田大規模火災を引き起こしたとはとても思えないんだが?」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「それを確認するのが我々の仕事ではありませんか?」
勇雄が吉崎警部補に言った。
「その通りだな。」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「明日は村下里穂(むらしたりほ)の両親から事情を尋ねる予定です。」
勇雄がため息をつきながら吉崎警部補に言った。
「捜査というのは基本疑う事から始めなければならない。仕事とはいえ疑ってかかるというのは好きになれんな。」
「あなたいい加減にしてちょうだい!!優しいあなたに戻って!!」
「お前こそ冷静さを取り戻してくれ!!」
少ししてサイレンの音が聞こえてきた。
そちらを見るとこの場所に向かってパトカーがサイレンを鳴らしながら近づいているのが分かった。
そしてそのパトカーが晴南達の前で止まった。
パトカーの中から警察官の制服を着た勇雄(いさお)が降りてきた。
「みんなはここにいなさい。」
そう言うと勇雄は旧大柳家の中へと入っていった。
廃墟と化した旧大柳家の玄関で誠二郎と満子が口論をしていた。
そこに勇雄が入っていったのだった。
まず勇雄が二人に言った。
「誠二郎さん満子さん、お久しぶりです。」
すると満子が勇雄に言った。
「勇雄さんお久しぶりです。」
誠二郎が言った。
「すいません勇雄さん、すぐに帰りますから。ほら満子帰るぞ!!」
満子が誠二郎に言った。
「帰らないわ??柚羽を殺すつもりなんでしょう??」
勇雄が二人に尋ねた。
「殺す??穏やかじゃありませんな。詳しい事情を教えてもらえませんか?」
勇雄はまず誠二郎に事情を尋ねた。
そして誠二郎から詳しい事情を聞いた後で満子に尋ねた。
「満子さん今日はどうされたんです?」
満子が横に目をやりながら勇雄に言った。
「柚羽を連れてきたんです。柚羽にここに戻ってきたいとせがまれて。」
勇雄が満子の見た方向を確認した後で満子に言った。
「そうなんですね。」
満子が勇雄に言った。
「あの子はかわいくてついつい甘やかしちゃうんですよ。でもしっかりした子に育ってくれました。」
勇雄が満子に言った。
「そうですね、柚羽ちゃんは本当にしっかりしていると思います。」
満子が勇雄に言った。
「私よりしっかりしてるんですよ。でも健太にはめちゃくちゃ甘いんです。」
勇雄が満子に言った。
「そうなんですか。」
満子が勇雄に言った。
「この前なんか健太を自分と一緒の高校に入れてよってせがまれたんですよ。まだ高校にも入学してないのにあの子達は本当に仲が良くて。」
満子が勇雄に言った。
「あの子達は心も体も日々に成長してていつの間にか追い越されちゃいました。」
満子が勇雄に言った。
「柚羽がママ抱っこしてって言ってたのがついこの前に思えちゃうんですけどもう来年は高校生なんですよ。ほんとうにあっという間でした。」
勇雄が満子に言った。
「子供達の成長ぶりには毎日驚かされます。」
満子が勇雄に言った。
「本当です。昔は私がしかっりしてあの子達を守って助けていかなきゃって気を張ってたんですよ。でも助けられたのは私の方でした。私が辛かった時に柚羽や健太がいてくれたから乗り越えてこれたんです。柚羽に健太あの子達がいてくれて本当に良かったって思います。」
勇雄が満子に言った。
「うれしいじゃないですか。親冥利に尽きます。」
勇雄が満子に言った。
「どうです?新居の方はもう慣れましたか??」
満子が勇雄に言った。
「はい、ようやく慣れてきた所です。」
勇雄が満子に言った。
「柚羽ちゃんや健太君が引っ越してしまって拓也も亜美も本当に寂しがっていました。」
満子が勇雄に言った。
「また前みたいに一緒に遊びに来てください。歓迎します。柚羽も健太もきっと喜ぶと思いますよ。」
すると満子が突然泣き出したのだった。
「あれっ??なんで涙が??あれっ??あれっ??おかしいな??」
満子が言った。
「ねえ柚羽も嬉しいでしょ??あれっ??あれっ??おかしいな??柚羽どこいったの???」
満子が周囲をキョロキョロしだした。
「柚羽!!柚羽!!」
何度も何度も大声で叫んだ。
「柚羽!!柚羽!!」
すると突然満子が大声で泣き出したのだった。
「うーあー!!柚羽!!!柚羽!!!」
しばらくして満子と誠二郎と勇雄の三人が外に出てきた。
健太が満子に声をかけた。
「母さん??」
満子が疲れた表情で健太に言った。
「健太ごめんね。ダメなお母さんで。」
誠二郎が健太に言った。
「満子は気づいてくれたんだ柚羽が死んでしまった事に。」
健太が満子に言った。
「ううん、母さん、ありがとう。」
誠二郎が満子に言った。
「満子すまなかった。俺は満子の気持ちを考えずに厳しい現実を突きつけてしまった。」
勇雄が誠二郎に言った。
「そうですな満子さんには心を整理する時間が必要だったのだと思います。正しい事だとしてもいつも受け入れられるという訳ではありません。なかなか受け入れられない時だってあります。それが厳しいものであればなおさらでしょう。時間をかけてゆくっり話し合うべきだったのだと思います。」
健太が満子に尋ねた。
「姉さんは??」
満子が健太に言った。
「学校の前に止めてきたレンタカーの中にいるわ。」
満子が誠二郎に言った。
「あなたもう少しだけ時間をちょうだい。」
誠二郎が満子に言った。
「ああもちろんだ。」
晴南がみんなに言った。
「これで一件落着ね。」
拓也が晴南に言った。
「そうだな。」
健太が晴南に言った。
「みんなありがとう、これでようやく柚羽姉さんを弔う事ができるよ。姉さんの葬儀の日時が決まり次第また連絡するよ。」
誠二郎が健太に言った。
「健太、しばらくみんなといるといい?九木礼旅館に予約を入れておく。」
健太が誠二郎に尋ねた。
「えっ?でも姉さんは??」
誠二郎が健太に言った。
「葬儀の日だけこっちに戻ってくればいい。準備はちゃんとやっておくから。お前には本当に辛い思いをさせてしまったからな。柚羽もそれぐらいなら許してくれるだろう。」
健太が誠二郎に言った。
「ありがとう、父さん。」
勇雄が誠二郎に言った。
「誠二郎さん、何か不安があればご相談ください。いつでも相談にのります。」
誠二郎が勇雄に言った。
「はい、ありがとうございます。」
勇雄がみんなに言った。
「みんなもう夜も遅い。家まで送ろう。」
勇雄はパトカーで晴南達を自宅へ送り届けたのだった。
全員をそれぞれの家に送り届けた勇雄は九木礼警察署へと戻るのだった。
勇雄がパトカーを駐車場に止めて九木礼警察署の中に入っていった。
勇雄が署長室に戻ると署長室の扉がノックされた。
そして男の声が聞こえてきた。
「松浦警視今よろしいですか?」
勇雄がその警察官に言った。
「ああ大丈夫だ。」
署長室の扉が開いて一人の背広姿の男が入ってきた。
「すまないな吉崎(よしざき)警部補、仕事を押しつけてしまって。」
吉崎警部補と呼ばれた男が勇雄に言った。
「いえ構いません。」
勇雄が吉崎警部補に尋ねた。
「それでどうだった?」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「柿枝敏子(かきえだとしこと)と白焼明洋(しらやきあきひろ)について調べましたが行動が妙ですね。二人の母親から当時の状況を聞いてきましたが前日の深夜に突然北海道に戻ってきたようです。」
勇雄が吉崎警部補に尋ねた。
「動機の方は??」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「ダメです。どちらも動機が全然見当たりません。」
勇雄が吉崎警部補に言った。
「そうか。本当にその子達なんだろうか?その子達が明井田大規模火災を引き起こしたとはとても思えないんだが?」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「それを確認するのが我々の仕事ではありませんか?」
勇雄が吉崎警部補に言った。
「その通りだな。」
吉崎警部補が勇雄に言った。
「明日は村下里穂(むらしたりほ)の両親から事情を尋ねる予定です。」
勇雄がため息をつきながら吉崎警部補に言った。
「捜査というのは基本疑う事から始めなければならない。仕事とはいえ疑ってかかるというのは好きになれんな。」
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