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しおりを挟むちょい変更。卒業式の前に……
__________
あっという間に卒業式・・・を迎える前に、サプライズで慰労会が開かれた。
乗馬クラブの部員一同から、
「「「クロフト部長、ハウウェル副部長、三年間お疲れ様でした!」」」
労われ、アンダーソン嬢とレイラ嬢からレザンとわたしへそれぞれ花束が渡されました。
レザンが部長になってから、乗馬クラブ内での男子の喧嘩が無くなった。あの、レイラ嬢に泣かされた新入生が男子の一件以来、女子生徒へ判り易く敵愾心を剥き出しにする男子がいなくなった。貴族なのに平民生徒にも気さくな態度で、丁寧に乗馬を教えてもらった……などなど、後輩達から感謝の言葉が。
まぁ、長身でムキムキ、三白眼で威圧感のある、しかも軍閥関係出身のレザンに喧嘩を売る度胸のある奴がいなかっただけだと思う。
それに、女子生徒へ敵意剥き出しにする男子がいなくなったのは、レイラ嬢のお陰? だし。まぁ、アレを止めなかったことへの感謝なのかもしれないけど。
わたしの方にも……
威圧感のあるクロフト様に話し掛けるのは勇気が要りますが、ハウウェル様がいらっしゃることで話し掛け易くて助かりました。ケイト様と並んでいたハウウェル様が素敵でした。ハウウェル様が男子生徒から庇ってくださったことに感謝しております。麗しいハウウェル様とお可愛らしいフィールズ様がお二人で並んでいると、大層眼福でした。ハウウェル様の麗しい氷の微笑みは忘れません。クロフト様やメルン先輩、フィールズ様と楽しげに話している姿に大変胸が高鳴りました。颯爽と鞭を持つ姿が最高でした。
うん? 途中から、なんかおかしいのが混じってない? と思ったら、
「レザン先輩もハウウェル先輩もメルン先輩も、皆さん卒業なんでずね……寂しくなりまずっ……」
号泣しながらエリオットが突進して来た。
「うわっ、ちょっ、鼻水付けるな、汚い!」
「ぅう~……ハウウェルぜんばい……」
エリオットの頭を押さえて引き離そうとすると、
「ぷはっ……そう言や、フィールズが最初に顔出したときもそんな感じだったな! アハハハっ!!」
ケラケラと笑うテッド。
「こら、エリオット! クロフト様とネイサン様に迷惑掛けちゃ駄目じゃないの!」
「ふぇっ……レイラちゃん」
「ほら、鼻拭きなよ」
レイラ嬢に叱られてひくひくしているエリオットへ、ハンカチを差し出す。
「来年度からは、君達が三年生なんだから。もう泣かないの」
「ハウウェルせんぱい……」
小さくそう囁くと、エリオットがコクンと頷いた。
なんてことがあって――――卒業式を迎えた。
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