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一章
当日の行動
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その後二実達は昭洋(あきひろ)の自宅へとやってきた。
昭洋(あきひろ)の家は明井田市内にあり二実のマンションから車で十分くらいの場所にあった。
よくある木造の2階建ての一般的な住宅だった。
二実達は明洋の実家の玄関前までやってくるとチャイムを鳴らした。
あれから二実達は二実の発案により二手に分かれていた。
三緒が敏子(としこ)の自宅を訪ねて、二実が昭洋(あきひろ)の自宅へとやってきたのだった。
二実と一緒にやって来たのは、晴南と麻衣子と由香と優斗と晃太だった。
二実は明洋の自宅内の駐車スペースに車を止めて、二実達が車の中から下りてきた。
すると晴南が二実に尋ねた。
「ここが明洋(あきひろ)さんの実家ですか?」
二実が晴南に言った。
「ええそうよ。」
二実がみんなに言った。
「それじゃあ行きましょうか?」
二実はそういうと明洋邸の敷地内へと入っていった。
そして玄関前のインターホンを鳴らした。
「すいません!寿恵(すえ)おばさん来ました!!二実です!!」
少ししてインターホン越しに女性の声が聞こえてきた。
「ああ二実ちゃんね?今開けるわ!」
すると50前後の女性が玄関より出てきた。
そしてその女性が二実に声を掛けた。
「二実ちゃん?あれから明洋から連絡はなかった?」
二実はその女性に言った。
「いえありませんでした。寿恵(すえ)おばさんの方はどうですか?」
寿恵(すえ)おばさんと呼ばれた女性は何も言わずに首を横に振った。
二実が残念な様子で寿恵(すえ)おばさんに言った。
「そうですか。」
寿恵が二実に言った。
「明洋(あきひろ)ったらどこに行っちゃったのかしら?」
寿恵(すえ)おばさんは目に涙を浮かべた。
寿恵の表情は暗く目にはくまができておりあまりねれてない様子だった。
すると突然大きな声で叫んだ。
「明洋!お願いだからはやく帰ってきてちょうだい!顔が見たいだけなの!声を聞きたいだけなのよ!お願いよ!!!」
寿恵(すえ)は目に大粒の涙を浮かべて叫んだのだった。
そして寿恵が涙をぬぐいながら二実に言った。
「はあー、二実ちゃんごめんなさいね。明洋がいなくなってから涙もろくなっちゃって。」
二実が寿恵に言った。
「いえ。」
寿恵が二実に言った。
「ところでその子達は??」
二実が寿恵に言った。
「九木礼中学の後輩達です。この子達も今回の大規模火災で友達と連絡が取れなくなってるんです。それで少しでも情報を集めてあげたいと思って連れてきました。」
寿恵がみんなに言った。
「そう、二実ちゃんの後輩なのね。あなた達も大変ね。二実ちゃん?みんなも?せっかく来たんだし上がってて?色々と話を聞かせてほしいから。」
二実が寿恵に言った。
「ありがとうございます。」
二実達は明洋(あきひろ)の家の中へと入っていった。
二実達は一階のリビングへと通された。
リビングに置かれていたソファーに全員が腰を下ろした。
すると二実が寿恵(すえ)に尋ねた。
「すいません、もう一度確認したいんですけど、明洋(あきひろ)が出かけたのが6月11日の朝なんですよね?」
寿恵(すえ)が二実に言った。
「ええ6月11日の午前5時に家を出かけてから何の連絡もないわ。」
二実が寿恵(すえ)に言った。
「私は明洋(あきひろ)がこっちに戻ってきてるって知らなかったんです。それでこっちに戻ってたって聞いて驚きました。」
寿恵(すえ)が二実に言った。
「ええ私も帰ってきて驚いたのよ。」
二実が寿恵(すえ)に聞き返した。
「どういう事ですか?」
寿恵が二実に言った。
「10日の夕方に明洋(あきひろ)から電話があったの。」
二実が寿恵に尋ねた。
「えっ??10日の夕方に明洋から連絡があったんですか?」
寿恵が二実に言った。
「ええ、今週は戻れないから母さんごめんなって伝えてきたの。それで私は戻ってくるにもお金がかかるから無理して戻ってこなくていいのよって伝えたの。」
二実が寿恵に尋ねた。
「寿恵おばさん、ちょっと待ってください?明洋(あきひろ)はここに帰ってきたって言ってませんでしたか?」
寿恵が二実に言った。
「ええ二実ちゃん確かにそう言ったわ。」
二実が寿恵に言った。
「でもこの話の流れだと帰ってきませんよね?」
寿恵が二実に言った。
「私もそう思ってたんだけど、帰ってきたのよその日の深夜に!」
二実が寿恵に尋ねた。
「どういう事ですか?」
寿恵が二実に言った。
「理由は分からないんだけど、その日の深夜に突然帰ってきたのよ。多分午前零時は回ってたと思うわ。寝室のベッドで寝てたら真夜中に突然インタホーンが鳴ったのよ。もう驚いたわ。それで立て続けに何度も何度もインターホンが鳴り続けたの。もう怖くて怖くて仕方なかったわ。はやく終わってほしかったけど、その後もずーっとインターホンが鳴り続けたの。もう仕方がないから覚悟を決めてインターホンの所に行ったのよ。それでインターホン越しにどちら様ですか?って尋ねたの。でも何の返事も返ってこないのよ。泥棒じゃないかって思って恐る恐る窓から玄関の外を覗いたの。そしたら明洋が玄関前に立ってたのよ。」
寿恵が二実に言った。
「明洋がインターホンを鳴らし続けてたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「そうなのよ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「それで?」
二実が寿恵に言った。
「それですぐに玄関の扉を開けて明洋を玄関に入れたの、それでなんでこんな時間に戻ってきたの?戻ってこないんじゃなかったの?って聞いたのよ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「それで明洋は何て言ったんですか???」
寿恵が二実に言った。
「何も言わなかったのよ。私が何も聞いてもダンマリで一言も喋らなかったの。玄関に入ってからずーっと2階の部屋を見上げていたわ。そのまま二階に上がっていって自分の部屋に入っていったわ。」
二実が寿恵に言った。
「もしかしておばさんは明洋(あきひろ)と帰ってきてから、一言も話してないんですか?」
寿恵が二実に言った。
「ええ何も話してないわ。いつもなら大学や二実ちゃん達の話を楽しそうに話してくれるんだけどね?」
二実が寿恵に尋ねた。
「どういう事ですか?おばさんは明洋(あきひろ)と喧嘩でもしてたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「喧嘩なんてしてないわ。あの日の夕方にもちゃんと明洋と電話で話をしてたし。仮に喧嘩をしてたとしても分別のある子だからあんなはた迷惑な事しないと思うのよ。」
二実が寿恵に言った。
「そうですよね、自宅の鍵を持ってなかったからってそんな非常識な事しないですよね?」
寿恵が二実に言った。
「いいえ、明洋(あきひろ)は帰ってきた時にちゃんと家の鍵を持ってたわよ。手さげカバンに引っ掛けてたわ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「じゃあなんで明洋(あきひろ)はそんな事をしたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「全然分からないよ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「それから明洋はどうしてたんですか?2階の自分の部屋で寝てたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「多分寝てないと思うわ。電気がずっとついてたし、一晩中明洋の部屋からガサゴソと音がしてたから。まあ私もその日は全然寝れなくて一晩中起きてたんだけど。それから夜が明けて午前5時になった頃だったわ。明洋が突然自分の部屋から出てきて階段を下りてきたのよ。それを見たんでこんな朝はやくからどこに行くつもりなの?って聞いたんだけどまたダンマリだったわ。そういえば明洋ったら珍しく大きなリュックを背負ってたわ。いつも手さげかばんを使ってるのに。」
二実が寿恵に言った。
「明洋はどこに行こうとしてたんだろう?」
寿恵が二実に言った。
「その時は近くのコンビニに行ったと思ってたのよ。」
二実が寿恵に言った。
「確かに午前5時に営業してる場所なんてコンビニぐらいですよね。」
寿恵が二実に言った。
「だけど夜になっても帰ってこないから心配になってきたわ。ただ警察に連絡しようかどうか迷ってたのよね。」
二実が寿恵に尋ねた。
「なぜですか?」
寿恵が二実に言った。
「二実ちゃん達と何か約束してるだけかもしれないとも思ってたから。だからまず二実ちゃんに連絡を取ろうとしたんだけど連絡がなかなかとれなかったから。」
二実が寿恵に言った。
「すいませんスマホの調子が悪くて出られませんでした。」
寿恵が二実に言った。
「ああごめんなさいね。二実ちゃんを責めてるつもりは全くないから気にしないでね。それでそうこうしてる間に日曜日になって今度は避難指示が出ちゃったでしょ?お隣さんが呼びにきてここに残る訳にもいかなかったからすぐにこの家から避難したわ。そして昨日やっと避難指示が解除されたからこの家に戻って今に至るの。」
二実が寿恵に言った。
「寿恵おばさんありがとうございました。でも本当に訳が分からないですね。明洋は寿恵(すえ)おばさんに10日の夕方に今週は戻れないって連絡をしたその日の深夜に突然北海道の明井田にある実家まで戻ってきてた。自宅の鍵を持っているにもかかわらず真夜中にインターホンを何度も鳴らしておばさんをたたき起こして玄関を開けさせた。」
二実が寿恵に言った。
「おばさんの問いかけには一切答えずにそのまま玄関から二階に上がって自分の部屋に入っていった。そしてその夜は一睡もせずに部屋の中でガサゴソと何かをしていた。そして午前5時になったら大きなリュックを背負って何も言わずに出かけて行った。」
二実が寿恵に尋ねた。
「明洋は部屋の中で何をしてんですか?」
寿恵が二実に言った。
「それが分からないのよね。あれから明洋の部屋には入ってないし。」
二実が寿恵に言った。
「そうですか。」
寿恵が二実に言った。
「それなら二実ちゃん?明洋の部屋を見ていく?」
二実が寿恵に言った。
「えっ?いいんですか?」
寿恵が二実に言った。
「ええいいわよ。そのかわり部屋を見て何か気づいた事があったら教えてね。」
昭洋(あきひろ)の家は明井田市内にあり二実のマンションから車で十分くらいの場所にあった。
よくある木造の2階建ての一般的な住宅だった。
二実達は明洋の実家の玄関前までやってくるとチャイムを鳴らした。
あれから二実達は二実の発案により二手に分かれていた。
三緒が敏子(としこ)の自宅を訪ねて、二実が昭洋(あきひろ)の自宅へとやってきたのだった。
二実と一緒にやって来たのは、晴南と麻衣子と由香と優斗と晃太だった。
二実は明洋の自宅内の駐車スペースに車を止めて、二実達が車の中から下りてきた。
すると晴南が二実に尋ねた。
「ここが明洋(あきひろ)さんの実家ですか?」
二実が晴南に言った。
「ええそうよ。」
二実がみんなに言った。
「それじゃあ行きましょうか?」
二実はそういうと明洋邸の敷地内へと入っていった。
そして玄関前のインターホンを鳴らした。
「すいません!寿恵(すえ)おばさん来ました!!二実です!!」
少ししてインターホン越しに女性の声が聞こえてきた。
「ああ二実ちゃんね?今開けるわ!」
すると50前後の女性が玄関より出てきた。
そしてその女性が二実に声を掛けた。
「二実ちゃん?あれから明洋から連絡はなかった?」
二実はその女性に言った。
「いえありませんでした。寿恵(すえ)おばさんの方はどうですか?」
寿恵(すえ)おばさんと呼ばれた女性は何も言わずに首を横に振った。
二実が残念な様子で寿恵(すえ)おばさんに言った。
「そうですか。」
寿恵が二実に言った。
「明洋(あきひろ)ったらどこに行っちゃったのかしら?」
寿恵(すえ)おばさんは目に涙を浮かべた。
寿恵の表情は暗く目にはくまができておりあまりねれてない様子だった。
すると突然大きな声で叫んだ。
「明洋!お願いだからはやく帰ってきてちょうだい!顔が見たいだけなの!声を聞きたいだけなのよ!お願いよ!!!」
寿恵(すえ)は目に大粒の涙を浮かべて叫んだのだった。
そして寿恵が涙をぬぐいながら二実に言った。
「はあー、二実ちゃんごめんなさいね。明洋がいなくなってから涙もろくなっちゃって。」
二実が寿恵に言った。
「いえ。」
寿恵が二実に言った。
「ところでその子達は??」
二実が寿恵に言った。
「九木礼中学の後輩達です。この子達も今回の大規模火災で友達と連絡が取れなくなってるんです。それで少しでも情報を集めてあげたいと思って連れてきました。」
寿恵がみんなに言った。
「そう、二実ちゃんの後輩なのね。あなた達も大変ね。二実ちゃん?みんなも?せっかく来たんだし上がってて?色々と話を聞かせてほしいから。」
二実が寿恵に言った。
「ありがとうございます。」
二実達は明洋(あきひろ)の家の中へと入っていった。
二実達は一階のリビングへと通された。
リビングに置かれていたソファーに全員が腰を下ろした。
すると二実が寿恵(すえ)に尋ねた。
「すいません、もう一度確認したいんですけど、明洋(あきひろ)が出かけたのが6月11日の朝なんですよね?」
寿恵(すえ)が二実に言った。
「ええ6月11日の午前5時に家を出かけてから何の連絡もないわ。」
二実が寿恵(すえ)に言った。
「私は明洋(あきひろ)がこっちに戻ってきてるって知らなかったんです。それでこっちに戻ってたって聞いて驚きました。」
寿恵(すえ)が二実に言った。
「ええ私も帰ってきて驚いたのよ。」
二実が寿恵(すえ)に聞き返した。
「どういう事ですか?」
寿恵が二実に言った。
「10日の夕方に明洋(あきひろ)から電話があったの。」
二実が寿恵に尋ねた。
「えっ??10日の夕方に明洋から連絡があったんですか?」
寿恵が二実に言った。
「ええ、今週は戻れないから母さんごめんなって伝えてきたの。それで私は戻ってくるにもお金がかかるから無理して戻ってこなくていいのよって伝えたの。」
二実が寿恵に尋ねた。
「寿恵おばさん、ちょっと待ってください?明洋(あきひろ)はここに帰ってきたって言ってませんでしたか?」
寿恵が二実に言った。
「ええ二実ちゃん確かにそう言ったわ。」
二実が寿恵に言った。
「でもこの話の流れだと帰ってきませんよね?」
寿恵が二実に言った。
「私もそう思ってたんだけど、帰ってきたのよその日の深夜に!」
二実が寿恵に尋ねた。
「どういう事ですか?」
寿恵が二実に言った。
「理由は分からないんだけど、その日の深夜に突然帰ってきたのよ。多分午前零時は回ってたと思うわ。寝室のベッドで寝てたら真夜中に突然インタホーンが鳴ったのよ。もう驚いたわ。それで立て続けに何度も何度もインターホンが鳴り続けたの。もう怖くて怖くて仕方なかったわ。はやく終わってほしかったけど、その後もずーっとインターホンが鳴り続けたの。もう仕方がないから覚悟を決めてインターホンの所に行ったのよ。それでインターホン越しにどちら様ですか?って尋ねたの。でも何の返事も返ってこないのよ。泥棒じゃないかって思って恐る恐る窓から玄関の外を覗いたの。そしたら明洋が玄関前に立ってたのよ。」
寿恵が二実に言った。
「明洋がインターホンを鳴らし続けてたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「そうなのよ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「それで?」
二実が寿恵に言った。
「それですぐに玄関の扉を開けて明洋を玄関に入れたの、それでなんでこんな時間に戻ってきたの?戻ってこないんじゃなかったの?って聞いたのよ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「それで明洋は何て言ったんですか???」
寿恵が二実に言った。
「何も言わなかったのよ。私が何も聞いてもダンマリで一言も喋らなかったの。玄関に入ってからずーっと2階の部屋を見上げていたわ。そのまま二階に上がっていって自分の部屋に入っていったわ。」
二実が寿恵に言った。
「もしかしておばさんは明洋(あきひろ)と帰ってきてから、一言も話してないんですか?」
寿恵が二実に言った。
「ええ何も話してないわ。いつもなら大学や二実ちゃん達の話を楽しそうに話してくれるんだけどね?」
二実が寿恵に尋ねた。
「どういう事ですか?おばさんは明洋(あきひろ)と喧嘩でもしてたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「喧嘩なんてしてないわ。あの日の夕方にもちゃんと明洋と電話で話をしてたし。仮に喧嘩をしてたとしても分別のある子だからあんなはた迷惑な事しないと思うのよ。」
二実が寿恵に言った。
「そうですよね、自宅の鍵を持ってなかったからってそんな非常識な事しないですよね?」
寿恵が二実に言った。
「いいえ、明洋(あきひろ)は帰ってきた時にちゃんと家の鍵を持ってたわよ。手さげカバンに引っ掛けてたわ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「じゃあなんで明洋(あきひろ)はそんな事をしたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「全然分からないよ。」
二実が寿恵に尋ねた。
「それから明洋はどうしてたんですか?2階の自分の部屋で寝てたんですか?」
寿恵が二実に言った。
「多分寝てないと思うわ。電気がずっとついてたし、一晩中明洋の部屋からガサゴソと音がしてたから。まあ私もその日は全然寝れなくて一晩中起きてたんだけど。それから夜が明けて午前5時になった頃だったわ。明洋が突然自分の部屋から出てきて階段を下りてきたのよ。それを見たんでこんな朝はやくからどこに行くつもりなの?って聞いたんだけどまたダンマリだったわ。そういえば明洋ったら珍しく大きなリュックを背負ってたわ。いつも手さげかばんを使ってるのに。」
二実が寿恵に言った。
「明洋はどこに行こうとしてたんだろう?」
寿恵が二実に言った。
「その時は近くのコンビニに行ったと思ってたのよ。」
二実が寿恵に言った。
「確かに午前5時に営業してる場所なんてコンビニぐらいですよね。」
寿恵が二実に言った。
「だけど夜になっても帰ってこないから心配になってきたわ。ただ警察に連絡しようかどうか迷ってたのよね。」
二実が寿恵に尋ねた。
「なぜですか?」
寿恵が二実に言った。
「二実ちゃん達と何か約束してるだけかもしれないとも思ってたから。だからまず二実ちゃんに連絡を取ろうとしたんだけど連絡がなかなかとれなかったから。」
二実が寿恵に言った。
「すいませんスマホの調子が悪くて出られませんでした。」
寿恵が二実に言った。
「ああごめんなさいね。二実ちゃんを責めてるつもりは全くないから気にしないでね。それでそうこうしてる間に日曜日になって今度は避難指示が出ちゃったでしょ?お隣さんが呼びにきてここに残る訳にもいかなかったからすぐにこの家から避難したわ。そして昨日やっと避難指示が解除されたからこの家に戻って今に至るの。」
二実が寿恵に言った。
「寿恵おばさんありがとうございました。でも本当に訳が分からないですね。明洋は寿恵(すえ)おばさんに10日の夕方に今週は戻れないって連絡をしたその日の深夜に突然北海道の明井田にある実家まで戻ってきてた。自宅の鍵を持っているにもかかわらず真夜中にインターホンを何度も鳴らしておばさんをたたき起こして玄関を開けさせた。」
二実が寿恵に言った。
「おばさんの問いかけには一切答えずにそのまま玄関から二階に上がって自分の部屋に入っていった。そしてその夜は一睡もせずに部屋の中でガサゴソと何かをしていた。そして午前5時になったら大きなリュックを背負って何も言わずに出かけて行った。」
二実が寿恵に尋ねた。
「明洋は部屋の中で何をしてんですか?」
寿恵が二実に言った。
「それが分からないのよね。あれから明洋の部屋には入ってないし。」
二実が寿恵に言った。
「そうですか。」
寿恵が二実に言った。
「それなら二実ちゃん?明洋の部屋を見ていく?」
二実が寿恵に言った。
「えっ?いいんですか?」
寿恵が二実に言った。
「ええいいわよ。そのかわり部屋を見て何か気づいた事があったら教えてね。」
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