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しおりを挟むセディーとケイトさんの結婚式の翌日。
まだ会場近くに滞在していたアホ共を、密かに貸倉庫へと呼び集めた。
本当は、わたしもスピカと過ごしたかったけど・・・さすがに、スピカにこれは見せられない。
スピカはケイトさんとリヒャルト君と、うちでほのぼの過ごしている。
「はい、召集~!」
「え? なに? なんの召集よ?」
「……久々に会ったと思ったら、なんなんだ?」
「ふむ……久々に、鍛錬かっ!?」
「や、違うから」
「お、んじゃ、あれか? 噂の可愛い婚約者さんを俺らに紹介」
「は? するワケないでしょ」
「ヤだ! 真顔やめて!」
「……それなら、なにが目的の召集なんだ?」
「実は・・・」
「実は、なんだ? 言い難いことなのか? ハウウェル」
「この貸倉庫には、セディーとケイトさんへ届いた、大量の結婚祝いを、一時的に突っ込んであります」
「おう、よかったなー。セルビア様、めっちゃ綺麗だったよなぁ……ま、おにーさんに向ける笑顔よりも、弟さんへ向ける笑顔のが一番輝いてたのは相変わらずって感じだけどさ」
「……それもどうかとは思うが。というか、突っ込んである、という表現もどうなんだ?」
「うん。お祝いとか、祝福されるのはいいと思うんだよ。でも、ね・・・」
「うん? でも、なんだというんだ?」
「大量のお祝いの品に混じって、変な物が紛れているので、そのチェックをしたいと思います」
「あ? 変な物ってなんだ?」
「……セディック様や、セルビア……いや、奥方様へ恨みを持つ者からの不審物など、か?」
「う~ん……一応、そういう感じの危険物や不審物は既にチェック済みで、取り除かれてはいると思うけど……」
ハウウェルの使用人達は、優秀だし。
「あ? んじゃ、なんなんだよ?」
要領を得ないわたしの説明に、テッドが眉を寄せる。
「……『ケイト様を見守る会』の方達から、お祝いの品が紛れていた」
「は?」
「うん?」
「……中身は?」
「乗馬用品……? とか。なんか、微妙に実用的じゃない、やたら攻撃的なデザインのやつとか。あと、鞭、ハイヒール、普通に歩けなさそうなくらい尖ったピンヒールのブーツ。更には、溶けて蝋が垂れても火傷しないという蝋燭。縛っても怪我をし難いロープなどなど」
「あっ、アウトーっ!? マジ完璧アウトだからそれっ!?」
「う、うむ」
「物自体は、本当に高級品なんだけどねぇ……」
はぁ……と、思わず洩れる溜め息。
「高級品で、尚且つ、高位貴族から贈られて来た品だから、使用人達じゃあちょっと判断に困るっていうか・・・」
「……それで、なんで俺達を呼んだんだ?」
「まぁ、君達なら『見守る会』のことを知ってるし、ああいう趣味の人達が贈って来たアウトな物の見分けが付くと思って。仕分け、手伝ってもらえないかな? あ、勿論謝礼は出すから」
「よし、手伝おう」
「リールが即決したっ!」
「……手伝う、とは言ったものの、いいのか? 高位貴族からの贈り物を、贈られた本人ではなく、ハウウェルが勝手に処分したりして」
「ああ、うん。その辺りは大丈夫だと思う。送り返すだけだから」
「え? マジ? なんか全然大丈夫そうじゃないんだけど? 不興買ったり、喧嘩なったりとかしねぇの? 相手、高位貴族だろ?」
「なんかね・・・前も、ケイトさん宛の変な品物を送り返したことがあるんだけど、喜ばれた」
「は?」
「こういう物はやめてくださいって送り返したら・・・なんかのときに、『ご丁寧に送り返して頂き、ありがとうございます。捨てて頂いても構わなかったのですが、今度はお気に召す物をお贈り致しますね』とか、めっちゃ嬉しそうに言われた」
「……うっわ、マジ引くわ~」
なんかこう……塩対応をしても喜ばれてしまうから、なんとも言えない。いろんな意味で、筋金入りな感じです。
「関わりたくないなぁ……」
「……本音が洩れているぞ、ハウウェル」
「ま、そういうワケで、仕分け宜しく」
と、アホ共と一緒に、セディーとケイトさん宛の荷物の仕分けをした。
「ところでさー、ハウウェル」
「なに? テッド」
「俺らいるのに、なんでフィールズがいないワケ? 手伝わせねーの?」
「エリオットの婚約者はルリア嬢だよ?」
「……まだ中等部生、だったか」
「うん。こういうのは教育上、宜しくないでしょ。エリオットなら、うっかり口が滑ったりしそうだし」
「ぁ~、確かに」
と、とりあえず今日までに届いていたお祝いの品の、怪しい品物をより分けて行った。
助かった。さすがに、これを一人で仕分けるのは大変だからなぁ。
「な、な、これ、おにーさんには言わねーの?」
「え?」
「……ハウウェルがいないときに、こういう品が届く可能性もあるだろう」
「うむ。セディック様には、事情を説明しておいた方がいいのではないか?」
「・・・考えとく」
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久々の面子。(*`艸´)
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