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しおりを挟む交流会もお開き。男子寮へ戻る途中。
「プッ……よっ、フロアクイーン!」
「あ゛?」
「いやん、怒っちゃイ・ヤ♡」
「・・・殴るよ?」
「だから、そう怒んなってばー」
「なら、そのニヤニヤ顔やめろ」
「え~? 俺、元からこんな顔なんですけどー?」
「うむ。テッドは大体笑っているな」
「……まあ、そのニヤケ面がデフォルトではあるな」
「ぐっ、なっ、お、俺だって真面目な顔することくらいあるわ!」
「なら、ニヤニヤ顔やめろ」
「え~? ほら、それとこれとは別って言うかー? 男子初のフロアクイーン賞を祝ってんだってー。な、フィールズだって去年取れなかった賞だぜ?」
「はいっ、ハウウェル先輩は凄いです!」
「・・・」
ニヤニヤ笑うテッド。きらきらした瞳で見上げるエリオット。
「これ、あげようか?」
「ええっ!! そ、そんな大事な物、僕なんかが頂けませんよっ!?」
「・・・ふ~ん、それ要らないのか? ハウウェル」
「まぁ、持ってても困るし」
「そっか。なら、俺が持ってってやろうか?」
「え? 持ってってくれるの?」
「ええっ!? メルン先輩にあげちゃうんですかっ?」
「ふっ、任せとけ! ちゃんと持ってってやる!」
と、ニヤニヤ楽しそうに笑うテッドに、『フロアクイーン』賞のトロフィーを渡した。
そして翌日。迎えに来た馬車でハウウェル侯爵邸へ向かった。
今年の長期休暇の予定は、まだ決めていない。
一応、ゆったりしたスケジュールになったセディーと過ごす時間を増やすつもりだけど――――
なんて、思ってたんだけどな?
「ネイト兄さま! ながいおやすみになったんですよね!」
と、ケイトさんと一緒にやって来たリヒャルト君に剣を教えることに。
のんびりと剣を教えていたら、
「ハウウェル君! あーそーぼっ!!」
と、またもや押し掛けて来やがったアホ共。
「恥ずかしいからそれいい加減やめろっ!!」
「え~? 楽しいからヤだ!」
「君らがそれやると、屋敷中で何日も笑われるんだからね!」
「……なんか、すまん」
「はっはっは、素敵じゃね? 笑顔溢れる屋敷! ってさ?」
「テッド君は相変わらずだねぇ」
「お邪魔します、セディック様」
「ふふっ、いらっしゃい」
「こんにちは、リヒャルト君」
「こんにちはっ、お兄さまたち!」
「おー、元気してたか? リヒャルト」
「はいっ!」
「っしゃ、また一緒に遊ぼーな?」
わしゃわしゃとリヒャルト君の頭を撫でるテッド。
「はいっ、テッドにーちゃん」
と、アホ共がうちに居座ることになった。
そして、うちの中に入ると――――
「あ、そうだ、おにーさん、おにーさん」
「ん? なに?」
「ネイトの忘れ……」
「?」
「おばあ様に? ちょっと待ってね? 多分、そろそろ休憩だと思うから」
と、なにやらセディーとこそこそ話すテッド。
「? どうかしたの?」
「はっはっは、滞在するからハウウェルのおばあ様に挨拶したいなーって」
「? そう・・・滞在、ね。また本格的に居座るつもりなんだ、君達」
「よろしくお願いしまーす」
__________
忘れ物、です。(((*≧艸≦)ププッ
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