あなた達を異世界の勇者として召喚してあげますよ?

しまうま弁当

文字の大きさ
上 下
21 / 135
序章

学校前

しおりを挟む
晴南は全力疾走で中学校前に向かって走っていた。

麻衣子と亜美が待つ中学校の正門近くまでやってきた。

晴南は最後の力でラストスパートをかけた。

拓也の姿は見当たらなかった。

晴南がゴールに到着した。

それに少し遅れて冬湖もゴールした。

晴南は息を切らしながら麻衣子に尋ねた。

「はあ!はあ!麻衣子、拓也達はまだゴールしてないの?」

すると麻衣子が首を横にふってに晴南に言った。

「ううん、もう来てるよ。残念だけど。」

すると拓也と慎吾が正門の裏側から姿を現したのだった。

晴南は拓也と慎吾の姿を見てがっくりと肩を落として言った。

「そんなー!」

晴南が大きな声で悔しがった。

「あー!もうー!!ま、負けちゃたー!!」

拓也が晴南に言った。

「晴南、今回は俺の勝ちだな。」

晴南が拓也に尋ねた。

「拓也は慎吾を連れてきたのね?」

拓也が晴南に言った。

「ああ慎吾は休日はいつも九木礼公園で筋トレしてるからな。声をかけに行ったんだ。」

慎吾が晴南に言った。

「面白そう事ばやっちょるけん、おいもついてきた。」

すると麻衣子が大きな声で言った。

「今回のマラソン兼借り物競争の勝負は拓也君の勝ち!」

亜美が拓也に言った。

「お兄ちゃん、おめでとう!」

拓也が亜美に言った。

「ああ、ありがとう。」

晴南が拓也に言った。

「拓也!今回は負けたけど次は絶対に負けないわ!」

拓也が晴南に言った。

「望む所だ。」

麻衣子が晴南に言った。

「晴南は冬湖を連れてきたのね?」

晴南が麻衣子に言った。

「ええ、そうよ。」

麻衣子が冬湖に言った。

「冬湖もお疲れさま。晴南についてくるのは大変だったでしょ?かなり疲れたんじゃない?」

冬湖が麻衣子に言った。

「はい、だいぶ疲れました。」

すると冬湖が麻衣子に尋ねた。

「あのう麻衣子さん?これはどういう事なんですか?」

麻衣子が晴南に尋ねた。

「ちょっと晴南??まさか冬湖に説明してないの?」

晴南が麻衣子に言った。

「まだ説明してないわ。」

麻衣子が不思議そうな顔をしている冬湖に言った。

「実はさ、今日は晴南と拓也君でマラソン勝負をしようって事になったんだけど、晴南がついでに借り物競争もやろうって言い出してね。それで部員を一人ここに連れてくるってなったのよ。それで冬湖がここに連れてこられたの。」

冬湖が納得した様子で麻衣子に言った。

「そういう事だったんですね。」

麻衣子が冬湖に尋ねた。

「ねえ冬湖はどこにいたの?」

冬湖が麻衣子に言った。

「美咲さん達と喫茶店ベリエにいました。」

麻衣子が冬湖に言った。

「なるほどね。そこに突然晴南が乱入してきて、訳も分からず連れ去られた訳ね。」

麻衣子が晴南に尋ねた。

「あのさ、晴南?なんで冬湖にちゃんと説明しなかったの?」

晴南が麻衣子に言った。

「だって時間が無かっただもの!!しょうがないじゃない?」

麻衣子が晴南に言った。

「しょうがないって、部員を連れてこいって言い出したのは晴南でしょうが??」

晴南が麻衣子に言った。

「それはそうだけど。」

麻衣子が晴南に言った。

「無理やり冬湖を連れてくるなんて!晴南だって分かってるって言ってたじゃない?」

晴南が麻衣子に言った。

「麻衣子は勘違いをしているわ!冬湖を無理やり連れてきた訳じゃないわ!ちゃんと冬湖の了解はもらってるわ!」

麻衣子が晴南に言った。

「冬湖は優しいから晴南の頼みを断れないでしょう?それなら無理やり連れてきたのと一緒じゃないの!」

すると亜美が晴南と麻衣子に言った。

「晴南さん麻衣子さん、お願いですからケンカはやめてください!」

麻衣子が困った様子で亜美に言った。

「うーん、別にケンカしたい訳じゃないんだけどさ?」

すると冬湖が麻衣子に言った。

「麻衣子さん、私は自分の意思で晴南さんについてきたんです。」

麻衣子が冬湖に尋ねた。

「本当に?」

冬湖が麻衣子に言った。

「はい。」

冬湖は晴南が喫茶店ベリエに来た時のいきさつを麻衣子に話した。

いきさつを聞いた麻衣子が冬湖に尋ねた。

「つまりこういう事?晴南が美咲を連れていこうとして、美咲が拒否した。それで言い合いになってた所に冬湖がその役をかって出たのね?」

冬湖が頷いきながら麻衣子に言った。

「はい。そうです。」

麻衣子が冬湖に言った。

「なんだそうだったの。てっきり冬湖を無理やり連れてきたのかと思っちゃった。」

晴南が麻衣子に言った。

「もう麻衣子が早とちりするからよ。さっきからそう言ってるでしょう?」

麻衣子が申し訳なさそうに晴南に言った。

「ごめん晴南!今回は私が悪かったわ!」

晴南が麻衣子に言った。

「もういいわ。分かってくれたなら。」

それから晴南たちはしばらくの間中学校前で雑談をしていた。

あっという間に時間が過ぎて夕暮れ時になった。

亜美が中学校の校舎に備え付けられた時計を見ながら言った。

「もうこんな時間です!」

麻衣子がみんなに言った。

「あっ本当。それじゃあみんなそろそろ帰ろっか?」

麻衣子が晴南に言った。

「ええ、そうね。」

晴南が冬湖に言った。

「冬湖、今日は付き合ってくれてありがとう。」

冬湖が晴南に言った。

「いえ、こちらこそありがとうございました。」

拓也が慎吾に言った。

「慎吾もすまなかったな。筋トレの邪魔をした上にこんな時間までつきあわせてしまって。」

慎吾が拓也に言った。

「水くさい事ば言いなしゃんな。ばり楽しかったけん全然構わん。」

そして晴南達は自分の家に帰っていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

俺のスキルが無だった件

しょうわな人
ファンタジー
 会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。  攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。  気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。  偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。  若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。  いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。 【お知らせ】 カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...