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「クラトス様なのですか??」
「ああ、ダルスタル・クラトスだよ。」
「クラトス様、ご無事だったのですね???」
「ああ、何とかね。ソフィー。二カ月も連絡する事ができずに本当にすまなかった。」
「いいえ、クラトス様がご無事で本当に良かったです。王国軍は敗北してしまったと聞いていましたから。通信魔法も全然繋がらなかったですし。」
「それが魔物達によって王都レイヤーン全体が別の空間に閉じ込められてしまったんだ。何とか元に戻そうとしているのだがなかなかうまくいっていないんだ。そのせいで通信魔法もつながらなくなってしまった。」
「そうだったんですね。」
「それよりもソフィーの方こそ大丈夫かい??元気がなさそうだが??」
「でもこれはどういう事ですか??私の近くにいらっしゃらないのですよね??」
「ああ私は王都レイヤードの周辺にいるはずだ。」
私はとある事に気が付きました。
私が首にしている首飾りが光り輝いているのでした。
この首飾りはクラトス様から贈られたもので、私はリチャードに見つからないようにこの首飾りを懐に隠していました。
「そういえばさきほどからクラトス様から頂いた首飾りが輝いているのです。」
「ふむ、ソフィーもしかして聖域の中にいるかい?」
「はい、聖域の中に隠れています。」
「どうやらゼブリアの力のようだな。ソフィーの心からの願いにゼブリアが応えてくれたのだろう!!」
「秘宝ゼブリアが私の願いを叶えてくれたんですか?」
「ああ恐らくは。きっとソフィーの純粋な願いをゼブリアがくみ取ってくれたのだろう。」
でしたらお願いします。どうかクラトス様の窮地を救ってあげてください。
すると聖域が大きく光始めたのでした。
夜だというのにまるで昼間のように神々しく輝きだしたのでした。
そして大きな光が王都の方角へと飛んで行ったのでした。
「何が??」
「どうしたんだい??ソフィー??大丈夫かい??」
「はい、私は何ともないんですが、突然聖域が輝き始めたのです。そして王都の方に大きな光が飛んでいきました。」
「ゼブリアがまたソフィーの願いを聞き届けてくれたのかもしれないな。」
「なんだ??」
「クラトス王子!!!ご報告いたします。」
「先ほど外から大きな光が差し込んできて、王都を封じ込めていた空間の壁が破壊され外に出られるようになった模様です。」
「なんだと??本当か??」
「はい。」
「よしならばすぐに父上にもこの事を知らせてくれ!!!」
「はっ!!」
「ソフィーありがとう。君に救われたな。」
「私は何もしていません。」
「そういえばなぜ聖域に隠れていたんだい?魔物達がリーゼルトの中にまで入ってきているのかい?」
「いえそうではありません。実は」
私は事の次第をクラトス様に伝えました。
「リチャードが反乱を起こした??本当なのかいソフィー??」
「はい、全て事実です。」
「リチャードめ、なんという蛮行を!!!分かった、可能な限りすぐに戻る!!!ソフィーはそれまで隠れていてくれ。」
「はい、ありがとうございます。」
私はそう言い終わるとクラトス様の声が聞こえなくなりました。
良かった。クラトス様は生きていてくれた。
クラトス様がきっと来てくれる。だったら私だけ隠れているなんてできない。
そして日が昇り朝となりました。
「ああ、ダルスタル・クラトスだよ。」
「クラトス様、ご無事だったのですね???」
「ああ、何とかね。ソフィー。二カ月も連絡する事ができずに本当にすまなかった。」
「いいえ、クラトス様がご無事で本当に良かったです。王国軍は敗北してしまったと聞いていましたから。通信魔法も全然繋がらなかったですし。」
「それが魔物達によって王都レイヤーン全体が別の空間に閉じ込められてしまったんだ。何とか元に戻そうとしているのだがなかなかうまくいっていないんだ。そのせいで通信魔法もつながらなくなってしまった。」
「そうだったんですね。」
「それよりもソフィーの方こそ大丈夫かい??元気がなさそうだが??」
「でもこれはどういう事ですか??私の近くにいらっしゃらないのですよね??」
「ああ私は王都レイヤードの周辺にいるはずだ。」
私はとある事に気が付きました。
私が首にしている首飾りが光り輝いているのでした。
この首飾りはクラトス様から贈られたもので、私はリチャードに見つからないようにこの首飾りを懐に隠していました。
「そういえばさきほどからクラトス様から頂いた首飾りが輝いているのです。」
「ふむ、ソフィーもしかして聖域の中にいるかい?」
「はい、聖域の中に隠れています。」
「どうやらゼブリアの力のようだな。ソフィーの心からの願いにゼブリアが応えてくれたのだろう!!」
「秘宝ゼブリアが私の願いを叶えてくれたんですか?」
「ああ恐らくは。きっとソフィーの純粋な願いをゼブリアがくみ取ってくれたのだろう。」
でしたらお願いします。どうかクラトス様の窮地を救ってあげてください。
すると聖域が大きく光始めたのでした。
夜だというのにまるで昼間のように神々しく輝きだしたのでした。
そして大きな光が王都の方角へと飛んで行ったのでした。
「何が??」
「どうしたんだい??ソフィー??大丈夫かい??」
「はい、私は何ともないんですが、突然聖域が輝き始めたのです。そして王都の方に大きな光が飛んでいきました。」
「ゼブリアがまたソフィーの願いを聞き届けてくれたのかもしれないな。」
「なんだ??」
「クラトス王子!!!ご報告いたします。」
「先ほど外から大きな光が差し込んできて、王都を封じ込めていた空間の壁が破壊され外に出られるようになった模様です。」
「なんだと??本当か??」
「はい。」
「よしならばすぐに父上にもこの事を知らせてくれ!!!」
「はっ!!」
「ソフィーありがとう。君に救われたな。」
「私は何もしていません。」
「そういえばなぜ聖域に隠れていたんだい?魔物達がリーゼルトの中にまで入ってきているのかい?」
「いえそうではありません。実は」
私は事の次第をクラトス様に伝えました。
「リチャードが反乱を起こした??本当なのかいソフィー??」
「はい、全て事実です。」
「リチャードめ、なんという蛮行を!!!分かった、可能な限りすぐに戻る!!!ソフィーはそれまで隠れていてくれ。」
「はい、ありがとうございます。」
私はそう言い終わるとクラトス様の声が聞こえなくなりました。
良かった。クラトス様は生きていてくれた。
クラトス様がきっと来てくれる。だったら私だけ隠れているなんてできない。
そして日が昇り朝となりました。
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