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しおりを挟むアホ共が、うちにいる。なぜか、エリオットまで帰らないでうちにいる。
昨夜は大部屋でわちゃわちゃと過ごしたらしい。
わたしとセディーは、普通に自室で過ごした。
そして、朝食を済ませた後。
「今日はなにして遊ぶ?」
と、遊びに来たとの宣言通りの言葉。けど、
「遊ぶ前に勉強しようか? 君達、エリオット君以外は今年で卒業でしょ。卒業テストは大丈夫なの?」
セディーがにこやかに水を差した。
「ぐはっ!?」
「・・・むぅ」
胸を押さえてダメージを食らうテッドと、低く呻るレザン。
「一応、ネイトとリール君は大丈夫そうみたいだけど」
「まぁ、わたしはうちに帰って来たときにセディーが見てくれてるし」
「……俺は特待生なので。成績を落とすワケには行きませんから」
「うん。二人は……卒業試験とは別の勉強をしようね。ネイトは、休みの間にうちの分領地の仕事ができるようになろうね? そして、リール君は司法試験の勉強かな」
分領地……多分、父が管理していたハウウェル子爵領のことだ。まぁ、あの人の籍をハウウェル侯爵家から抜いたんだから、その分の仕事が他へ回されるということ。
「うん、がんばる・・・」
長期休暇中に子爵領の仕事ができるようになる、というのは・・・なんだかちょっぴりスパルタな予感がするかも。
「いいんですか? 俺のことまで」
「うん。どうせネイトも法律の勉強しなきゃだし。そのついでに、ね。お友達と一緒に勉強すると、一人で黙々とするより捗ると思うから」
「ありがとうございます。セディック様」
「エリオット君はどうする? ネイトと一緒に領地経営や法律関係の勉強をするか、テッド君とレザン君と一緒に卒業試験の方をするか。そうじゃなかったら、遊んでいてもいいよ?」
「あ、えっと、僕は……」
「フィールズぅ……まさか、俺達が一生懸命勉強している横で、一人で遊ぶだなんて外道なことはしないよなぁ?」
低い、呻くような声でエリオットを睨め付けるテッド。
「ひゃっ! め、め、メルン先輩、か、顔が怖いですよっ!」
飛び上がったエリオットがわたしの後ろに隠れた。
「フィールズぅ……」
「もう、年下の子をあんまりいじめないの。君達の勉強はライアンが見てくれるから」
「へーい」
「よろしくお願いします、セディック様」
と、勉強会をすることになった。
ちなみに、エリオットはわたし達の方で勉強することに決めたらしい。
「僕だって、すっごく頑張ってるルリアちゃんのためにできることはなんでもします!」
と、張り切っている。
まぁ、あの様子(エリオットを逃がさないようにとの囲い込み)じゃ無いとは思うけど・・・万が一、ルリア嬢が公爵位を継がないとなると、エリオットに公爵位が回って来ることは確実。領地経営や法律関係の勉強をするのは、将来のルリア嬢の補佐や、当主補佐、両候補としても間違っていない。
そして、卒業試験組と将来の勉強組とに分かれて勉強を開始、したのはいいんだけど・・・
領地経営や法律関係の勉強はさぞかし難しいのだろう、と覚悟をしていた。だと言うのに、
「はい、僕が選んだ本。どれも面白いから、好きな本を読んでね」
セディーはにこやかに沢山の本をお勧めして来た。
分厚い、難しそうな本もあれば薄い本、そして娯楽本も多い。
「へ? いいの?」
「うん。ミステリー系やサスペンス、クライム系とかは結構お勧めだよ」
「……えっと、セディック様? 勉強……なんですよね?」
真面目なリールの困惑顔。
「ふふっ、そうだよ」
__________
セディー式のお勉強開始。(*´∀`*)尸"
ちなみに、ミステリーとサスペンスの違いは、犯人がわからないで、登場人物達が推理しながら謎や真相、犯人を解き明かして行くのがミステリー。(´・ω・`)?
最初や途中から犯人がわかっていて、その犯人を追い詰めて行く、または登場人物が犯人に追い詰められて行く緊張感や不安感を楽しむのがサスペンスなのだとか。ヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァ
クライム系の話は、犯罪を取り扱った、または主人公側が犯罪を犯すような話のことっぽいですね。( ̄~ ̄;)
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