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しおりを挟む「ふぇ?」
ルリア嬢とセディーに残念なものを見る視線を向けられ、きょとんと首を傾げるエリオット。
「ミラ姉様達やレイラ姉様の残した傷跡は、想像以上に深かったようですね……大丈夫です! たとえエル兄様の社交が壊滅的だろうと、ルリはレイラ姉様の責任を取って、エル兄様の分まで社交を頑張りますから!」
「え? ルリアちゃん?」
「ミラ……? エリオット君の姉君のミラベル様? と、レイラさん?」
「セディー、ちょっと……」
事情を知らないセディーが首を傾げたので、ひそひそとエリオットが女性が苦手になった経緯をざっと説明。三人いる姉君達と、レイラ嬢を含めた四人に女の子扱いをされて育ち、そのせいで長いこと女性が苦手になり、女性のいない全寮制の騎士学校で出逢ったことを簡単に告げる。
「・・・まぁ、社交は学園内だけでするものじゃないからね。うん。別に社交が苦手でも、他にやり様は幾らでもあるからね。大丈夫だよエリオット君」
さっきの圧は消え失せ、同情心溢れる優しい笑顔でぽんとエリオットの肩を叩くセディー。
「え? え? セディック様? さっきと言ってること違ってません?」
「まぁ、君がルリア嬢の助けになりたいと思うなら、社交を頑張ればいいんじゃない?」
「わかりました!」
と、この日はエリオット、ルリア嬢、リヒャルト君、わたしでセディーの授業を受けることになった。
「ぅう……が、学園が始まったら、またハウウェル先輩に会えなくなっちゃうんですね……」
「そうしょんぼりしないでください、エル兄様。帰省が解禁になったら、ルリのおうちに来ればいいんです。これからはネイト兄様もルリとリヒャルト君と一緒にセディー兄様の授業を受けることになっているんですから、エル兄様がルリのおうちに来れば、定期的にネイト兄様とお会いできますよ」
「! そうなんですかっ!? ハウウェル先輩!」
「まぁ……三人まとめて、って言うか……」
わたしも授業を一緒に受けることもあるし、なんだったらわたしがルリア嬢とリヒャルト君に授業をすることにもなる……らしい。セディー曰く、「ほら? 人に教えると、わかったつもりになっていることにも理解が深まるからね」とのこと。
「わかりました! なら、週末は絶対帰って来ます!」
「はい、待っていますねエル兄様♪」
なんだか、エリオットをフィールズ公爵邸に呼び出す出汁に使われた気がしないでもないけど・・・
まぁ、エリオットとルリア嬢がそれでいいならいいか。
わたし、一言も毎週フィールズ公爵邸に来るとは言ってないんだけどね?
✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰⋆。:゚・*☽:゚・⋆。✰
ルリア「ふふっ、これでエル兄様と毎週会えます♪」(*´艸`*)
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